キャパオーバーとは?
「キャパ越え」や「キャパオーバー」という言葉をよく耳にしますが、具体的にはどのような意味なのでしょうか。詳しく解説します。
許容範囲を超えること
キャパオーバーの「キャパ」とは英語のcapacity(キャパシティー)のことです。日本では主に会場の収容人数などを表現する際に使われることが多かった言葉ですが、最近は個人の許容範囲を指す際に使われるようになってきました。
【キャパシティー(capacity)】
(1)収容能力。また、容量。
(2)物事を受け入れる能力。受容力。
(小学館 デジタル大辞泉より)
自分の許容範囲を超えそうなとき・超えたときに「キャパオーバーしそう」「キャパ超えた!」などと使われます。この言葉は和製英語であり、英語圏の人に使っても通じない可能性があるので注意しましょう。英語で「許容範囲を超える」といいたいときはover capacityと表現します。どんな完璧な人でも、人間ですから許容範囲や限界があるのは当然です。個人差はありますが、許容範囲を超えると心身に影響を及ぼし、仕事に支障をきたすことも珍しくありません。「キャパオーバー」には気をつけておきたいところです。
【質問】仕事でキャパオーバーになった経験はありますか?
みなさんは、仕事でキャパオーバーになったことがあるでしょうか。女性100人にリサーチしてみました。
・ある…55%
・ない…45%
※アンケートは30〜45歳の日本全国のワーキングマザーを対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数120名。
仕事でキャパオーバーになった経験があると答えた人は、半数以上の55%でした。どうしてキャパオーバーになってしまったのでしょうか。体験談で教えていただきました。
「キャパオーバー」の体験談
・毎日残業や休日出勤が多くて日々の仕事にミスが出てしまうくらい追い込まれていたから(30代・山梨県)
・やるべきことが多くなり、お客様のアポも重なった時にキャパオーバーとなった(30代・奈良県)
・一人ですべての仕事をしなければいけない、誰もわからないので自分で調べないといけなかったので(40代・福岡県)
・若いころ、人に頼るのが苦手で、全て自分で片づけたいという性格なので、抱え込み過ぎたことがある(30代・埼玉県)
・頼み事を断れなくて(断ることが苦手)、そもそも自分のキャパがわかっていなかった(30代・広島県)
キャパオーバーになりやすい人
世の中にはキャパオーバーになりやすいタイプの人がいます。どんな人でもキャパオーバーになる可能性はありますが、特にリスクが高い人を紹介します。
責任感が強い
責任感が強い人は、キャパオーバーになりやすい傾向です。プロ意識が高く、一度引き受けた仕事は必ずやり遂げるその姿は多くの人から信頼され、尊敬されます。しかし責任感が強いあまり、体調不良があっても出勤したり、仕事に勤しんでしまったり、無理に仕事を引き受けてしまったりしがちです。そのようなことをしているうちに、キャパオーバーになってしまうケースがあるのです。
責任感のある人は面倒見がよく、仕事にやりがいを感じている人も多いため、つい頑張りすぎてキャパオーバーになってしまうのです。
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人に頼るのが苦手
人に仕事を任せることができない人も、キャパオーバーになりやすいといえます。仕事ができないと思われるのが嫌で、人に頼れず抱え込んでしまう場合もあります。相談も悩みを打ち明けることも苦手なタイプです。
基本的に遠慮がちで、NOといえない性格の人も多いでしょう。「仕事で忙しいのは自分だけではないから、人に頼るのは迷惑なのでは」と感じる人もいます。自分でやったほうが早いと感じるので、頼るのが面倒になり、たくさんの仕事を一人で背負うことになってしまいます。
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完璧主義者
完璧主義で一切の妥協を許さない人も、リスキーなタイプです。仕事も完璧、おしゃれもばっちり、スタイル抜群で羨望の的となることもありますが、人知れずストレスをためていることもあります。
完璧主義者の場合は、自分の仕事とそれ以外の仕事をはっきり線引きして、融通が利かない人もいます。自分が引き受けた仕事は何が何でもやり遂げる、しかし他の人には一切協力しないなど、協調性に欠ける部分がある場合も。できる女でありたいと思うあまり、ギリギリな状態であっても顔に出しません。心の中にある不安な気持ちや悩みを抱えていても周囲に伝わりにくく、キャパオーバーになりやすいタイプです。
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キャパオーバーになる原因
キャパオーバーになりやすい人がいることは確かです。しかし、キャパオーバーになる原因を知っておけば、ある程度予防が可能です。
仕事量が多い・忙しい
仕事が多いときやずっと忙しく休む暇もないという場合も要注意です。社員の数に対して仕事の量が多すぎれば、当然一人にかかる負担も増大します。朝から晩まで休憩をまともに取れず仕事を続ける状態になれば、誰でもキャパオーバーになる可能性があります。この場合は社員全員がキャパオーバーリスクにさらされているので、個人の問題というよりは企業の問題です。
企業の雇用状況に問題がないにも関わらず、自分の許容範囲以上だと感じる場合は、最適な仕事量を見極め、それ以上はしないようにすることが肝要です。上司に掛け合って、仕事の量を減らしてもらうなど対策を取りましょう。
環境の変化
部署異動があった、上司が変わった、転職したなどの理由で環境が大きく変わると、キャパオーバーになることがあります。今までと違った知識が必要になって覚えることが増えたり、新しい職場の雰囲気に慣れるまで気を遣ったりしているうちに、追い込まれてしまうのです。
プライベートでも結婚したり、子どもが生まれたり、親の介護が必要になったりして生活サイクルが変化することがあります。仕事とプライベートの両立に慣れずに混乱しているうちに、キャパオーバーを迎えてしまうことはよくある話です。この場合は、最初少々我慢が必要かも知れませんが、自分のペースをつかむまではできるだけ予定を詰め込まずに、落ち着いてこなしていきましょう。