コアタイムのデメリット
コアタイムには、デメリットもあります。実際にデメリットを感じているという筆者の知人からは、こんな悩みの声が。「最近、会社がフレックスタイムを導入してくれたんだけど、コアタイムがあるのであまりフレキシブルな感覚がないな…」
その知人は、「私にとっては、コアタイムの終了時間が微妙な時間で、プライベートの用事に間に合わないことが多いんだよね。せっかくフレックスタイム制ができたのに、活用できていないな…」と語ってくれました。
もちろん、個人によって感じ方は異なるでしょう。ですが、コアタイムがない場合と比べると、ライフスタイルに合わせた働き方が難しくなる場合があるというのは、デメリットといえるかもしれませんね。
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コアタイムの設定例と実務での活用方法
コアタイムの設定の例や、実務で活用するための方法を見ていきましょう。
一般的なコアタイムの設定例
コアタイムの時間帯は、会社や仕事の状況によって変わってきます。ですが、あまりにもコアタイムが長すぎると、フレックスタイム制のメリットを感じにくいですよね。
一般的には、午前10時から午後3時までなど、お昼休憩の時間帯を中心にして、コアタイムを数時間程度設定しているケースが多いですよ。また、午前11時から午後3時までなど、さらに柔軟にしているケースもあります。

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特定の業界・状況におけるコアタイムの活用
近年、さまざまな業界でフレックスタイム制度が導入されつつあります。これまで、フレックスタイム制度は難しいといわれていた業界でも、コアタイムをうまく活用して、フレキシブルに働ける工夫をしている事例も。
例えば、ある飲食業の会社では、お昼時間など、混雑する時間をコアタイムに設定し、それ以外の時間帯は、状況に応じて早めに出勤、退勤してよいという仕組みを導入していますよ。これによって、仕事にメリハリも生まれて、働く人の満足度も上がっているといいます。
最後に
この記事では、コアタイムの概要やメリット、フレックスタイム制との関係などを解説しました。働き方改革や生産性向上など、近年注目を集めている話題にも関連が深い言葉ですので、おさえておきたいキーワードです。
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執筆
塚原社会保険労務士事務所代表 塚原美彩(つかはら・みさ)
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。趣味は日本酒酒蔵巡り。
事務所ホームページ:塚原社会保険労務士事務所
ライター所属:京都メディアライン
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