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LIFESTYLE 私の生き方

2021.02.04

今こそ〝飽きる勇気〟を。コロナ時代を軽やかに生きる、自分の整え方|人気スタイリングディレクター・大草直子さんインタビュー vol.1

 

飽きるとは、変化を恐れないこと

─────まさに、コロナ禍以前は、他人が決めた価値観に左右されていたかもしれません。人をスペックでとらえることもありました。今、一部の母たちは受験に直面しています。

大草さん:私の子どもたちは、全員が小学校受験を経験しました。その理由は、私にとって中学受験や高校受験の負担が大きいと感じたからです。子どもたちだけでなく、私自身もいろんな受験を経験してきました。その結果としてわかるのは、「人は一番いいところに収まる」ということです。どんな受験でも、どんな結果になっても、お母さん・お父さんが「その子の成功体験」にしてほしいと考えています。終わったことにとらわれないことも大切なんです。

例えば、第一希望、第二希望が合格せず、不本意な結果になったとしても、親が「この学校は、〇〇ちゃんに、いちばん合っているんだね。この学校はあなたを待ってたんだよ」って。受験には、後悔あることが多いですよね。「あのとき、ああしていれば」などと思うこともあるかもしれませんが、それを子どもに押し付けないでほしいんです。長い目で見ればその子のベストなルートで成長していることがわかります。親自身が、自分を責めたり、やりきれなさを感じ続けていては、子どもが辛くなりますから。

─────執着を手放す。まさに「飽きる」ということ。飽きることは仕事においても大切だと書いてありましたが、どのようなことでしょうか。

大草さん:飽きるとは、変化を恐れないこと。飽きる前に、新しいことを始めていると、常に新鮮な気持ちで仕事ができます。私の場合、いつも「楽しい、楽しい」と仕事をしていきたい。飽きることは、そのエンジンに油を差すことでもあるんです。メディアで仕事をしていると、不思議なことに、読者の皆さんが飽きる瞬間というのが、なんとなくわかるんです。それよりも先に、自分が飽きないと、新しいテーマが出てこない。ルーティンワークの人は、目線を変えたり、やり方を変えたりすると、新たな発見があるはずです。作業時間を変える、手順を変えるなどでもいいですね。飽きるって奥深いんですよ(笑)。

─────飽きずに執着しているから、苦しくなることもありそうです。心が軽くなる方法は?

大草さん:それは、「比較」を手放すこと。例えば、子どもの成績や進学する学校、夫や自分の年収や学歴、夫が家事や育児を手伝うかどうか、実家のスペック……果てはベビーシッターの有無や、クルマのスペックまで、いろんなことを比較しているから苦しくなるんです。でも、それをしているのは自分自身。自分で自分を苦しめているんです。ですから、この比較を手放すと、グッと楽になると思いますよ。

─────比較は無意識のうちにしていました。比較を手放すというのは、口で言うのは簡単ですが、難しいです。

大草さん:難しいですよね。私もずいぶん苦しんでいました。ひとつ提案するとしたら、SNSを見ないこと。SNSとは、比較のための装置という側面もあります。例えば、「あの人は仕事も忙しいのに、こんなに毎日ご飯を作っているのか。私には無理だ」とか「毎日ストレッチしているのか、私はダメだな」など、勝手に自己嫌悪に陥ってしまうんです。だから、見ないようにする。

SNSは多くの人が「ベストな私」を、紹介します。もちろん、私もそうですよ(笑)。それなのに、つい自分を責める要素を探してしまうのです。それは、今すぐにやめ、「自分はよくやっている、これが自分の実績だ」と自分で自分を褒めてください。これを続けていると、真面目さも手放すことができ、ものすごく楽になりますよ。

次回は、大草さんが仕事を続けるために、大切にしていることと、家庭の環境を整える秘訣を紹介します。お楽しみに。

取材・文/前川亜紀

飽きる勇気 好きな2割にフォーカスする生き方(大草直子著)/講談社 ¥1300+税

大草直子、初の“生き方本”のテーマは、「飽きっぽいことはいいことだ。飽きる勇気があれば人生はもっと豊かになる」。キャリアから子育て、そしてファッションについて、混沌の時代を軽やかに生きるヒントを紹介。

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インタビュー

大草直子

1972年東京都生まれ。大学卒業後、出版社に入社し、女性誌の編集に携わる。サルサ(ダンス)と衝撃的な出会いをし、中南米に遊学。帰国後は、フリーランスで編集者・ライター・スタイリストとして活躍。広告のディレクション、イベント出演なども手掛ける。この間、結婚、離婚、再婚、出産をし、現在は夫と3人の子ども、猫と暮らしている。 ファッション関連の著書は『大草直子のSTYLING&IDEA 10年後も使える「おしゃれの結論」』(講談社)など15冊。

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