「料理上手な母が焦がしたカレーを前に、『猿も木から落ちる日もあるね』と笑っていた」
身近な出来事に使うと、柔らかくユーモラスな印象になります。自分の失敗を認める際にも使える表現です。
「どんなに優秀な人でも間違える。だからこそ『猿も木から落ちる』という言葉を忘れず、謙虚でいたい」
ことわざを一般論・人生訓として引用する使い方です。教訓的な締めやスピーチの一節にも向いています。
似たことわざと英語表現を知る
「猿も木から落ちる」と似たことわざは多くありますが、それぞれに少しずつ表情が異なります。意味の重なりを知っておくと、言葉選びがいっそう丁寧になりますよ。あわせて、英語での伝え方も見ておきましょう。
似た意味のことわざを紹介
「弘法(こうぼう)にも筆の誤り」は、書の達人である弘法大師でさえ筆を誤ることがある、というたとえです。失敗を指摘するよりも、「名人でもうっかりすることがある」という温かい視点が含まれているといえます。
「河童(かっぱ)の川流れ」は、泳ぎの名人である河童が川で流されるという言い回しです。
どの表現にも「過ちは誰にでもある」という共通の教えがあります。
英語表現
英語で似た意味を持つ慣用表現として、“Even Homer sometimes nods.”(ホメロスでさえ居眠りする)が挙げられます。古代ギリシャの詩人ホメロスをたとえたもので、「どんな達人にも誤りはある」という意味を持ちます。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

類語には、「弘法にも筆の誤り」や「河童の川流れ」があります。
最後に
POINT
- 「猿も木から落ちる」は、熟練者の失敗を責めず受け止める姿勢を示すことわざ。
- 場面を誤ると失礼に聞こえるため、相手との距離感に配慮することが肝要。
- 「弘法にも筆の誤り」「河童の川流れ」など、似た意味を持つことわざがある。
「猿も木から落ちる」は、失敗を恐れず挑戦し続ける姿勢を応援してくれるような言葉ですね。完璧を求めるより、失敗を受け止めて次に生かすことが大切だと気づかせてくれます。職場でも家庭でも、思うようにいかないときにこの言葉を思い出せば、気持ちが軽くなるはずです。
今日の出来事を振り返るとき、自分や誰かを責める代わりに、「猿も木から落ちる」と心の中でつぶやいてみてください。小さな失敗を糧にしていきたいですね。
TOP・アイキャッチ・吹き出し画像/(c) Adobe Stock
TEXT
Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けたファッション&ビューティをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれや美容を楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッション感度の高いエディターを通して発信中。
https://domani.shogakukan.co.jp/
あわせて読みたい


