ひとりの人間の生き様を見るような作品です
――すでに日本でも話題のホラー映画『フンパヨン 呪物に隠れた闇』が、いよいよ7月5日に日本公開します。この作品の見どころを教えてください!
この作品は、タイに伝わる迷信を扱ったホラー映画です。ホラー映画として楽しんでいただけるだけでなく、タイの文化を知ることもできます。
写真をすべて見る――今回のストーリーでは、タイに伝わる呪物・フンパヨンがキーになっており、タイホラーならではの怖さがありますよね。アップさんにとって「怖いもの」はなんですか?
この作品を撮影したロケ地が怖いです(苦笑)。実は、この映画のロケ地は、実在の“フンパヨン”がたくさん置いてある場所なんですよ。フンパヨンには、亡くなった方の遺骨が納められています。僕は怖がりなので正直とても怖くて…。撮影中はわざとコンタクトレンズを外して視界をぼやかしていました…(笑)。
※“フンパヨン”とは・・・釈迦の時代から存在するタイの伝統的なお守りで術式人形。神聖であると同時に恐ろしいものでもあるこの人形には、死霊術師の強力な呪文がかけられている。フンパヨンにはさまざまな流派があり、身を守るものもあれば、破滅を招くものもある。
――この作品はホラー映画というジャンルだけには収まりきらないほど人間ドラマが詰まっていますよね。
そうですね。すべてのキャラクターがすごく人間くさかったですし、映画を観ているという感覚よりも“ひとりの人間の生き様”を見る感覚に近いかもしれません。
――アップさんの演じるテは難しい役柄ですが、今回演じる上で気をつけたことや大切にしたことはなんですか?
僕の演じるテは、自閉症の青年。この役を演じるために、たくさん準備を重ねました。自閉症の子供たちの財団へ出向いて、実際に子供たちと接したり、財団の理事長の話を伺ったり。子供たちとの会話や理事長に教えていただいたことからたくさんのヒントを得ましたね。それをベースに、アクティングコーチや監督と相談しながらキャラクターをつくっていきました。子供たちはみんなとてもかわいかったです。
――テは不思議な魅力がありました。撮影現場での裏話をひとつ教えてください。
撮影現場を本当に見たくなかったんです(笑)。コンタクトを外していても共演者や現場の雰囲気は見えるんです。ただ、たとえば遠くの森をふと見たときに、万が一なにかの影を見てしまったら…それを考えただけでイヤで、わざと視界をずっとボヤかしていました。本当に怖かったです。
――日本のホラー作品をご覧になったことはありますか?
いいえ。怖がりなので、ホラー映画は滅多に観ないです(笑)。役者としてホラー映画に出演するのは問題ないんですよ。スタッフの方々がたくさんいらっしゃって、いろいろなサポートをしてくださるので。でも、僕は怖がりなだけではなく、驚きやすいんです。だから、予告編を観る程度なら平気ですが、驚くようなアクションのシーンを続けて観るのがどうしてもイヤです。視聴している僕も映画の中のキャラクターと同じくらいすごく驚いてしまうので…(苦笑)
――驚きやすい体質だと体力も使うしストレスも多いのでは?
(流暢な日本語で)そうそうそうそう!そうです。
アップさんをもっと知るためのQ&A!
――日本に来たら必ず行く場所はありますか?
