類語にはどのようなものがある?
ここまで「真摯に受け止める」について解説しましたが、同じように使われる言葉もご紹介しましょう。
厳粛に受け止める
「厳粛」はまじめで厳しいさま、真剣なさまという意味です。「真摯に受け止める」とほぼ同じように使うことができます。
企業や政治家の謝罪会見で、「今回のことを厳粛に受け止め、一層気を引き締めてまいります」というフレーズはよく耳にする決まり文句です。
事態を重く受け止める
「事態」は物事の状態、成り行きという意味です。「事態を重く受け止める」という言葉は、物事の状況を重大なことだと考えているということになります。
例えば、企業による個人情報の流出などでトップが謝罪をする場合に、「事態を重く受け止め、再発防止に努めたい」というフレーズが使えます。
自責の念を覚える
「自責の念を覚える」という言葉は真剣に向き合う気持ちに加えて、自分で自分の過ちを責めるニュアンス、後悔のニュアンスも含まれます。
よく耳にする「自責の念に苛まれる」というのは、「自分のしてしまったミスに苦しめられる(後悔させられる)」という意味です。
「真摯に向き合う」「真摯に対応」の使い方
「真摯に受け止める」の他に、「真摯に向き合う」「真摯に対応」という言葉もビジネスシーンでよく使われます。ここまでで解説した「真摯」の意味を理解していれば、応用するのは難しくありません。
「真摯に向き合う」の使い方
「真摯に向き合う」は、「相手の立場に立って真剣に話を聞くこと」、「まじめに取り組むこと」を意味します。
【例文】ご不便をおかけしたお客様に真摯に向き合い、今後の対応を考えたい。
「真摯に対応」の使い方
「真摯に対応」も「真摯に向き合う」と同じで、真剣に取り組むことを意味します。向き合うよりも踏み込んだニュアンスがあります。
【例文】彼がクレームに真摯に対応する姿は、顧客にも好印象だ。
「真摯に受け止める」の英語表現は?
「真摯に受け止める」を英語で表現したいなら「seriously」や「sincerity」を覚えておくと良いでしょう。
seriouslyの意味
まじめに,本気で,真剣に(⇔lightly)
(引用〈小学館 プログレッシブ英和中辞典〉より)
seriouslyは「本気で」「真剣に」という意味を表す言葉ですから「真摯に」と同じ意味合いで使うことができる言葉です。
<<例文>>
・I take seriously customer’s voice.(お客様のご意見を真摯に受け止めます)
sincereの意味
〈人が〉(…の点で)本心を言う,うそ偽りのない,正直な≪in≫(◆性格のような一定の状態ではなく,その時々に変わりうる心の状態をさす)
〈感情・行動などが〉本心からの,正真正銘の,真摯しんしな
<<例文>>
・I take your concerns sincere. (ご指摘の内容を真摯に受け止めます)
sincereはまさに英語で「真摯」に当たる言葉。嘘偽りのない本心で話していることを表すことができます。
最後に
謝罪の場で使える「真摯に受け止める」というフレーズ。使い方をマスターすれば、相手に真剣で誠実な気持ちが伝わり、トラブル後であっても信頼関係の再構築に役立ちます。
使う際にはむやみに多用せず、謝罪後の具体的な対応策も用意してスマートに使いこなせるようにしたいものです。
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