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2023.02.10

【HR】←どういう意味?|意味や企業での業務内容、役割、必要性、適性についてご紹介

 

HR(Human Resource)とは人的資源を意味する英語です。人材や人事部に相当する部署を指すこともあります。企業の中でHRはどのような役割を果たしているのか、また、必要性や適性についても見ていきましょう。

「HR」とは人材や人事部を指す言葉

HRはさまざまな言葉の略称として用いられますが、企業においては「Human Resource」の略称として用いられることが一般的です。直訳すると「人的資源」ですが、人材や人事部などの意味で使われることもあります。

3人のビジネスパーソンが悩んでいる様子 イラスト

■「HR」と人事部の使い分け

HRを人事部と同義に用いることもありますが、実際のところは人事部よりもさらに広い領域を指します。人材に関すること、例えば採用や育成、配置、安全衛生などもすべてHRに包括されると考えられるでしょう。

また、企業によっては人事部を「HCM(Human Capital Management)」と呼ぶこともあります。HCMは人材を「人的資源」ではなく「人的資本」として捉えた経済学的な考え方です。人材を人的資本として捉えたときの資本力は、学歴やキャリア、スキルなどで測定できます。

HRに含まれる5つの業務内容

一般的にHRは、人事部よりも広い範囲を管轄し、人材に関するありとあらゆる分野を包括した部署です。主な業務としては次の5つを挙げられます。

1.人事戦略の設計・運用
2.採用計画の設計・実行
3.組織構築と人材配置
4.人材育成計画の設計・実行
5.報酬計算や福利厚生など

人材配置 イラスト

1.人事戦略の設計・運用

企業は人で成り立っています。短期的あるいは中長期的にどのくらいの人員を採用するか、どの部署にどの程度の人員を配置するかを決めていくことが必要となるでしょう。

従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮させるためにも、それぞれの適性やスキルを正当に評価し、適切な部署へ配置換えすることが求められます。また、将来的に企業を背負うことができる人材をどのように育成するかという点も、計画的に考えていく必要があるでしょう。

このような人事に関わるすべての戦略の設計と運用はHRが担当する業務です。企業を成長させ、より魅力的な企業となるためにも、HRによる人事戦略は不可欠といえるでしょう。

2.採用計画の設計・実行

人事戦略の中でも、採用計画はより慎重に行わなくてはいけない業務です。企業は単に人手を必要としているわけではなく、企業の力となる人的資源を必要としているのですから、原動力となるのにふさわしい人材を発見し、採用していくことが求められます。

優れた人材を採用するためには、綿密な採用計画が不可欠です。広く採用希望者を募るためにオウンドメディアで採用広報を実施したり、集団説明会や求人サービスなどの外部組織を活用したりすることも必要になるでしょう。

また、内定者が入社を決意するまでにフォローすること、即戦力になるように育成することも採用計画に含められます。

3.組織構築と人材配置

優れた人材が集まっても、優れた組織が構築されていなければ、一人ひとりの能力を最大限に発揮することはできません。無駄なく効率よく業務を進められるような組織を構築し、すべての従業員が快適に働ける環境を用意しましょう。

また、人材を適した場所に配置することは、HR業務の中でも特に重要な業務といえます。各従業員のポテンシャルを発揮できるように、スキルや適性、能力を正しく評価し、適した場所に配置しましょう。

なお、配置する際は人間関係に注目することも忘れてはいけません。部署に適した能力を有する人材であっても、周囲の人々と合わない場合は優れたパフォーマンスを発揮できない可能性があります。働くモチベーションや性格、人との関わり方なども丁寧に観察し、能力を発揮できる環境に配置するようにしましょう。

4.人材育成計画の設計・実行

優れたポテンシャルを持つ人材であっても、適切な教育を実施しないでいるとスキルを高めることができません。人材をフルに活用するためにも、すべての人材が能力を高めることができる人材育成計画を設計し、実行していく必要があります。

