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2023.05.10

【IR】とは?|IRの4つのメリットから活動方法などをわかりやすく解説

IRという略語には、いくつかの意味があります。その中の一つが、株式投資におけるIRです。この場合のIRは、株式会社などの企業が株主や投資家に向けて行う広報活動を意味します。 この記事では、株式投資におけるIRについて詳しく解説します。IRの定義や意味だけでなく、どこでIRが確認できるのか、IRの活用方法やメリットなどもわかりやすく説明します。株式投資におけるIRの理解にぜひ役立ててください。

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「IR」とは投資家に向けた広報活動のこと

IRは、統合型リゾート(Integrated Resort)や大学情報・機関調査(Institutional Research)などいくつかの語句の略語ですが、株式投資におけるIRの意味は、インベスター・リレーションズ(Investor Relations)と呼ばれるものです。

インベスターは「投資家」、リレーションズは「関係」という意味で、IRの直訳は「投資家との関係」です。つまり、株式投資におけるIRとは、投資家向けに企業が行う広報活動を表す略語なのです。

投資家に向けた宣伝をしているイメージイラスト

IRの定義は、全米IR協会(NIRI)が定めています。全米IR協会とは、株式市場の関係者や企業のIR担当者などがIRの拠りどころとしている機関です。これまでにIRの定義は2度変更されており、現在の定義は2003年に発表されました。

この最新のIRの定義は、次の通りです。

インベスター・リレーションズ(IR)は、企業の証券が公正な価値評価を受けることを最終目標とするものであり、企業と金融コミュニティやその他のステークホルダーとの間に最も効果的な双方的コミュニケーションを実現するため、財務活動やコミュニケーション、マーケティング、そして証券関係法の下でのコンプライアンス活動を統合した、戦略的な経営責務である。

一般社団法人日本IR協議会 IRライブラリより引用)

IRによって、企業が経営計画や財務状況の開示をはじめ、自主的な情報提供をおこなうことで、投資家との双方向でのコミュニケーションを実現することができると言えるでしょう。

■IRと広報の違い

IRと広報とが大きく異なるのは、情報を発信する相手が違う点です。広報がメディア関係者に向けた情報発信を担っているのに対し、IRは企業株を所有している投資家向けに情報を発信します。そのため、広報と違ってIRが発信する情報は株に関連するものが中心です。

広報もIRも、企業にとってのステークホルダー(利害関係者)に向けて情報を発信し、信頼を得たり関係性を作ったりするといった役目がありますが、特にIRには、経営理念や方針といった企業情報だけでなく、株価に関わるような業績の報告や役員交代などの情報を発信する義務があると言えるでしょう。

■IRはどこで確認できるのか

IR情報は、それぞれの企業のホームページに設けられている「投資家の皆様へ」や「IR情報」といった場所で確認可能です。決算短信やIRの説明会資料、コーポレートガバナンスに関する報告書、株価に関する情報などが掲載されています。

また上場している会社は、会社情報の開示を行う場合、TDnetの利用が義務付けられています。TDnetとは、東京証券取引所が運営している「適時開示情報伝達システム(Timely Disclosure network)」のことです。

■個人投資家がチェックすべきIR情報とは

個人投資家としてIR情報を確認する際に、まずチェックすべきなのが「決算短信」「四半期決算短信」といった決算に関する情報です。

一般的に、株価は決算の内容によって変動します。また企業業績の良し悪しと株価の額は連動して動くことが多いため、IR情報の中でも決算に関する内容のチェックが欠かせないポイントです。

さらに、企業の業績予想修正が、決算発表よりも前におこなわれることがあります。この業績予想修正も大切なチェックポイントです。

■IRは企業研究に役立つ

就職活動の企業研究資料としても、IR情報の活用は有効です。IR情報には企業情報や業績が詳細に記されているため、企業研究の資料に使わない手はありません。

IR情報は企業が発信している一次情報のため、情報が正確です。企業目標や事業内容、経営計画などを読み解くことで、企業への理解が深まり、企業が求めている人物像を掴むこともできます。

