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【目次】
日常生活ではあまり登場しないビジネス用語
仕事や業務で使用する言葉、ビジネス用語。日常生活ではあまり使わないうえに、主に英語やカタカナを取り入れているため、耳慣れない言葉も多いかもしれません。「なんだかよく分からない」と思いながら、改めて意味を聞くのは恥ずかしいという場面もあるのではないでしょうか。
基本的なビジネス用語を知っていれば、普段の仕事もよりスムーズに進行します。例文を参考に、ひとつずつ意味や使い方についてマスターしていきましょう。
ア行の頻出ビジネス用語4つ
このように、ビジネス用語はカタカナだけでなく英語を短縮したアルファベット表記のものも多々あります。特に、インターネットに関するビジネス用語はアルファベット表記のものが多いです。とっさの場面でも正しく使用できるよう、ひとつずつ意味を確認していきましょう。
1. アサイン
アサインには「割り当てる」や「任命する」といった意味合いがあります。英語では「assign」と表記し、ビジネスのさまざまな場面で用いられる言葉です。
新たな役割に任命されたときには「~にアサインされた」と表します。また、コンピューター業界では、キーボードの特定のキーに機能を割り当てることを「キーアサイン」と言い表します。業務委託を受ける際は「承諾」や「了承」という意味を持つことも覚えておきましょう。この場合は英語の「assign」本来の意味からは外れています。
例文
・4月から新たなプロジェクトのリーダーにアサインされた。
・キーボードのF3に印刷機能をアサインしました。
・「来月からこちらの案件をお願いしたいのですがいかがでしょうか」「アサインします。よろしくお願いいたします。」
2. インプット
インプットは「入力」を表す言葉です。主にコンピューターに情報を取り込むことを意味しますが、ビジネスにおけるインプットは、情報を取り込む対象がコンピューターではなく人であることが特徴です。
ビジネスシーンでは、本やニュースから知識を得たり、自分を成長させる体験を重ねたりすることすべてがインプットだといえるでしょう。
例文
・セミナーでインプットした知識を仕事に活かしたいと思います。
3. AR
ARは英語の「Augmented Reality(オーグメンテッドリアリティ)」の頭文字をとった略語です。日本語では「拡張現実」を意味します。
拡張現実とは、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねた環境のこと。近年は『ポケモンGO』や『Ingress』といったスマホアプリでARに親しむ人も多いのではないでしょうか。
ARは建設業や医療分野でも注目され、建築前に建物のイメージを作成したり、CTスキャンのデータをわかりやすく表示する際に用いられています。
例文
・AR技術のおかげでメジャーがなくても家具の大きさがわかるので助かります。
・ARを使うことでオンラインでの手術支援が可能となった。
4. OS
OSは「Operating System(オペレーティングシステム)」の略語です。コンピューターを動かすための基本となるソフトウェアを意味します。
キーボードに入力した文字を画面に表示したり、アプリケーションを起動して使用できるのは、すべてOSがコンピューター機能を制御しているからです。
また、ビジネスシーンでは「考え方の基盤」というニュアンスで比喩的にOSが用いられることもあります。例文を参考に、OSの使い方を覚えておきましょう。
例文
・使用されているパソコンのOSを教えていただけますでしょうか。
・そろそろ上の世代のOSをアップデートする必要があると考えます。
カ行の頻出ビジネス用語3つ
ビジネス用語は「キャパ」のような略語があるのも特徴です。また、「クラウド」は2つの意味合いを持っています。そのため、ビジネスシーンではそれぞれの正しい意味を理解しておかなくてはいけません。例文を参考に、ぜひ活用の幅を広げてくださいね。
1. キャパ
キャパは「capacity(キャパシティ)」の略語です。受け入れられる容量や範囲、定員、データ量などさまざまな意味合いを持ちます。略語であることから、比較的ラフな会話で用いられることの多い言葉です。
仕事に追われたり、容量をオーバーしたりするときには「キャパオーバー」と言い表すこともあります。
例文
・今月はすでにキャパがないため仕事を請け負うことができません。
・彼に新規プロジェクトを任せるのはキャパオーバーじゃないかな。
・この会場のキャパは50名までと伺っております。
2. クラウド
カタカナ表記の「クラウド」には「crowd」と「cloud」の2つの意味合いがあります。「crowd」は、不特定多数の人を意味する言葉。「クラウドソーシング」や「クラウドファンディング」のように使われます。
