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LIFESTYLE暮らし

2020.04.18

全土ロックダウンのイギリスでワーママが始めたある運動

3月23日より全土でロックダウンが発令されたイギリス。日々の生活が突然「制限付き」になった現地の様子、人々の中に起こった変化についてロンドン在住のジャーナリスト冨久岡ナヲさんに聞きました。

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Stay Home Stay Safe (家にいてください、無事でいてください)―イギリスの人々が見せる善意と団結-

買い物の行列とイギリス人の思いやり

イギリスは3月23日に緊急事態宣言を行い、ロックダウンに入りました。ロンドンなどの都市だけではなく全土が対象です。食料品を扱う店と薬局以外は閉店、カフェやレストランは持ち帰りか配達のみ営業可能です。学校や会社も閉鎖、在宅で授業や仕事が行なわれています。

▲300件以上の店舗と60の飲食店を擁するロンドン最大のショッピングセンター。一角にあるふたつのスーパー以外はすべて休業、有名な巨大スクリーンも消灯中。

外出が許されるのは食料や薬の購入か、1時間以内の散歩や運動を1日一回だけ。外出中に同居する家族以外との接触は禁止、必ず2mの距離を置かなくてはなりません。店内に同時に入れる人数は店の広さによって厳しく制限され、小さな八百屋でも店頭に行列ができています。

▲スーパー内のフロアには2mごとに離れてくださいというサインとともにテープが貼られている。

一時はトイレットペーパーや缶詰などの買い占めが起こり、地域によっては客同士のケンカなど醜い場面も見られました。しかし、それよりも目立っているのは、ふだん大げさなジェスチャーや大勢で一緒に同じことをするのを嫌うイギリス人たちの善意と団結ぶりです。

例えば、杖をついたお年寄りや勤務明けの看護師さん、救急隊員などがスーパーに来て長い列の一番後ろに並ぶと「ほら、先頭に行って!」「ごくろうさま!」と、並んでいる人が次々に順番を譲ります。店内でひとつだけ残っていた品を手にした人が、がっかり顔の老婦人を見て「どうぞ」と差し出したり。そんな場面を見た大手スーパー各店はすぐに、開店から最初の1時間を高齢者と医療関係者だけが買物できる時間に設定しました。

▲バスや地下鉄に乗っていいのは、医療関係者とスーパーの従業員など、どうしても通勤しなくてはならない人だけ。このように乗客が1~2人というバスも多い。

ワーママが始めた「希望と感謝の虹」運動

そんな中、地方の街に住むあるワーママが子供と一緒に描いた虹の絵を窓に貼り、「希望を持とう、医療現場で働く人たちに感謝しよう」とSNSで呼びかけるとあっと言う間に拡散し、イギリス全国の窓に虹の絵が掲げられるようになりました。

また、毎週水曜日の午後8時には家の窓から人々が一斉に顔を出し、拍手したり鍋を叩いて「サンキューNHS!(=ナショナル•ヘルス•サービス:英国の医療制度の名称)」という歓声をあげたりする運動も広まっています。

▲窓に張られた虹の絵に、一刻も早い終息への希望をこめて。子供の字でThank you NHSなどメッセージが書きこまれた絵も多い。

これは医療関係者だけでなく、感染のリスクを背負って働いてくれている人たちみんなへの感謝の拍手です。加えて、政府がヘルスケア仕事を手伝う一般人ボランティアを25万人募集したところ「役に立ちたい」と申し出た人はなんと75万人にのぼりました。

ロックダウンはまだまだ続きそうで、経済的な不安も大きくなるばかり。でも今のところイギリスでは、みんなで一緒にこの難局を乗り切ろう! というポジティブなムードのほうが強いと感じています。

edit:保坂宏美

冨久岡ナヲ (フクオカナヲ)

ロンドン在住。ジャーナリスト、コーディネーター、イベント制作など、いくつもの業種をこなす。ふたつの国のいいところを伝えていきたい。

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