企業にとってのIRの4つのメリット

IR情報は、その企業の株式を所有している投資家向けに発表される情報です。しかし、株主や投資家だけでなく、企業にとってもIR情報を開示することで得られるメリットがあります。

PCや書類のイラスト

ここでは、企業にとってのIR情報開示のメリットを4つご紹介します。なぜ、IRをおこなうことが企業にとっても有効なのかをくわしく見てみましょう

1.経営陣へのフィードバックとして有益

IRは経営陣へのフィードバックとしても有益です。IR情報を公開すると、その情報を受け取った株主や投資家から、さまざまな意見や助言などが企業に返ってきます。それらを経営陣にフィードバックできる点が、企業がIR情報を出すメリットの一つです。

株主や投資家は、自らの利益にも関わる企業の改善点や注意点などを見つけてくれます。企業の内側だけでなく、こうした外からの意見が得られるきっかけとなる点は、企業にとってメリットであると言えるでしょう。

2.株価のボラティリティを抑えられる

IRによって企業が得られるメリットとして、株価のボラティリティを抑えられる点も挙げられます。ボラティリティとは、株価の変動の度合を表す言葉です。ボラティリティが大きいと言う場合、株価の変動が大きいことを意味します。

IRで適切な情報を出していくことは株価が大きく変動することを避けることに効果があると考えられます。その結果、株式のコストが下がり、企業価値の向上が期待できるでしょう。

3.インサイダー取引の抑止になる

インサイダー取引の抑止になる点も企業にとってのIRのメリットだと言えます。IRで株式に関する情報を開示することにより、フェア・ディスクロージャー・ルールを徹底することができるからです。

フェア・ディスクロージャー・ルールとは、株式市場に公表する前の情報が、すべての投資家に平等に提示されることを取り決めたルール。IR情報の開示によりこのルールが徹底されることで、一部の関係者だけが特別な情報を得て株を売買する「インサイダー取引」の抑止に繋がります。

4.個人投資家のファン作りにつながる

IRを積極的におこなうことは企業のアピールにも繋がるため、個人投資家を中心としたファン作りに役立つ点も企業にとってのメリットです。

一般消費者向けの製品を取り扱っていない企業や小規模企業の場合、広報活動がしづらい場合があります。しかし、IRを企業広報の一環として活用すれば、会社を支援してくれる投資家に企業の活動内容をアピールすることが可能です。

IRの活動方法

企業がおこなうIR情報を開示する方法には、大きく分けると次の2種類があります。

1.投資家に対面して情報開示する方法
2.文書で投資家に情報開示する方法

PC画面でデータを確認している様子のイラスト

期待する効果やタイミングなどによって、これらの方法が使い分けられています。それぞれの方法において、具体的にどのようなIR情報開示がおこなわれているかを詳しく見てみましょう。

1.投資家に対面して情報開示する方法

1つ目は株主や投資家と直接対面して情報を開示する方法です。代表的な方法として、企業説明会や決算説明会などの開催があげられます。このような場を設けて株主や投資家に情報を提供し、質疑応答を通してじっくりとコミュニケーションを取っていくという方法です。

ほかにも、新商品や新サービスの説明会の開催、工場や施設などの見学会なども、投資家と対面して情報を開示する方法と言えるでしょう。

2.文書で投資家に情報開示する方法

もう一つは、株主や投資家に文書で情報開示する方法です。この文書には、定期的に出される年次報告書や事業報告書、広報誌などや、不定期に出される行事予定やプレスリリースなどがあります。

文書による開示方法は、紙だけではありません。インターネット上での情報開示方法も、これに含まれます。情報の鮮度が高く更新も容易なため、今後さらにニーズが高まるでしょう。

IR情報は株式投資に欠かせない企業情報

ラップトップでデータの確認をしている人たち

株式投資におけるIRとは、企業が株主や投資家に向けておこなう広報活動です。株主や投資家が株式投資をおこなううえでIR情報は欠かせません。企業にとっても、IR情報を発信することでさまざまなメリットがあります。

また、就職活動における企業研究の資料としても、IR情報は役立ちます。企業情報や業績を詳細に知りたい場合は、IR情報を有効に活用しましょう。

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