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2021.05.06

「娘役に転向できなかったら辞めていたかも」。実力派の元タカラジェンヌの初告白

話題の『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』でも美声を響かせていた元宝塚歌劇団宙組の娘役、純矢ちとせさん。紹介者のRiRiKAさんとは同期の繋がりです。現役時代の思い出に加え、スター揃いの89期の話もたっぷりうかがいました。

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今だから話せる転向時の苦悩。純矢ちとせさんのタカラヅカ話

宝塚歌劇団OGによる『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』では、純矢さんは在団中と同じくエリザベートの姑・ゾフィー役で出演。ピリッとした役どころで舞台を引き締めていました。今回は、確かな実力で舞台に華を添えてきた現役時代のことを中心にうかがいます。

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前回ご登場いただいたRiRiKAさんは、「追いつきたいと思って頑張っていた目標であり、いちばんの歌のライバルだった」とおっしゃっていました。「でもギスギスした感じではなく、せーこちゃん(純矢さん)がいたから頑張れた」と。

純矢さん(以下敬称略):ライバルなんて言ってもらえたことがうれしいです。RiRiKAは本当に歌が上手でした。音楽学校の本科生(2年目)の修学旅行でバス移動をしていた時に、バスガイドさんが使うマイクでRiRiKAが美空ひばりさんの『川の流れのように』を歌ってくれたんですよ。それが上手すぎて…! みんなで「うわあぁぁーー、もう1回!!」とアンコールしたのを思い出します。あれは本当に忘れられないですね。

みなさんが盛り上がるくらい、すごい歌声だったんですね。

純矢:そうなんですよ。RiRiKAが(劇団を)卒業してから生で歌っているのを聴かせてもらうと、なぜか涙が出てくるんですよ。耳と涙腺が直結しているのかな…、聴いたら必ず感動して泣いちゃうんです(笑)。

純矢さんは退団されて1年9か月ほどになりますが…、タカラヅカ時代のことを教えてください。様々な転機があった中で、いちばん大変だったのはどんなことですか?

純矢:男役から娘役に転向したときです。男役が自分として恥ずかしくなり、演じることができなくなってしまったんです。娘役さんをエスコートしている自分、キザっている自分、カッコつけている自分が受け入れられなくなってしまって。娘役がやりたくて変わったわけではなかったから、娘役としての準備が何もできていなかったんです。歩き方、立ち方、いろいろなふるまい…。歌も男役とは音域が全然違うので、それを1から身につけることが本当に大変でした。何が正解かもわからなくて、みんなに聞いて回っていました。当時私がいた雪組には同期がたくさんいたのが心強かったですね。髪型ひとつ自分では作れなくて娘役の同期にやってもらったり、舞台メイクも教えてもらったり。いま思うと、もし娘役に転向できていなかったらタカラヅカを辞めていたかもしれませんね。

今だからこそうかがえるお話ですね。逆に、忘れられない楽しかった出来事もうかがえますか?

純矢:うーん、たくさんあるのですが…、今までのみなさんはどんなことを話しているんですか?

大変だったことも笑い話にしてしまう方が多い印象ですね。みなさん、ポジティブで。

純矢:あはははは、確かにそうですよね。あ、そうそう、言おうとしたことを思い出しました。楽しかったのは、『タカラヅカスペシャル』の時。同期がどんどん減っていってしまっている中で、年に一度、(東京公演以外の)全組が集まる『タカスペ』は久しぶりの同期会みたいなことができる公演でした。梅田芸術劇場での公演前に、誰の楽屋がいちばん広いかまずチェックして、休憩中にみんなでその楽屋に集まるんです。お蕎麦やうどんなどの出前を頼んで、みんなで食べたり。「こういうことをしてみたかった!」みたいな、いつもはできないことをやっていました。

純矢さんがいらした89期はゴールデン期ですよね。

純矢:私はそこで「はい」とは言えないですよ(笑)。

いえいえ、言ってください(笑)。今回の『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』でも多くの89期の方が顔をそろえますが、同期愛についてうかがいたいです。

純矢:なんでしょうねー…。今回出演する同期も、他の同期も、それぞれちょっとずつ分野は違っていますが頑張っている姿を見ているので、それが刺激になって自分も頑張れます。それと同時に、「みんなすごいなぁ」と尊敬もできて。この不思議な関係は、音楽学校で育まれたものなのでしょうね。密に過ごしたあの2年間があって今につながっているんだと思います。

現役時代の純矢さんは、実力派娘役としてヒロインやエトワールを担うことがありましたが、ご自身では何をされている時が気持ちが上がりましたか?

