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LIFESTYLE 子育ての悩み

2020.03.28

新型コロナウイルスの影響を受けていつもとは違う生活を送る子どもたちの不安のケア

 

新型コロナウイルス対策による“いつもとは違う生活”が続いています。大人だけでなく、子どもたちの心にもさまざまな不安がうまれることもあります。そんなとき、何に注意して、どのような関わりをすればいいのか。認定NPO法人PIECES代表で児童精神科医の小澤いぶきさんのnoteからお届けします。

子どもたちの不安をケアするために大切なこととは?

新型コロナウイルスの影響を受けて、子どもたちも“いつもとは違う場所で過ごす”といったこれまでの日常とは違う日々に不安になったり、喪失感を感じたりすることがあります。

このような状況で“不安が生まれたりいつもとは違う心の状態になる”のは、誰にとっても自然なことです。一方で、不安や緊張している状態が続くと身体や心に負担がかかることがあります。

子どもと子どもに関わる方に向けた、家庭や居場所などでできる関わり方とケアについてお伝えします。

子どもの不安や変化に気づくために

1. 子どもが不安を感じるときを知る

・見通しがつかないとき 
・ルーティンでやっていたことが日々変更になったとき
・突然イベントがなくなったとき
・いつも行っていた場所に行けなくなったとき
・家族の誰かが新型コロナウイルスにかかったとき
・仲の良い友達が学校をお休みしたとき etc.        

以上のような状況でお子さんが不安になるのは、とても自然なことです。

2. 不安を感じたときのサインを知る

(C)Shutterstock.com

・おねしょが増える、頻尿になるなど
・ご飯の量が減る、寝つきが悪い、途中で目が覚めるなど
・腹痛などの身体の症状にあらわれる
・いつもより甘える、一人でいるのを怖がる
・会話が減った、なにか言いかけてやめたりする
・いつもよりこだわりが強くなる、何度も同じことを聞く、やる
・いつもより落ち着きがなくなる、そわそわする、イライラしやすい
・兄弟などとの揉め事や喧嘩が増えた
・勉強に集中できない etc.

低年齢であればあるほど、言葉以外で表現する頻度が多いかもしれません。また、周りの状況を繊細に見て、自分の不安や悲しさ、恐怖などを表出せずに、我慢しているお子さんもいます。一見何もないように見えるからといって、不安がないというわけではないこともあります。

子どもは遊びの中で様々なことを表現します。感染症に関することを表現した時には、まずは無理に止めずに見守りましょう。もしよくない結果になりそうになったら、良い形で遊びが終えられるようにサポートしてみてください。

3. 不安なときの子どもとの関わり方を知る

(C)Shutterstock.com

1:心と身体の変化に目を向ける

・いつもと違う状態や行動に気を配る
子ども自身、自分でもどうして良いかわからないと感じていることもあります。子どもが何に困っているのか丁寧に観察しましょう

2:子どもに対する声がけ

・子どもの感情を言葉にして受け止めてみる
(例:「悲しかったんだね」「嫌だったね」「嬉しかったね」など)

・子どもの身体の状態を手がかりに気持ちを探ってみる
(例:「顔があついね」「いつもよりドキドキしてるんだね」「いつもより身体がかたくなってるね」など)

・できるだけ肯定的な言葉がけを心がける
大人からみたら当たり前だと思うことでも、子どもにとってはとても頑張ってやっていることもあります(例:「歯を磨いたんだね」「着替えたんだね」)

3:生活を工夫したり、ケアの時間をつくる

・子ども自身が日常で選択できる余地をつくり、その選択をまずは受け止める
(その上でもしその選択が叶わない場合は、違う方法を提案したり、一緒に考えたりする)。
学校の休みやイベントの変更など、自分の意思ではどうにもならないことが続くときは、小さくても子どもが決められることをつくってみるのも大切なことのひとつです。

・日々の中に、小さな楽しみや、ほっとできる時間をつくってみる

・身体をケアし、リラックスする時間をつくる
(例:深呼吸をする、手をぎゅっと握って開く、触られるのが嫌でなければ背中をマッサージするなど)

・普段と変わらずにできることは、可能な限り無理がない範囲で続ける
規則正しい生活(いつもと同じように同じ時間に寝る、ご飯を食べるなど)は安心感につながります。

・もし外で遊べる環境がある場合は、外での遊びも日々の中に取り入れる
子どもたちにとって遊ぶことや身体を動かせることはとても大切なことです。

※参考サイト:新型コロナウイルス、情報が届きにくい方(子ども・外国語話者・視覚/聴覚障害等)のサポート・不安のケア

※心の変化はそれぞれで異なります。また、ここにあるサインなどが全ての子どもに起きたり当てはまるわけではありません。

※認定NPO法人PIECESでは、今回の休校の要請を受け、市民の方が取り組む子どもたちに関わる様々な実践や知恵・知識を共有しお互いをサポートしあえる環境をつくる準備をしています。

画像ALT

執筆

小澤いぶき

児童精神科医、精神科専門医、認定NPO法人PIECES代表理事、東京大学医学系研究科 客員研究員 精神科医を経て、児童精神科医として複数の病院で勤務。トラウマ臨床、虐待臨床、発達障害臨床を専門として臨床に携わり、多数の自治体のアドバイザーを務める。さいたま市の子育てインクルーシブモデル立ち上げ・プログラム開発に参画。2017年3月、世界各国のリーダーが集まるザルツブルグカンファレンスに招待を受け、子どものウェルビーイング達成に向けたザルツブルグステイトメント作成に参画。人の想像力により、ひとりひとりの尊厳が尊重される寛容な世界を目指し、認定NPO法人PIECESを運営している。

※ 本原稿は、小澤いぶきさんのnoteに公開されたものをもとに構成をしたものです。https://note.com/ibukiozawa/n/naa3f8ec1c922

再構成/谷畑まゆみ、WebDomani編集部
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com

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