「タワーレコード」に必ず寄ります。ちょうど昨日行ってレコードを買いました。前回、日本で開催したファンミーティングの際に、松原みきさんの『真夜中のドア』を歌ったので、昨日はその曲が入ったレコードを買いました。前々回のファンミーティングでは宇多田ヒカルさんの『First Love』を歌って、前回来日したときにそのアルバムを買ったんです。
――アップさんを知るうえで欠かせないキーワードを教えてください。
(日本語で)難しい…。でも、「毎日全力投球」ですかね。
どっちを選ぶ? 二者択一Q&A
このインタビューを読んでもっとアップさんを知りたくなった皆さんに朗報です! なんと、Oggi9月号(7月26日発売)にアップさんが初登場! 世界で活躍するアジア出身のスターを“休日”をテーマに撮りおろす不定期連載「オフ彼」の第二回のゲストとしてご登場いただきます。
今回は、【行き先も決めずにふらりと出かける大人の夏休み】をテーマにアップさんの撮り下ろし&インタビューを掲載。まるで映画のワンシーンのように美しい写真をご堪能いただけます。本誌の情報はOggi.jpの記事でチェックを。サイン入りのチェキプレゼントも実施中です
映画『フンパヨン 呪物に隠れた闇』
タームは兄弟の僧侶ティーに会うために旅に出る。彼はドンシンタム島の寺院で、フンパヨン(呪物)に魔術をかける彫刻家ジェットと出会う。タームは、ティーが前の僧院長を殺して逃亡したという噂を聞くが、ティーが人を殺すことができるとは思えない。彼はまた、曽祖父シンタムの人形に対する村人たちの信仰に疑問を抱き、村を守る霊的な存在というよりも、ただの盲目的な迷信だと考える。その後、恐ろしい出来事が次々と起こり、村は恐怖に包まれる。女性が行方不明になり、死人が続出し、あげくの果てには、曽祖父シンタムの人形が壊されてしまう。村人たちは怒りに燃え、ナイフを持った犯人を捕まえるための呪いの儀式を始める・・・。アップさんは心優しい自閉症の青年・テを演じている。
© Five Star Production Co., Ltd. 2023
公式HP:https://hoonpayon-movie.com/
公式SNS X 、Instagram:@hoonpayon_movie
俳優・モデル・歌手
Up Poompat
アップ(プーンパット・イアン=サマン)/1994年12月4日生まれ。タイ・バンコク出身の俳優・モデル・歌手。アップの愛称で知られる。世界的にヒットしたタイのドラマ『Lovely Writer The Series』で主役・ジーンを演じ、一気にブレイク。タイ発“新世代の”ホラー・ムービー『フンパヨン 呪物に隠れた闇』が7月5日〜全国順次公開。公式Instagram(@uppoompat)
ジャケット・シャツ・パンツ[すべて参考商品](ステラ マッカートニー カスタマーサービス〈ステラ マッカートニー〉) 時計¥1,848,000(IWC〈IWC〉) 【お問い合わせ先】 ステラ マッカートニー カスタマーサービス TEL 03-4579-6139 IWC TEL 0120-05-1868
撮影/YUJI TAKEUCHI (BALLPARK) スタイリスト/久保コウヘイ ヘア&メイク/Wongwarat Phruphetkaeo 通訳/高杉美和 構成/佐々木怜菜、岡野亜紀子
写真をすべて見る<オフ彼撮影ビハインド>
1:撮影中、何をしてもサマになるアップさんに現場は「かっこいい〜!」と大盛り上がり。ものすごい盛り上がりに思わず笑ってしまうアップさんでした。Oggi9月号ではアップさんを、休日をテーマに撮り下ろし。「理想の休日の過ごし方でした。ありがとうございます!」とアップさんにも大満足していただけたリラックスムード漂う姿をお楽しみに♡
2:アップさんを知る上で欠かせないキーワードについての質問の際、悩むアップさんに「かっこいいと、かわいいと…」とスタッフたちがキーワードを挙げると、「いやいやいや!」と手振り付きで流暢な日本語で謙遜!その姿があまりにも謙虚で、さらに「かわいい〜!」と現場が盛り上がると両手をグーにして両頬に当て、照れまくるアップさんでした。
3:アップさんご自身は「まだまだ勉強中です」とおっしゃっていましたが、とにかく日本語がお上手。通訳の方に訳してもらう前に日本語を聞き取れている場面も多く、スムーズに撮影は進行。インタビュー中、「映画がすごく怖かったです」と感想を伝えるスタッフに、「ありがとうございます!怖くない!」とニコニコの笑顔も覗かせていました。
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