虚言癖で買い物依存症の妻が子供を連れ去り!
(取材データ)由伸さん、43歳。デザイナー。デキちゃった婚した妻が由伸さんの4千万あった貯金を使い込んでいたことが発覚。問い詰めると妻は持病のある娘を連れ家出し、離婚を要求。3年に渡る裁判の末、親権は取られ、養育費を請求される結果に。
悪夢の出会いは知り合いが集まるバーで
離婚はどんな人にとっても人生の一大事ではありますが、今まで取材した中で、今回の由伸さんのケースが、もしかしたらいちばんヘビーな内容かもしれません。
―「子供の連れ去り」というのをニュースでは聞いたことがあったけれど、それがどんなものなのか、そして法律上そんな案件はどう処理されるのか。その衝撃的な実態を、私は由伸さんへの取材で初めて知ったのです。
奥さんが自分の貯金を勝手に4千万も使い込み、それを問い詰めたら3歳の娘を連れ去り、どこにいるかもわからない状態に。―一体どうして、由伸さんはそんな事態に陥ってしまったのでしょうか。
由伸さん(以下、よ):元妻と会ったのは、仕事関係の知り合いが連れて行ってくれた飲み屋でした。弁護士とか出版関係者とか、堅い職業の人たちが多くて、その中に居たのが、当時、自称京大卒で省庁務めの9歳年下のA子。
―実は京大も省庁勤務も年齢も、すべてがウソだったことがのちにわかるのですが、そんなA子さんの経歴を知る前に、交際約1年でA子さんが妊娠。由伸さんが結婚したのは、37歳のときでした。
よ:入籍するときに、年齢詐称してたことは気づいたんです。本当は僕の9個下じゃなくて7個下だった。だけど子供もできちゃっていたし、今更どうこう言うようなことでもないと思ったから、特に気にしなかった。よく知り合う前に結婚してしまったんです。彼女を信用していたんですよね…。
入籍から半年後に出産した娘は、生まれつき難病を患っていたそう。そのため、住居もいざというときに緊急の対応ができる病院の近くを選んで決めました。
奥さんは買い物依存症! 4千万円の使い込み発覚
A子さんは「今思えば、発達障害だったんだと思う」、と由伸さん。
よ:こだわりが強い性格で理解できないわがままも多く、一度イヤとなったら頑なに拒む傾向がありましたね。食も偏っているし、あと何より気になったのは、買い物依存症だったことかな。同じブランドの同じポーチを20個くらい買ったりハイブランドのシューズがズラッと並んでいたり、だけど買うだけ買って、使わない。
さかい(以下、さ):え、20個!? 由伸さんはそういうことについて何も言わなかったんですか?
よ:そうですね。散財が多いのは気になってましたけど、ストレスが溜まるとすぐにギャーギャー言う人だったから、「買い物で息抜きできるならまあいいか」くらいに思ってました。
さ:優しい…。
だけどその散財が、実は4千万円近くになっていたことを知ったのは、結婚3年目に入った頃のこと。
A子さんを信頼し、家計をすべて彼女に任せていた由伸さんが、仕事の機材を購入するために必要な代金をA子さんに頼むと、4千万あった由伸さんの結婚前からの貯金は、ほぼ底をついていたことが発覚…!
立場が悪くなった妻は娘を連れ去り実家へ逃走
さ:よ、4千万って! すごい大金じゃないですか…。
さすがの由伸さんも、この使い込みの事実には呆然。しかし自分にとって都合の悪い状況になったことを見てとると、A子さんはそんな由伸さんをひとり残し、「体調が悪いから実家に帰るね」と、娘を連れて出て行ってしまったのです。
よ:彼女には、以前からリセット癖みたいなものがあったみたいなんです。だから、結婚して一緒に住むときも、持ってきた荷物はスーツケース一個だけ。
だけどそのスーツケースから出てきた大学時代の卒業アルバムを見たら、京大ではなく●大卒だということや、高校も由伸さんに伝えていた学校とは違うところ出身だということが判明。さらには省庁勤めだったはずが、共通の知り合いの●●省の人にA子さんのことを聞いたら「そんな人聞いたことないな」と言われてしまい、出るわ出るわ、A子さんの経歴詐称の山…!
よ:実際は某通信会社の派遣社員だったみたいです。―彼女には、妹さんが自殺した過去があったり、闇的なものを抱えているのは薄々感じていましたが、まさかここまでウソつきだったとは。
自分のウソがバレたと気づくと、A子さんは今まで由伸さんとの共通の知人たちに公開していたFacebookのプロフィールをすべて非表示にし、知人たちを自分の友達=フォロワーから削除。
気付いたときには、車の鍵も銀行口座の通帳もすべて彼女が持ち出して、由伸さんはお金も引き出せない状況になっていたのでした。
どう見ても由伸さんは被害者。―だけどこのあと裁判により、子供の連れ去りに対する、日本の法律の容赦ない現実を、由伸さんは知ることになるのです。
次回に続きます。
インタビュー・文
さかいもゆる
出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。