「コアタイム」という言葉をご存じでしょうか? 今働いている職場で、コアタイムがあるという方もいらっしゃることでしょう。ですが、毎日の勤務時間帯が同じという働き方の人には、あまりなじみがない言葉かもしれませんね。
そこで、この記事では、コアタイムの意味や概要、フレックスタイムとの関係や違いについて解説します。
近年、多様で柔軟な働き方が注目されてきています。コアタイムは、今後聞く機会が増えるかもしれませんので、ぜひチェックしてみてくださいね。
コアタイムとは何か? 基本の定義と意義
まずは、コアタイムの基本的な意味や、意義などを見ていきましょう。
コアタイムの基本的な定義
コアタイムとは、基本的に、フレックスタイム制の企業でよく見られる制度です。フレックスタイム制とは、一定の期間について、働く人が始業や終業時刻を自分で決めることができる制度のこと。つまり、「今日は11時出社」や、「今日は16時退社」など、自分のペースで働く時間帯を決められるということですね。
そして、コアタイムとは、こういったフレックスタイム制の中で、必ず出勤することになっている時間帯を指す言葉です。例えば、コアタイムが午前11時から午後3時の会社では、この時間帯は、その日働くべき人全員が揃うということになりますよ。

(c) Adobe Stock
なぜコアタイムが重要なのか?
実は、フレックスタイム制において、コアタイムは必ずなければいけないというものではありません。ですが、コアタイムを状況に応じてうまく設定することも重要ですよ。
実際にコアタイムを設定している企業で働く人からは、「全員が揃う時間帯を作ることで、会議が設定しやすい」とか、「コミュニケーションを円滑にするためにも、コアタイムは必要」という声も。
コアタイムには、全員が勤務する時間帯を作っておくことで、仕事をスムーズに進めやすくするというメリットがあるといえるでしょう。
フレックスタイム制との違いは何か? 分かりやすく解説
「フレックスタイム制とコアタイムとの違いは?」という疑問の声もよく耳にします。関係性がよく分からないという方もいらっしゃることでしょう。ここからは、フレックスタイム制とコアタイムの違いや。コアタイムあり・なしの違いを解説します。
フレックスタイム制の仕組みと概要
フレックスタイム制は、前述の通り、勤務時刻を自分で決めることができる制度です。例えば、通常は午前8時から午後5時までが定時となっている会社の場合で考えてみましょう。この会社がフレックスタイム制を導入した場合は、社員は自分の好きな時間に出社や退勤の時刻を選ぶことができます。
ただし、労使協定で決められている一定期間(最大3か月)の総労働時間を満たすことが必要ですよ。また、そのほかにもいろいろなルールがあるというのもポイント。細かいルールは会社によってさまざまですので、就業規則や労使協定をチェックするようにしてくださいね。
また、コアタイムがある場合は、その時間帯は勤務が必要という点もおさえておきましょう。コアタイムが午前11時から午後3時だった場合、遅くとも午前11時には出社する必要があるというイメージです。
コアタイムあり・なしの違い
ここまでは、フレックスタイム制の概要などをみていきました。コアタイムは、フレックスタイム制のもとで、勤務すべき時間帯を指す言葉といえます。
実は、フレックスタイム制にはコアタイムあり・なしの場合があるということをご存じでしょうか? コアタイムなしのフレックスタイム制の場合、必ず勤務すべき時間帯がないということになります。なお、これを、「スーパーフレックス制」などと呼ぶこともありますよ。
参考:厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」
コアタイムを導入するメリットとデメリット
コアタイムには、メリットもある一方、デメリットもあります。ここからは、コアタイムのメリットとデメリットをそれぞれみていきましょう。
コアタイムのメリット
まず、コアタイムのメリットは、社内のコミュニケーションが効率的になる点が挙げられます。コアタイムによって、全員が勤務している時間帯が生まれ、ミーティングなども設定しやすいという声も。ある会社では、業務の進捗確認や、何かを相談するためのミーティングはコアタイムの時間帯に集中して行っています。
この制度を導入してから、「貴重なコアタイムをうまく活用しよう」という意識も生まれ、ダラダラと会議をすることが減ったといいますよ。また、社員からは、「育児や介護、習い事などプライベートな事情と仕事を両立しつつ、仕事はスムーズに進められている」と好評の声が多く寄せられています。
また、ある程度1日のうちで勤務するべき時間帯が決まっていることによって、メリハリを持ちやすいというメリットもあるでしょう。

(c) Adobe Stock