例えば新入社員や中途採用者、2~3年目の若手、課長職、部長職などの立場に分けて、必要なマナーやマインドなどの研修を行うこともできるでしょう。また、部署ごとに必要とされるスキルを学ぶ専門性の高い研修も実施できます。

そのほかにも各従業員のニーズに合わせた研修も実施できるかもしれません。業務に関連する資格を取得したい、あるいは語学力を伸ばしたい、マネジメントスキルを育てたいなど、従業員側のニーズや企業側の要望も鑑み、人材育成計画をプランニングしていきましょう。

5.報酬計算や福利厚生など

労務に関する業務もHRが担当することが一般的です。例えば各従業員の業務内容を質・量ともに客観的に評価して報酬に反映させる報酬計算や、社会保険料や税金、財形貯蓄などの計算・納付業務なども実施します。

また、従業員と家族の福利厚生のためのサービスを提供すること、社員食堂や衛生管理などの従業員が安心して働ける仕組みを構築することなども必要です。

近年特に問題になることが多いメンタルヘルスなどの健康についても、人材を活かすという観点から取り組む必要があるでしょう。適切にカウンセリングサービスを利用できるようにしたり、健診結果を踏まえて通院や運動などのアクションを起こすように励ましたりできます。

HRの役割と必要性

HRは企業の根幹を成す人材に関する包括的かつ詳細な業務を担当する部署です。企業は利益を追求することで成り立ちますが、利益を追求するのは人であることから、企業がもっとも大切に扱い、もっとも力を注ぐべき対象が人、すなわち従業員といえるでしょう。

求人の応募者情報をpcで確認している様子 イラスト

HRが存在することで、従業員は自身の能力に応じた働き方を実現できるようになります。また、HRが人を取り巻く環境を整えることで、従業員は自身の能力を最大限に発揮できるようになるでしょう。

新しい人材を採用すること、人材を維持すること、適材適所に配置すること、これらのいずれもが企業存続に不可欠な要素です。つまり、HR自体が企業存続に不可欠な部署だといえるでしょう。

■人材の確保から定着・活用までを担当する

HRでは、採用計画を立てて人材を確保することから、福利厚生を充実させて人材を定着すること、適材適所の配置と育成計画により人材を活用することまで、人材に関わるすべての業務を担当します。

このいずれの部分がおろそかになっても、人材活用は実現できません。例えば優れた採用計画を立てて優れた人材を確保しても、福利厚生が充実していないなら早期離職という結果を招く恐れがあります。また、福利厚生が充実していても適材適所に配置しないのであれば、能力を眠らせたまま時間だけが過ぎる可能性があるでしょう。

HRが人材に関わるすべての業務をトータルで扱うことで、確保・定着・活用に漏れがなくなり、より一層人材を活用できる企業へと成長できるのです。

■人材活用は企業発展に不可欠

優れたビジネスモデルを構築している企業であっても、ビジネスモデルを運用するのは結局は人です。人材を余すところなく活用するためには人材活用を専門とする部署が必要です。

HRは人材活用に特化した部署で、人材の採用から定着・活用までをワンストップで担当します。つまり、HRが存在することで人材が効率よく活用され、企業発展という結果につながるのです。

HR部署で働く際に求められる5つの要素

HRは企業発展に不可欠な部署です。そのため、HRで働く人にも高いスキルや能力が求められます。HR部署で働くために必要な5つの要素について見ていきましょう。

1.コミュニケーションスキル
2.状況を調整するスキル
3.推察する力
4.公平さと客観性
5.正確さ

面接で質疑応答している様子 イラスト

1.コミュニケーションスキル

HRでは機械的に人材を採用したり配置したりするのではありません。HR部署で働くスタッフが、すべての従業員に接して、能力や適性などを正しく判断したり、人間関係を把握したりすることが不可欠です。

