「僕自身は会社員に向いていないかもしれません!」
Oggi.jpでの連載『あきじかん』が話題の人気俳優・塩野瑛久さんを独占インタビュー&撮り下ろし! 10月11日(金)からスタートする金曜ナイトドラマ『無能の鷹』について、たっぷりとお話をうかがいました。
――ドラマ『無能の鷹』はオフィスが舞台のお仕事ドラマですが、作品の見どころは?
シュールな作品なのですが、伝わってくるものがすごくあります。会社員たちの日常を描いていて、大きく何が起きるというわけでもないですが、この時代だから刺さるものがあります。「こういう人いるよね」という人がたくさん出てくるので、きっと共感してもらえるんじゃないかなと思います。僕が演じる鶸田(ひわだ)は、胃腸の弱い良くも悪くも普通の子。普通というのは、緊張する場所ではちゃんと緊張するし、余計なことは言わないし、仕事ができないわけではなく、緊張でうまく伝えられないだけで能力はある。
菜々緒さんが演じる鷹野のことを周りが無能と言うなか、鶸田は「ここまで突き抜けているのは才能ではないか」と感じているんです。周囲が鷹野に振り回されて狼狽えて、鷹野のニュアンスが変わると深読みして…と、どんどん面白いことになります。
――弁護士や検事とかも合いそうですね。
興味はありますね。論理立てるのも好きだし、哲学的なことも好きだし。でも向いているのと耐えられるメンタルがあるかはまた別の話かもしれません。結果、何をやってみたいかと言ったら…わかりません(笑)。
――秋スタートのドラマですが、塩野さんの秋といえば?
瑛久のあき!みんな俺を見ろー!っていう(笑)。(現場に拍手が起こる)
特に『無能の鷹』も始まりますから、今年は「瑛久のあき」でしょうっていう。見てください!
――鷹野さんは続々と奇跡を起こしていきますが、塩野さんが起こしたことのある奇跡があれば教えてください!
今ここにいるのも全部奇跡みたいなものですよね。高校時代にコンテストを薦められて応募してみたらありがたいことに合格したことがきっかけで今ここにいるわけですから。奇跡の連続があったからこその今だと思います。(大河ドラマ「光る君へ」以来)こんなに早いタイミングで井浦新さんとまた共演できるのも奇跡だと思いますし、すごくうれしかったです。
――現場の雰囲気はいかがですか?
すごくいいです。本当に出演者も皆さんそう思ってらっしゃると思います。まだ二日くらいしか現場では過ごしていない(※取材当時)烏森皇子役の永田崇人くんも「めちゃめちゃ現場の雰囲気がいい」と話していて。早い段階からあったかい雰囲気がつくれている現場ってすごいと思いますし、演じていても本当にやりやすく、居心地よく過ごしています。
――リラックスして撮影に臨めているようですね。撮影で大変なことはありますか?
大変なことはオフ台詞と言って、後ろで心の声が流れるシーンがあるんですけど、この作品は心の声の割合が多いんです。クライアントとの面談シーンの撮影で、心の声で合戦が始まるんですよ。クライアントは鷹野ができる人なんじゃないかと勘繰ることが今回の作品の肝になっています。打ち合わせ中にその勘繰りが発動すると、相手が頭の中で考えていることがずっと音声として流れているんですが、現実の時間は動いているので、その間だいたい僕が事業の説明などをしていて、そのセリフ量が半端じゃない(笑)。しかも普段は使わないビジネス用語がたくさん並ぶので、それを覚えるのに時間を費やしてしまうから、他のシーンにあまり時間を割けないというのが悩みです。横文字がたくさん出てくる回は本当に大変でしたが、実は横文字のほうが入ってきやすかったという。1話、2話で追加されたシーンは本当に覚えにくかったです…(苦笑)。
――そういうときはどうやって覚えるんですか?
ひたすら反復です。電車に乗ってるときでも道を歩きながらもずっと頭の中ではセリフを反復しているので、平気で電車を乗り過ごします(笑)。
――金曜ナイトドラマということで視聴者にとっては週末のお楽しみになると思いますが、塩野さんの週末(お休みの前)のお楽しみといえば?
