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LIFESTYLE インタビュー

2025.12.28

【宝塚歌劇団OGリレー連載/星風まどかさんvol.1】潤 花さんからの宙組トップ娘役バトン

宝塚歌劇団の宙組と花組のトップ娘役として人気を博した星風まどかさんが登場。今回は、退団後も絶え間なく活躍を続けている星風さんのお仕事について、詳しくお話をうかがいます。

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オーディションでつかみ取ったヴィヴィアン役。みんなでグッと集中する空気感は宝塚時代と変わりません

人気の宝塚歌劇団OGリレー連載には、宙組と花組の2組でトップ娘役として活躍した星風まどか(ほしかぜ・まどか)さんが登場。

前回ご登場いただいた宙組元トップ娘役の潤 花(じゅん・はな)さんの前のトップ娘役という関係性で、そのときとは逆の方向でバトンを渡していただきました。

「“まどさん”と呼ばせていただいています。私が雪組から宙組に組替えになったときから、とってもお世話になりました。一緒にごはんに行かせていただいたりもしました」と潤さん。

宝塚歌劇団を退団後の星風さんは舞台をメインに活動しており、実力派としてさまざまな作品に引っ張りだこの存在。1回目のインタビューでは、2026年1月に幕を開ける『PRETTY WOMAN The Musical』の情報もお届けします。

——潤 花さんから星風さんをご紹介いただきました。宙組トップ娘役の先輩・後輩ですよね。

星風さん(以下、敬称略):はい(笑)。彼女はいつ会ってもとにかく元気で笑顔で、こちらも笑顔になってしまうような存在でした。その笑顔にいつも助けられていました。

宙組にいたときに一緒の作品を作っていた時期は短いのですが、濃い時間を過ごした仲間。(潤さんが)雪組にいたときから勝手に「かわいいなー」と思っていたんです(笑)。そして宙組で一緒になり、関係がグッと深くなりました。

私がタカラヅカを卒業してからは会えていないのですが、こうして覚えていてくれるのはとってもうれしいです。なかなか時間が合わないけれど、またゆっくり会える機会があるといいなと思っています。

——星風さんは退団後も絶え間なく舞台で活躍されています。そして今回は日本キャスト版初上演となる『PRETTY WOMAN The Musical』のヴィヴィアン役。お話をいただいたときはどんな気持ちでしたか?

星風:オーディションだったんです。3回くらい会場に行ったのですが、そのたびに課題が変わって。

大人気映画が原作の世界中で愛されている作品ですし、日本初演ということもあり、「絶対につかみ取りたい」という強い気持ちで挑んでいたので、決まったときは本当にうれしかったです。頑張った自分にも「ありがとう」という気持ちで…。それ以上に、周りの方々のサポートによりこのようなご縁をいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいでした。

このお役をやらせていただくからには、最高のものにしたいです。チャレンジしかない役なので、自分のレベルをさらに上げて臨みたいですね。

——とても楽しみです。出演が決まる過程は作品ごとに違うのですね。

星風:作品やタイミングによりそれぞれあると思うのですが、今回は宝塚歌劇団を退団したあとに初めて本格的なオーディションを受けたうえでいただいたお役なので、より思い入れが強くなっているのかもしれません。

オーディションは挑戦の場でありとても緊張するのですが、ものすごく勉強になったと感じています。

——ヴィヴィアンがチャレンジの役というのは、なぜでしょうか?

星風:今までわりと、ヨーロッパが舞台の作品にたずさわることが多くて、今回はアメリカ。国が違うと表現の方法も変わってくると思うんです。グルーヴ感やテンポ感とか。頑張って引き出しを増やさないといけないな、と感じています。

——俳優というお仕事は、自分ではない人物を生きるという楽しみがありますね。

星風:それが本当に醍醐味ですよね。国も年齢もいろいろで、振り幅が広くて。

「こう」と型にはめすぎることなくどうにでも変身できるようにしていきたいですし、そのお役に向き合ったときに最大限に魅力を引き出せるように楽しみたいなと常に思っています。

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——役への向き合い方や役作りの過程というのは、タカラヅカ時代から変わりましたか?

星風:シンプルに、相手役の方が女性だったのが男性になったということでしょうか。

その中で感じたことは、宝塚歌劇の作品より女性像がしっかりしているということです。意志も意思も強くあって存在感が大きいというか…。

以前出演させていただいた『1789』は宝塚歌劇でも上演されている作品なので、比較しやすいかなと思います。タカラヅカ作品で描かれているオランプ像とはまた違ったオランプを演じられたのではないかな、と。

それはおそらく、宝塚歌劇団を退団してから環境が変わり、いろいろな経験をして、自分の考え方も変わったうえで挑戦させていただけたからだと思うんです。

今は、そのチャレンジを楽しんでいます。私は負けず嫌いで、「自分には絶対に負けたくない、常に進歩していたい」という気持ちでずっとやってきたので。この状況がすごく自分に合っているのかもしれません。

——今回の『PRETTY WOMAN The Musical』のヴィヴィアン役は田村芽実さんとダブルキャストですね。

星風:はい。まだ田村さんとは少ししかお会いできていないのですが、エネルギッシュな印象です。

田村さんが出演された『キンキーブーツ』を観たときに、アメリカを舞台にした作品の表現が素敵だなと感じたので、私にはない部分を吸収させていただきながら切磋琢磨できたらなと楽しみにしています。パワフルな歌声も素晴らしいんですよ!

