【目次】
・キャパオーバーとは?
・キャパオーバーになりやすい人
・キャパオーバーになる原因
・キャパオーバーになる前兆
・キャパオーバーになってしまったら
キャパオーバーとは?
最近「キャパ越え」や「キャパオーバー」という言葉が聞かれるようになりました。キャパオーバーとは、どんな意味なのか、解説します。

(C)Shutterstock.com
許容範囲を超えること
キャパオーバーの「キャパ」とは英語のcapacity(キャパシティ)のことです。日本では主に会場の収容人数などを表現する際に使われることが多かった言葉ですが、最近は個人の許容範囲を指す際に使われるようになってきました。
自分の許容範囲を超えそうなとき・超えたときに「キャパオーバーしそう…」「キャパ超えた!」などと使われます。この言葉は和製英語なので、英語圏の人に使っても通じない可能性があるので注意しましょう。英語で「許容範囲を超える」といいたいときはover capacityと表現します。
どんな完璧な人でも、人間ですから許容範囲や限界があるのは当然です。個人差はありますが、許容範囲を超えると心身に影響を及ぼし、仕事にも支障をきたすことも珍しくありません。
キャパオーバーになりやすい人
世の中にはキャパオーバーになりやすいタイプの人がいます。どんな人でも、キャパオーバーになる可能性はありますが、特にリスクが高い人を紹介します。

(C)Shutterstock.com
責任感が強い
責任感が強い人は、キャパオーバーになりやすい傾向です。プロ意識が高く、一度引き受けた仕事は必ずやり遂げるその姿は多くの人から信頼され、尊敬されます。
しかし責任感が強いあまり、体調不良があっても出勤したり、仕事に勤しんでしまったり、無理に仕事を引き受けてしまったりしがちです。そのようなことをしているうちに、キャパオーバーになってしまうケースが後を絶ちません。
責任感のある人は面倒見がよく、仕事にやりがいを感じている人も多いため、つい頑張りすぎてキャパオーバーになってしまうのです。

(C)Shutterstock.com
「責任感」がある人とない人はどう違う?バランスよく責任感をもつコツも紹介
人に頼るのが苦手
人に仕事を任せることができない人も、キャパオーバーになりやすいといえます。仕事ができないと思われるのが嫌で、人に頼れず抱え込んでしまう場合もあります。相談も悩みを打ち明けることも苦手なタイプです。
基本的に遠慮がちで、Noといえない性格の人も多いでしょう。「仕事で忙しいのは自分だけではないから、人に頼るのは迷惑なのでは」と感じる人もいます。
自分でやったほうが早いと感じるので、頼るのが面倒になり、たくさんの仕事を一人で背負うことになってしまいます。
”人に頼らない”ことが「自立」じゃない!【犬山紙子のワーキングマザー一年生】
完璧主義者
完璧主義で一切の妥協を許さない人も、リスキーなタイプです。仕事も完璧、おしゃれもばっちり、スタイル抜群で羨望の的となることもありますが、人知れずストレスをためていることもあります。
完璧主義者の場合は、自分の仕事とそれ以外の仕事をはっきり線引きして、融通が利かない人もいます。自分が引き受けた仕事は何が何でもやり遂げる、しかし他の人には一切協力しないなど、協調性に欠ける部分もあります。
できる女を演じたいを思うあまり、ギリギリな状態であっても顔に出しません。心の中にある不安な気持ちや悩みを抱えていても周囲に伝わりにくく、キャパオーバーになりやすいタイプです。

(C)Shutterstock.com
完璧主義の自分に疲れます【働く女性の質問箱】 | Domani
キャパオーバーになる原因
キャパオーバーになりやすい人がいることは確かです。キャパオーバーになる原因を知れば、ある程度予防が可能です。