溜まったアニメを見ることかな。1週間ごとに見るようにしているんですが、仕事が続くとなかなか見られないので、夕食を食べたあとアニメを見ながらコンビニで買ったアイスを食べるのが至福の時間です。最近おいしかったアイスは、少し前までは水まんじゅうアイスだったんです。すごく気に入っていたのですが、最近スーパーで見かけなくなっちゃいました…。だから今は塩バニラアイスをおいしく食べています。
――塩野さんのまだみんなが知らない最新トピックスをひとつ教えてください!
帽子、サングラス、バッグを買いました!全部違うショップなんですが、しっくりくるものがあったんですよ。買い物に行ったらサングラスのポップアップをやっていて、かけてみたらすごくよかった上に、手頃な価格だったんです。いいなと思いつつ、一回持ち帰ったんです。でもやっぱり気になる!と買いに行ったついでにウィンドウショッピングしていたら、すごくかわいいキャップに出合いました。しかもセールで半額くらいになっていたのもあり即購入。さらにまた別の日にバッグを購入したました。両手が空くのはやっぱり偉大だなと思って、斜めがけのバッグをチェックしていたところ、たまたま見たバッグの紹介動画を参考に選びました。
――改めて塩野さんが自己分析する「塩野瑛久って〇〇な人」の〇〇を教えてください。
落ち着くとは思いますよ、多分。楽しいやつではないけど、そばにいてもイヤにならないんじゃないかな(笑)。
撮影/深山徳幸 スタイリスト/金 順華 ヘアメイク/大槻史菜(MARVEE) 構成/佐々木怜菜、岡野亜紀子
【“しおらしい”取材メモ番外編】
・「なんとなく好きそうなパンを集めてみました!」と差し入れ(多量)を渡すと「いつもありがとうございます!“なんとなく好きそう”で買ってきてくれる量がすごい(笑)」と塩野さんがツッコみ、和やかな空気でインタビューがスタート。
・アイスの話題が出た際、スタッフがすぐに検索し、「SNSでも話題のアイスですね。ニュースにもなってます」と伝えると「僕は話題になる前から食べてました!」と笑顔の塩野さん。
・最新トピックスの質問の際。しっくりくるものに出合えるまで吟味するのでなかなか買い物ができないと連載で何度も語っていた塩野さんが、「帽子、サングラス、バッグを購入した」と話すと「おぉー!すごい!」とどよめくスタッフ。「すごいんですよ!この僕が3つも買いました!」とドヤ顔を決める愛嬌たっぷりな塩野さんに現場は爆笑。「でもサングラスは気になったけど、一回持ち帰りました!」との言葉に「よかった、知っている塩野さんだ」「変わっていない」などとスタッフから安心する声が。
金曜ナイトドラマ『無能の鷹』
テレビ朝日系列にて10月11日初回放送。毎週金曜よる11:15〜。
大事な場面になるとお腹がゆるくなってしまう体質の鶸田道人(塩野瑛久)は、ITコンサルティング企業《株式会社TALON》の面接会場でも男子便所にこもりっきりに。面接会場で、烏森皇子(永田崇人)ら、余裕たっぷりのライバルたちを横目に緊張していると、面接室のドアから、余裕の笑みを浮かべ、スマートな身のこなしから圧倒的な《デキるオーラ》を醸す鷹野ツメ子(菜々緒)が現れる。彼女に目を奪われて、思わずパンフレットを落としてしまう鶸田は「こういうカッコいい人と、仕事したいな」と心に誓うのだった。
俳優
塩野瑛久
しおの・あきひさ/1995年1月3日生まれ。東京都出身。どんな難役も演じ分けることから“カメレオン俳優”と呼ばれる実力派俳優で、話題作に多数出演。2024年大河ドラマ『光る君へ』で一条天皇を熱演。10月は、ドラマ『無能の鷹』、連続ドラマW『ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』、『天狗の台所 Season2』、映画『チャチャ』、映画『八犬伝』の放送・公開が控えている。ファッション好きとしても知られ、センスのよさから数々のファッションイベントに呼ばれる今、まさに旬の人。2024年1月より、Oggi.jpでファッション連載をスタート! 公式Instagram @akihisa_shiono_official
※本記事は2024年10月5日に公開されたOggi.jpと同内容になります。
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