純矢:特にお芝居が楽しかったです。「その役として生きる」ことを意識していました。役を自分に近づけてしまうとどうしても自分が出てきてしまうので、自分が役に行くように。コメディがいちばん好きでした。相手の方とのセリフの掛け合いや間の取り方が難しいんですけど、「あ、今のよかったよね」とお互いに全てがフィットした時はとてもうれしかったですね。

現役時代の思い出深い公演はなんでしょうか?

純矢:『TOP HAT』が思い出されますね。『TOP HAT』のようなコメディはお客さまに笑って楽しんでいただくものですが、その状態にたどり着くまではこんなに大変なんだということを痛感した作品です。自分が楽しむことはもちろん大事だけれど、それだけではお客さまには伝わらない。その探り加減が本当に難しかったです。

間合いやセリフの発し方ということですか?

純矢:そうですね。この作品は、アメリカのミュージカル映画をイギリスで舞台化したものです。そんな大作を日本で初上演することになり、曲もとても難解で最初は「これ、できるかな…?」と思うほど。宙組の出演者みんなでたくさんお稽古をして、でも自分たちが楽しむことも忘れないようにしつつ創っていきました。公演は、お客さまにもきっと楽しんでいただけたのではないでしょうか。今でもあの曲を聴くとワクワクしてくるんですよね。

いつもニコニコしていて穏やかな印象だったせーこさんは、本当に思い描いていたそのままの方。男役から娘役に転向する時はきっといろいろな葛藤や苦悩があったはずなのに、今それを朗らかに話してくださったことに感激しました。せーこさんのインタビューはとっても心地よい間合いで、柔らかな時間が流れているよう。そんな空気感も伝わるといいな、と願っています。

撮影/大靏 円(昭和基地) 文/淡路裕子

『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』
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四半世紀の時に刻まれた、数々の想い出と共に――
宝塚歌劇団による日本初演から25周年となる今年、小池修一郎と小柳奈穂子の共同演出により宝塚歌劇版の歴代キャストを中心とした、『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』。本公演では、メインキャストが役をイメージした衣裳でコンサート形式にて本編を上演する「アニヴァーサリーバージョン」として、歴代出演者が共演する“25周年バージョン”と上演当時のメンバーを中心にお届けする“花組・月組・雪組・星組・宙組の各組バージョン”、そして夢の競演として新しい組合せでお届けする“スペシャルバージョン”を。さらに、出演者全員が扮装しコンサート形式で本編を上演する「フルコスチュームバージョン」という多彩なバリエーションにてお届けします。

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<収録内容>豪華DVD3枚組
◎Disc1 アニヴァーサリー25周年ver.を全編収録
┗収録公演:4月5日(月)12:00【麻路さき、姿月あさと、彩輝なお、春野寿美礼、瀬奈じゅん、水夏希、朝夏まなと 他】
◎Disc2 フルコスチュームver.&アニヴァーサリースペシャルver.の各ロングダイジェスト
┣フルコスチューム’14花組ver.【明日海りお 他〈ACT1〉4月24日(土)17:00公演&〈ACT2〉4月10日(土)12:00公演】
┣フルコスチューム’16宙組ver.【朝夏まなと 他・5月1日(土)12:00公演】
┗アニヴァーサリースペシャルver.【望海風斗 他・〈ACT1〉5月3日(月祝)17:00公演&〈ACT2〉5月5日(水祝)13:00公演】
◎Disc3 アニヴァーサリー組Ver.【全5公演】のダイジェスト集
┣’96星組ver.【麻路さき 他】
┣’98宙組ver.【姿月あさと 他】
┣’02花組ver.【春野寿美礼 他】
┣’07雪組ver.【水夏希 他】
┗’09月組ver.【瀬奈じゅん 他】
【料金】 13,200円(税込)
【発売時期】 2021年9月24日予定
【販売方法】 WEB予約受付中

女優

純矢ちとせ

じゅんや・ちとせ/7月22日生まれ、東京都出身。2003年に89期生として宝塚歌劇団に入団、月組大劇場公演『花の宝塚風土記/シニョール ドン・ファン』で初舞台。男役として雪組に配属。2005年に娘役へ転向し、2008年に宙組に組替え。別箱公演のヒロインを2度、エトワールを4度務め、2019年の宙組大劇場公演『オーシャンズ11』で退団。2020年『サクラヒメ〜「桜姫東文章」より〜』、2021年『ポーの一族』と立て続けに話題作に出演。現在は『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』に出演。
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