特記事項とは?意味と使い方
特記事項(とっきじこう)とは、特別に記載する事柄を意味する言葉です。何をもって特別とするのか、言葉の意味と使い方をチェックしましょう。
特別に記載すべき事柄を指す
先述のように、「特記事項」とは通常の記載事項のほか、特別に記載すべき重要な事柄を指します。「特記」と「事項」の二つの単語からなり、それぞれの意味は以下の通りです。
とっ‐き〔トク‐〕【特記】
[名](スル)重要な事柄として、特別に書き記すこと。特筆。「—に値する」「—事項」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用じ‐こう〔‐カウ〕【事項】
ある物事の中の一つ一つの事柄。「—索引」「特記—」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
特記事項は、文書や報告書の主要部分では触れられていないものの、読み手に知っておいてほしい重要な情報を提供する役割を果たします。
たとえば、調査結果レポートの最後に「特記事項:本調査は限られたサンプル数で実施されたため、結果の一般化には注意が必要です」と付け加えるような場合です。特記事項を記載することで、より正確で包括的な情報伝達が可能になります。
使い方の一例
日常会話でも、特記事項という言葉を使う状況はたくさんあります。例を挙げてみましょう。
【上司から部下へ】報告書の特記事項は、必ず記入してください
【転職者へのアドバイスとして】履歴書の特記事項欄に「TOEIC800点取得に向けて勉強中」と書いてみてはどうでしょう
【売買契約時に】署名する前に契約書の特記事項欄をお読みください
【医療機関の支払い窓口で】診療明細書の特記事項の記載が変更になったので確認してください
重要な情報を記載する事項のため、相手に読む・書くことを促すシチュエーションで使われるケースが多いと考えられます。
特記事項を使うシーン
特記事項は、ビジネス・就職・転職活動や医療・介護の分野においてよく登場します。それぞれの利用シーンや、記載例を紹介します。
ビジネスシーン
ビジネスの世界では、契約書や報告書に特記事項を設けることが一般的です。
たとえば、不動産売買契約書に「特記事項:本物件は築50年以上経過しており、今後大規模な修繕が必要となる可能性があります」と記載すれば、重要な情報が明確に買主へ伝わります。
会議の議事録作成時には「次回の会議日程」など、通常の議題以外に特別な決定事項があれば、それを特記事項として明記します。
プロジェクト管理においても、特記事項は有効です。通常のタスクとは別に対応が必要な事項や、リスク要因となる可能性のある事柄を特記事項として挙げることで、プロジェクトの円滑な進行を支援します。
就職・転職活動
就職・転職活動でも、重要な役割を果たします。履歴書や職務経歴書に特記事項を記載することで、自身の強みやスキルをアピールできるのです。
「英語でのプレゼンテーション経験あり」や「業界最大規模のプロジェクトをリード」といった実績を持つ場合、それを明記しておけばほかの応募者との差別化が図れます。
また、勤務開始可能日や連絡を取りやすい時間帯、その他採用担当者が知りたい情報を記載するのも有効です。
企業が求人票に特記事項を記載するケースもあります。「土日勤務あり」や「海外出張の可能性あり」など、通常の勤務条件とは異なる点を明示してミスマッチを防ぎ、適切な人材の採用につなげています。
医療・介護
医療機関が発行する「レセプト(診療報酬明細書)」にも、特記事項欄があります。レセプトに特記事項を記載する理由は、「適正な保険給付」と「保険財政の健全化」のためです。
ここに記載されるのは「29区エ」「10第三」など、厚生厚生労働省の記載要項で定められた略号です。2019年3月請求分より、70歳以上の外来患者のレセプトには特記事項の記入が必須となっています。
介護記録においても、特記事項は欠かせません。たとえば訪問介護では、食欲に顔色、会話の内容等々、当日の利用者の様子を記載します。利用者の特別なニーズや担当者の新たな気づきを特記事項として記載することで、よりよい介護サービスの提供につながります。
特記事項の類語を紹介
特記事項には、いくつか似たような意味を持つ言葉があります。主な類語の意味や、特記事項との違いを紹介します。
特筆事項
特筆は「(物事を)特に取り上げて書く」ことで、特記と大変よく似た言葉です。
しかし特記の場合は辞書に「重要な事柄として」と書かれているのに対し、特筆には書かれていません。そのため、厳密には「特記」の方が重要度は高いといえます。以下の使用例をチェックして「特筆」や「特筆事項」の使い方を確認しておきましょう。
・これは特筆に値する
・特筆すべき〇〇
・特筆事項がありましたら、裏面にお書きください
「特筆に値する」「特筆すべき」などは、新しい発見や優れた功績をたたえるといった喜ばしい場面で使われることが多いです。また特筆事項には、必ず書くべき特記事項と異なり「あれば書いてもよい」とのニュアンスがあります。