——エドワード役の城田優さんはどんな印象でしたか?

星風:ポスター撮影が「初めまして」だったのに、衣裳のネクタイをグッと引っ張るビジュアルで戸惑ってしまったのですが、カメラマンさんや周りのスタッフの方が盛り上げてくださいました(笑)。

城田さんは「なんでもこい」とドンと構えている、器の大きな方。実際に身長も高くて、大きく包み込んでくださいます。

城田さんは翻訳も担当されているため、オーディションのときもいらっしゃったんです。その後、少し作品や役についてのお話をさせていただきましたので、お稽古ではさらに濃いセッションができるのではないかと期待しているところです。

(※取材日はお稽古開始前)

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——スタッキー役の寺西拓人さんの印象もうかがえますか?

星風:私、実はタイプロを見ていなかったのですが、耳には入ってきていました。timeleszをちゃんと知ったのが、事務所の先輩であり宝塚歌劇団でもお世話になった朝夏まなとさんが、本番前の準備時間に曲をかけながら踊っていらしたときなんです(笑)。

寺西さんが出演されていた『ダンス オブ ヴァンパイア』は観劇しました。今回は悪徳弁護士の役なので、そのときのイメージとはかなり違うはず。ファンの方も楽しみにしていらっしゃると思いますが、私もとても楽しみなんです。

——退団されてからたくさんの方とお会いする機会が増えたと思いますが、星風さん流のコミュニケーションのとり方はありますか?

星風:とても人見知りで初めてお会いする方に対してはドキドキしてしまうのですが、同じ作品に携わっている者同士で、役を通すと自然と打ち解けられるんです。

「いい作品を作る」という信念を持ち、そこにむけて短期間でグッと集中することはタカラヅカ時代と一緒ですし。その空気感は何事にも替え難いなと感じます。

——今後は、こんなお仕事をしてみたいという目標はありますか?

星風:今回と同じジェリー・ミッチェルさんが演出を手がけた、ベティ・ブープのミュージカル(原題は『BOOP! The Musical』)がとても気になっています。

有名なキャラクター「ベティちゃん」が昔の白黒のアニメの世界から現代のニューヨークにタイムトラベルして、カラフルな世界で冒険を繰り広げる作品。今年ブロードウェイで初めて上演されたのですが、観劇がかなわなかったのが残念で…。

ベティちゃんが大好きな祖母に影響されて私もアニメを見ていた、なじみ深いキャラクター。もし日本で上演されることがあるなら、ぜひチャレンジしたいなと思っています。

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ひとつひとつの質問に対して明確に、テンポよく答えてくださる星風さんはとても聡明な印象でした。映画としてよく知られている『PRETTY WOMAN』は、ミュージカル初心者でも楽しめそうなビッグタイトル! 1月の開幕が待ち遠しいです。

次回は星風さんのプライベートな部分に迫ります。お楽しみに。

待望の日本版初上演!
『PRETTY WOMAN The Musical』

プリティウーマンポスター

【Staff&Cast】
脚本:ゲイリー・マーシャル 、J.F.ロートン
作詞・作曲:ブライアン・アダムス、ジム・ヴァランス
演出・振付:ジェリー・ミッチェル
日本版上演台本・訳詞:城田優

ヴィヴィアン・ウォード:星風まどか / 田村芽実(Wキャスト)
エドワード・ルイス:城田優
キット・デ・ルカ:エリアンナ / 石田ニコル(Wキャスト)
ハッピーマン:spi / 福井晶一(Wキャスト)
フィリップ・スタッキー:寺西拓人
デイビット・モース:吉田広大
ジュリオ:シュート・チェン
スカーレット:可知寛子
ヴィオレッタ:石井千賀
アルフレード:佐々木淳平
仙名立宗、富田亜希、吉元美里衣、杉山真梨佳、伊藤広祥、井上花菜、安井聡、青山瑠里、政田洋平、中嶋尚哉
スウィング:大山怜依、白倉基陽

【公演日程】
<東京公演>
日程:2026年1月22日(木)〜2月8日(日)
会場:東急シアターオーブ
▶︎東京公演チケットに関するお問い合わせ:サンライズプロモーション 0570・00・3337
▶︎東京公演に関するお問い合わせ:アミューズチアリングハウス

<大阪公演>
日程:2026年3月1日(日)〜3月8日(日)
会場:オリックス劇場
▶︎大阪公演に関するお問い合わせ:サインライズインフォメーション 0570・00・3337

▶︎オフィシャルサイト
▶︎オフィシャル X:@jp_prettywoman
▶︎オフィシャル Instagram:@prettywoman_the_musical_japan

俳優
星風まどか
ほしかぜ・まどか/1996年11月11日生まれ、東京都出身。元宝塚歌劇団宙組・花組トップ娘役。2014年に100期生として入団、宙組へ。2015年『王家に捧ぐ歌』で新人公演初ヒロイン。2017年に宙組トップ娘役に就任し、『天(そら)は赤い河のほとり/シトラスの風-Sunrise-』で大劇場公演お披露目を果たす。2021年に専科を経て花組に組替えし、花組トップ娘役に。2024年『アルカンシェル』にて退団。退団後は『ニュージーズ』『ラブ・ネバー・ダイ』『1789 -バスティーユの恋人たち-』『マリー・キュリー』と名だたるミュージカルに出演。
▶︎Instagram:@madokahoshikaze_official

撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/根津しずえ スタイリスト/藤井エヴィ 構成・文/淡路裕子

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