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LIFESTYLE 子育ての悩み

2020.05.14

休校はママの生き方、子どもたちの学び方を変えるための「時間」|星山麻木先生インタビュー vol.2

 

新型コロナウイルスの感染拡大で、特定警戒地域では小中学校の休校が続いています。家にこもらざるを得ない子どもと、在宅での仕事を抱えるパパ&ママのストレスはもう限界。まだ続く、そして再発の際の備えに、「Stay Home」でどう子どもたちと向き合えばよいのか、発達心理学の専門家で明星大学教授の星山麻木先生にお話を聞きました。

まずは、ママ自身の心の葛藤に気づいて

星山先生: 自宅で長い時間、子どもたちと過ごすわけですから、それなりに工夫が必要です。まずは、子どもたちが休校になったママたち自身の心の葛藤には、段階があることに気づくことが大事だと思います。ママの心の葛藤は1期~3期までに分類できます。ご自身の今の状況を確認してみてください。

1期目 戦い、葛藤

星山先生: この時期は、戦いの時期と言えます。元の状態を取り戻そうとして必死なのです。元に戻すというのは、「学校の時間割通りに勉強させたい」、「塾の勉強に追いつかせたい」など、とにかく生活リズムを崩してはならない〝元の形に戻したい〟戦いなのです。でもうまくいかない、これがストレスの原因になります。

2期目 よい意味でのあきらめ(受容)

星山先生: この時期はあきらめです。できるだけ早くあきらめた方が、ママ自身はラクになるはずです。あきらめるというのは決して悪いことではありません。今の状況をただ受け入れるだけのことです。「〇月〇日には学校が再開され元の生活に戻れる」と期待していたママも多いでしょうが、現状は難しいことがわかり、今は受け入れ態勢ができつつあるかもしれません。

「親子で家にいる時間」のさまざまな工夫とは?

星山先生: 1期が戦い、2期はあきらめる(または受け入れる)時期で、「これは仕方のないこと」と潔くあきらめて、今を受け入れてしまうと、「こうあるべきだ」という枠が取れ外され、学校だけに期待していてもどうにもならない、家の中で、親子でできることを考え、生みだしていかないといけないという考えにシフトしていけると思います。

働く大人たちからしたら今はとんでもない状況かもしれませんが、〝子どもたちは意外と幸せ〟かもしれないなと視点をチェンジしてみることが大切です。 実は、子どもたちが元気に学校に通っていたママほど、今の状況下においてのストレス指数は高めです。ところが、もともと不登校ぎみだった子どもを抱えるママたちは、今の状況に全く動揺していないのです。親子で「家にいる時間」の過ごし方については、子どもが学校へ行かなくなったあの日から、さまざまな工夫をしなくてはならず、子どもが家にいることに慣れていたのです。

〝標準的な学び方〟から解放!学び方は人それぞれでいい

星山先生:いよいよ3期目に入ります。多くのママが気になっている子どもたちの「学び」ですが、お薦めは、自分なりのやり方で自分のライフスタイルを作り上げていくことです。 時間割通りではないけれど、好きな科目を先にやるか後にするか、今日は計算だけやろうとか、いろいろな工夫をして「自分らしい学び方」を見つけるべき時期です。これはつまり、1期目に何度も取り組もうとして挫折した多数派の〝標準的な学び方〟から解放されていくことでもあります。標準的な学びが悪いわけではありませんが、「学び」というのは、一人一人やり方は異なってよいはずなのです。

学校という枠の中ではみんな同じように〝きちんとやっていた〟〝できていた〟と多くのママは思っていたかもしれません。実際、学校ではどうだったでしょうか? 集団学習の学び場を視察して子どもたちを見ていると、やってはいません。教室では、鉛筆をグルグルまわしたり、時には立ち歩いたり、お隣の子とお話したり。ママが見ていなかっただけです。

それが今はどうでしょうか、毎日一緒にいて、「うちの子ってこういうタイプなのか」ということがよくわかります。だから、今はチャンスです!親子で共有しながら、うちの子らしい過ごし方、学び方を見つけることができると思います。もちろん、ママにも「私らしい過ごし方」があると思います。それらを、お互いに折り合いをつけながらストレスのないよう工夫していくということを、今の「StayHome」の間に時間をかけて行っていると思えば、この状況の中でも考え方自体が変わっていくと思います。ただし、ここでも大切にしたいのは良好な親子関係です。

インタビューvol.3は近日公開予定

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▶︎長引く休校、”前と同じには戻れない”前提で過ごしては?ママたちのSOSに…|星山麻木先生インタビュー vol.1

写真/(C)Shutterstock.com 取材・文/保坂宏美

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星山麻木先生

明星大学教育学部教授。保健学博士。一般社団法人星と虹色なこどもたち設立。一般社団法人こども家族早期発達支援学会会長。日本音楽療法学会認定音楽療法士。PLAYFUNミュージックムーブメント ボーネルンドから親子遊びをYouTubeで配信中。発達サポーター講座オンラインも始まります!詳しくはhttps://hoshiyama-lab.com/(星山研究スタジオ

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