IPOとは?意味をわかりやすく解説
IPOとは、Initial Public Offeringの頭文字を合わせた言葉で、未上場企業が証券取引所に上場する前に投資家に株式を売りに出すことを指します。
日本語では、新規公開株や新規上場株式などと呼ばれることが一般的です。IPOは証券会社を通して公募により販売され、上場企業は広く資金を調達できるようになります。
IPOの魅力とは?
通常、上場株式は証券会社で自由に売買することが可能です。株価を見て、「割安だ」「これからさらに高くなるに違いない」と思ったときは数量を決めて買い注文を出します。
一方、IPOはまだ市場で販売されていない株式のため、株価を見て購入を決めることはできません。提示される公募価格を見て、購入するかどうかを決定します。IPOの魅力としては、次の3点が挙げられるでしょう。
1.売買手数料が不要
2.短期間で値上がりを期待できる
3.価格が割安に設定されている
それぞれの魅力について解説します。
【魅力1】売買手数料が不要
株式を購入するときには、各証券会社が定める所定の手数料がかかります。そのため、株価×数量で求めた金額よりも少し多い金額が必要です。
一方、IPOを購入するときは、利用する証券会社がどこであっても手数料は発生しません。そのため、公募価格×数量で求めた金額だけで購入することができます。
【魅力2】短期間で値上がりを期待できる
初値とは、市場に公開された日につく株価のことです。IPOは公募価格よりも高い初値がつくことが多いため、上場日に売却しても利益を得られることがあります。
一般的に、株式投資で利益を得るためには、ある程度の期間は株式を保有して値上がりのタイミングを待つことが必要です。しかし、IPOであれば即日に売却しても利益を得られることがあるため、短期間で結果の出る投資を目指す方も選択肢として検討できます。
【魅力3】価格が割安に設定されている
IPOの公募価格は、実際に市場に出ればつくであろうと予想される株価よりも割安に設定されていることが一般的です。そのため、短期間で値上がりを期待できるだけでなく、長期的に保有していても値上がりを期待することができます。
実際に市場で取引されている株式の中にも、割安な株価のものは少なくありません。しかし、株式投資に慣れていない初心者にとって、特定の株式が割安なのかどうかを見分けるのは容易ではないでしょう。
IPOであればほとんどが割安に設定されているため、投資初心者でも値上がりを期待できる株式を購入しやすいと考えられます。
IPO投資の注意点
IPO投資には、いくつか注意する点もあります。特に次の3点については、IPOを手掛ける前に確認しておきましょう。
・購入希望者が多いときは抽選になる
・購入できる証券会社が限られている
・値上がりするとは限らない
それぞれの注意点について解説します。
購入希望者が多いときは抽選になる
上場株式は、証券口座さえあれば基本的には誰でも購入できます。株価×数量に手数料を加えた金額を証券口座に入金し、買い注文を出し、売買が成立すれば購入完了です。
一方、IPOは市場に出回っている株式ではないため、購入の意思を提示してから実際の購入手続きへと進みます。購入希望者が多いときには抽選となるので、誰もが購入できるわけではありません。
なお、抽選のルールは証券会社によって異なる点に注意が必要です。証券口座1つにつき1抽選権を付与される証券会社もあれば、証券口座に預けている金額や今までの取引実績に応じて当選確率が異なる証券口座もあります。
購入できる証券会社が限られている
すでに上場している株式は、どの証券会社からでも購入することができます。しかし、IPOに関しては売り出す証券会社が限られているため、売り出す証券会社の口座を保有していない場合には購入できません。
IPOを売り出すというニュースを見てから証券口座を開設するのでは、申込み期限に間に合わない恐れがあります。IPO投資を始めるのであれば、複数の証券会社に口座を開設しておくようにしましょう。
また、規模の大きな上場に関しては、複数の証券会社でIPOを購入できることがあります。その場合は、それぞれの証券会社から申込むことで当選確率を高めることが可能です。
値上がりするとは限らない
IPOの公募価格は割安に設定されていることが多いため、上場してすぐに値上がりする傾向にあります。しかし、すべてのIPOが上場後すぐに値上がりするわけではありません。
中には公募価格から株価が下がり続け、いつまで経っても上昇の気配が見えないこともあるでしょう。IPOを購入したときは、上場後はこまめに株価をチェックして、売却のタイミングを見逃さないように注意します。
IPOを始める手順
IPOを始める手順は以下のとおりです。
1.証券口座の開設
2.ブックビルディング申込み
3.購入申込み
4.タイミングを見計らって売却
証券口座がないと、IPO投資はできません。IPOの取扱いは証券会社によって異なるため、過去のIPO引き受け実績を調べてから証券会社を選びましょう。
口座開設後に、IPOのブックビルディング(抽選)に申込みます。この際、数量も指定しますが、当選したときは指定した数量以下しか購入できないため、多めに指定することもできるでしょう。
当選通知が届いたときは、購入を申込みます。当選しても購入申込みをしないと購入できないので、忘れずに申込みましょう。後は上場を待ち、タイミングを見計らって売却します。
IPOに注目してみよう
IPOは短期間で値上がりしやすく、しかも手数料不要で購入できるため、投資初心者にも取り組みやすい投資方法の一つです。紹介した注意点も参考に、IPO投資について検討してみましょう。
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