人々の能力や適性を見極めるためにも、HR部署で働くスタッフは誰とでも打ち解けて話し合うことができるコミュニケーションスキルが求められるでしょう。コミュニケーションスキルを発揮して従業員の懐に入り、企業発展につながる採用や配置を行います。

また、コミュニケーションスキルは、従業員が心地良く働く環境を構築する上でも不可欠な能力です。HR部署はほかの部署とも頻繁に交流するため、HR部署で働くスタッフが高いコミュニケーションスキルを有していると、企業全体の雰囲気が親しみやすく、居心地の良いものとなります。

2.状況を調整するスキル

人材を配置するためには、まずは現場の声を丁寧にリスニングすることから始めなくてはなりません。

HRでは、各部署の部長や課長職と話し合い、必要な人材に対する要望を受け入れつつも、企業発展につながる配置を実施することが求められます。場合によっては相反する状況が複雑に絡み合うこともあるため、HR部署で働くスタッフには優れたバランス感覚と調整スキルが求められるでしょう。

また、状況を調整するスキルは福利厚生サービスを利用する際にも発揮されます。サービスの中には人気が高いものもあり、従業員が希望を出してもすぐには利用できない場合もあるでしょう。HR部署で働くスタッフがほかのサービスの利用状況なども考慮して、サービスを必要とする人が適切なタイミングで利用できるようにサポートできます。

3.推察する力

人材配置のためのリスニングを行う場合、HR部署で働くスタッフには優れた推察力が求められます。すべての従業員は思っていることをストレートに伝えるとは限らないため、推察力を発揮して、希望をくみ取った配置を行う必要があるでしょう。

また、推察する力は採用選考の際にも活かされます。採用希望者の言葉を額面通りに受け取って解釈するだけでなく、隠された意味や本当の希望を推察し、自社に適した人材なのか見抜かなくてはいけません。

4.公平さと客観性

採用活動において、HR部署で働くスタッフは公平さと客観性を発揮しなくてはいけません。採用するかどうかは応募者の人生を左右することにもなるため、「なんとなく」といった曖昧な基準で採用・不採用を決めるわけにはいかないからです。採用する場合は「なぜ採用したのか」、不採用とする場合は「なぜ採用しないのか」を明確にし、公平かつ客観的な視点で見極めます。

また、人材配置においても同様です。配置換えを行うときには、場合によっては対象となる本人や周囲に不平不満を招きかねません。本人側からは「なぜ自分だけ異動しなくてはいけないのか」「異動する部署に興味を持てない」、受け入れ部署側からは「能力が未知数でうまくやっていけるか分からない」などの声が聞かれることもあるでしょう。

このような場合もHR部署で働くスタッフが公平かつ客観的な視点を有しているならば、明快に理由を述べ、本人も周囲も配置換えに納得しやすくなります。人材を動かすことの責任の大きさを受け止め、なおかつ公平さと客観性を有する人材がHRでは求められているのです。

5.正確さ

HRでは従業員の報酬計算や評価なども担当するため、作業の正確さが求められます。正確さに欠けていると従業員のHRに対する信頼が失われるだけでなく、企業に対する信頼も揺らぐ恐れがあるでしょう。HR部署で働くスタッフは、一人ひとりが企業を代表しているという意識を持ち、業務において厳格かつ正確に遂行していく必要があるのです。

企業の要!HRについて知っておこう

人事部で働く人たち イラスト

HRは人事部と訳されることもありますが、実際は人材に関わるすべての業務を包括するため、より広い意味を指す言葉です。HRでは人材採用から定着・活用に至るまでをワンストップで担当します。

優れた人材がさらに高い能力を発揮できるよう、人材育成計画を立てることや、正確に報酬を計算することなどの業務もHRの担当する業務です。幅広い業務を適切に遂行するためにも、HR部署で働くスタッフにはコミュニケーションスキルや調整能力、推察力、公平さなどが求められます。ぜひ企業の要の部署ともいえるHR部署についての理解を深めておきましょう。

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