雲を意味する「cloud」は、環境を指す言葉です。コンピューターで使用するさまざまなサービスや機能をインターネット経由で利用できるシステムを指し、「クラウドストレージ」や「クラウドコンピューティング」が代表的です。ビジネスシーンでは、それぞれの違いをふまえた上で使用するように心がけておきましょう。
例文
・新しい事業の立ち上げにクラウドファンディングを利用しようと思う。
・パソコントラブルに対処できるよう、クラウド上でデータ管理をしています。
3. コンピテンシー
コンピテンシーとは、ビジネスで高い業績を上げる人の行動特性のことです。ビジネスシーンでは、採用時や新人育成、人事評価で用いられます。個人の学歴や資格ではなく、具体的な行動に焦点を当てた言葉です。
コンピテンシーの評価基準は企業によって異なり、求める人材像に合わせてモデル化する必要があるといわれています。例えば、傾聴力やリーダーシップ、親密性や計数処理能力などがあげられるでしょう。
例文
・個々のコンピテンシーをどう活かすかが、人事課の大きな課題です。
・コンピテンシー面接では、過去の経験が重要になると考えられます。
サ行、タ行の頻出ビジネス用語4つ
どの言葉もビジネスのミスを削減し、スムーズに進行するために欠かせない言葉です。特に、「サマリー」や「タスク」は使用頻度が高く、上司からの指示に含まれることも多いかもしれません。
仕事の効率化とスキル向上のためにも、正しい使い方をマスターしておきましょう。
1. サマリー
サマリーは「要約」や「概要」「まとめ」といった意味合いを持つ言葉です。長い文章やデータを短く集約したものを表します。ビジネスシーンでは、企画書や提案書などでサマリーを作成します。短い文章で効率よく内容が把握できるからです。
また、サマリーには「合計」や「総計」といった意味合いもあります。エクセルで使用する関数「SUM」も、サマリーと語源は同じです。カジュアルな会話では「サマる」と略して用いることもあります。
例文
・先にサマリーをお送りしますのでご確認お願いいたします。
・売り上げのサマリーを出してくれると助かります。
・先日の企画書、サマっておいてくれるかな。
2. スキーム
スキームは仕事の「やり方」や「仕組み」を表します。具体的には「枠組みを持った計画」を指す言葉です。計画だけを表す「プラン」や、枠組みだけを表す「フレームワーク」とは異なるのが大きな特徴だといえます。
ビジネスシーンでは、金銭に関係する仕組みに使われることが多く「事業スキーム」「課金スキーム」のように用います。ビジネスシーンだけでなく、政治や行政のような大きな枠組みで用いられることも覚えておきましょう。
例文
・早急に案件に関するスキームをまとめる必要があります。
・新規プロジェクトにおける事業スキームの構築が求められます。
3. タスク
タスクには「果たすべき作業」という意味合いがあります。主にスケジュール管理で登場する言葉です。業務管理のことを「タスク管理」と表すこともあります。
また、1つのことに取り組むことを「シングルタスク」、複数の作業を同時進行することを「マルチタスク」と呼びます。タスクと似た言葉としてプロジェクトがあげられますが、プロジェクトはタスクよりも大がかりなものを指すことを覚えておきましょう。
例文
・休み前にタスクが終わるように頑張ります。
・納期が近くタスクに追われる日々です。
4. ドメイン
ドメインは「領域」や「領土」といった意味合いを持ち、ビジネスシーンでは「事業ドメイン」のように仕事の活動領域を表す言葉です。事業を誰に向けて、どのように展開するのかを具体的に表します。
事業ドメインを定義することでビジネスの方向性が明確になり、ブランド力が付くメリットがあります。また、IT用語では“インターネット上の住所”を表し、Webサイトがどこにあるのか示す情報を意味することもあわせて理解しておきましょう。
例文
・この企業は事業ドメインをしっかりと意識していますね。
・webサイトに独自ドメインを取得するには一定の費用が必要です。
ナ行、ハ行の頻出ビジネス用語3つ
どれも他社との関わり合いや業務効率化のために欠かせない用語です。特に「フィードバック」はする側とされる側、両方の立場になる可能性があります。
日々の業務を円滑に進めるためにも、それぞれの意味を正しく把握しておきましょう。
1. ネゴシエーション(ネゴ)
ネゴシエーションには「交渉」や「話し合い」といった意味合いがあります。ビジネスをおこなう上で身に付けておきたいスキルのひとつです。交渉成功を目的とした技術や手法に関するスキルは「ネゴシエーションスキル」とも呼ばれます。
「ネゴ」は、ネゴシエーションを略した表現です。「交渉の段取りが取れているか」といった意味合いで用いることもあるため、例文を参考に使い方をマスターしておきましょう。
例文
・事前のネゴシエーションのおかげで仕事がスムーズに進みました。
・取引先と新規事業のネゴは進んでいますか?
2. PDCAサイクル
PDCAサイクルは、仕事を進めるために必要な以下の4段階を表す言葉です。
・Plan(計画)
・Do(実行)
・Check(評価)
・Action(改善)
作業を進めるためにはしっかりとした計画が必要であり、実行した結果を評価し、改善していく姿勢が求められます。それぞれが円状(サイクル)に関わり合うことから「PDCAサイクルを回す」といった表現で用いられます。
例文
・プロジェクトを円滑に進めるためには、PDCAサイクルが不可欠です。
・チーム内でPDCAサイクルが周知できているか、上司から確認を求められた。
3. フィードバック
フィードバックは、他者の行動に対して良い点や悪い点、改善策も含めて評価し、相手へと伝え返すことを意味します。ビジネスシーンでは、相手がより良くなるための助言を表す言葉です。「FB」と略すこともあり、人事評価や上司が部下を評価する場面で用いられます。
また、社内間だけでなく、企業と消費者との関係にもフィードバックは使用されます。例えば、商品やサービスに対する消費者の意見を商品開発などに活かすこともフィードバックのひとつです。ビジネスでは頻繁に用いられ、見聞きすることも多い言葉だといえるでしょう。
例文
・課長から今回のプロジェクトについてフィードバックをもらった。
・お客様からフィードバックをいただいているので確認しておいてください。
マ行~ワ行の頻出ビジネス用語3つ
「メンター」も「リマインド」もともに英語に由来するビジネス用語です。また「ワーク・ライフ・バランス」は働き方改革が進む近年、よく耳にする言葉でしょう。3つの言葉の意味を以下で詳しく説明するので、参考にしてください。
1. メンター
メンターは助言者や指導者を表す言葉です。ビジネスでは、仕事の指導だけでなく、精神的なサポートも担います。サポートを受ける側は「メンティー」と呼ばれ、新入社員を個別にメンターが支援する「メンター制度」を取り入れる企業も多く見られます。
仕事を始めたばかりの頃は、誰もが不安や悩みを抱えるものです。メンターは、自分の経験や知識を活かし、メンティーを支えます。ビジネスに取り組むなかで、自然にメンターとなる人物に出会うこともあるでしょう。
例文
・良いメンターに出会えたおかげで、ここまで成長することができました。
・メンター制度を導入したことが離職率低下につながったと考えられます。
2. リマインド
リマインドは「念押しの確認」や「再確認」を表すビジネス用語です。「思い出させる」という意味を持つ英語の「remind(リマインド)」に由来します。
会議の出欠や期日の決められた仕事など、重要な案件ほどリマインドの習慣は欠かせません。期日を過ぎてから「うっかりしていた」と言われないためにも、事前の再確認が必要です。
メールや電話でリマインドをするときは「お忙しいところ恐れ入りますが」という配慮も忘れないようにしましょう。
例文
・食事会の日程が近づいてきたので、改めて全参加者にリマインドをお願いできるかな。
・資料の提出期限について、リマインドしておきます。
3. ワーク・ライフ・バランス
ワーク・ライフ・バランスは「Work(仕事)」と「Life(生活)」の調和を意味します。仕事は暮らしを支えるものですが、同時に家事や育児も生活に欠かすことはできません。
ワーク・ライフ・バランスは、少子化や人口減少といった社会問題を解決するためにも重要だといわれています。近年はワーク・ライフ・バランス実現に取り組む企業も多く、労務管理をおこなう部署などでは使用頻度の多いワードです。
例文
・弊社ではワーク・ライフ・バランスを重視した取り組みを進めています。
・少子化問題を解決するためにも、ワーク・ライフ・バランスの実現が求められます。
ビジネス用語を理解し仕事に活用しよう
ビジネス用語は、仕事の効率化やスキル向上に役立つ言葉です。ビジネス用語を使いこなせば、チーム内での意思疎通が図りやすくなるでしょう。
「リマインド」や「タスク管理」などのビジネス用語が指す作業は、仕事でミスを起こさないためにも必要なものも多々あります。基本的なビジネス用語を正しく理解し、日々の仕事に活用していきましょう。
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