(C)Shutterstock.com
仕事量が多い・忙しい
仕事が多いときやずっと忙しく休む暇もないという場合も要注意です。社員の数に対して仕事の量が多すぎれば、当然一人にかかる負担も増大します。朝から晩まで休憩をまともに取れず仕事を続ける状態になれば、誰でもキャパオーバーになる可能性があります。
この場合は社員全員がキャパオーバーリスクにさらされているので、個人の問題というよりは企業の問題です。
企業の雇用状況に問題がないにも関わらず、自分の許容範囲以上だと感じる場合は、最適な仕事量を見極め、それ以上はしないようにすることが肝要です。上司に掛け合って、仕事の量を減らしてもらうなど対策を取りましょう。

(C)Shutterstock.com
残業の代わりにおうちワーク。キリがありません【働く女性の質問箱】 | Domani
環境の変化
部署異動があった、上司が変わった、転職したなどの理由で環境が大きく変わると、キャパオーバーになることがあります。今までと違った知識が必要になって覚えることが増えたり、新しい職場の雰囲気に慣れるまで気を遣ったりしているうちに、追い込まれてしまうのです。
プライベートでも結婚したり、子どもが生まれたり、親の介護が必要になったりして生活サイクルが変化することがあります。仕事とプライベートの両立に慣れずに混乱しているうちに、キャパオーバーを迎えてしまうことはよくある話です。
この場合は、最初少々我慢が必要かも知れませんが、自分のペースをつかむまではできるだけ予定を詰め込まずに、落ち着いてこなしていきましょう。

(C)Shutterstock.com
仕事の繁忙期と子どものイヤイヤ期が重なった! どうする?【働く女性の質問箱】
能力不足
まだ仕事を始めたばかりの頃などは経験も知識も少なく、能力が不足しがちです。わからないことも多く、上司に質問する回数が増えます。
あまり頻繁に質問しているとだんだん申し訳なくなり、聞きたくても聞けなくなり、理解が浅いまま仕事を進めてしまうようになる人もいるでしょう。その結果かえってトラブルになり、それが積もってキャパオーバーにつながる可能性があります。
明らかに自分に適正がない業務の場合は、自分の能力を思うように発揮できず、失敗も多くなります。能力不足によるキャパオーバーを防ぐには、自分に合った仕事を選ぶことと、わからないことがあったらその場で質問し、理解するように努めることが大切です。

(C)Shutterstock.com
キャパオーバーになる前兆
キャパオーバーは、知らず知らずのうちに襲ってきます。気づいたときには手遅れだったということのないように、前兆を知りましょう。

(C)Shutterstock.com
すぐに気持ちが沈む・イライラする
キャパオーバーになると、何かとネガティブになりがちです。普段なら気にしない同僚からの一言や、上司からの注意が必要以上に心に刺さってしまい、落ち込んでしまう場合があります。イライラして家族に当たってしまうこともあるかもしれません。
笑顔が少なくなるのも、キャパオーバーの前兆です。同僚と挨拶をするときに、以前なら微笑んでいたはずなのに、表情が乏しく不愛想になってしまう場合は注意しましょう。陰鬱な雰囲気を出すようになってきたら、危険信号です。
最近はネットニュースやSNSの書き込みを見て、ストレスを感じる人も珍しくありません。心が限界にきていると感じたら、まず暗い情報や嫌な書き込みなどをなるべく見ないようにします。
気持ちの浮き沈みを減らすようにするのがポイントです。休日には気分転換ができるような趣味を持つなどして、プライベートの充実をはかりましょう。

(C)Shutterstock.com
忙しいとつい子どもにイライラ!私ってダメ母かしら?【働く女性の質問箱】
ミスが多くなる
キャパオーバーになると集中力が散漫になってしまい、ミスが多くなることがあります。ミスが増えると仕事に自信をなくし、周囲に迷惑をかけているのではないか、と自己嫌悪に陥ってしまうことも。
仕事の進捗をしっかり確認できなくなり、仕事が雑になってしまうこともあるかもしれません。「もうどうでもいいや」「怒られたって知るか」という気分になってきたら要注意です。投げ出してしまう前に、早めに周囲に相談し、助けを求めましょう。

(C)Shutterstock.com
失敗を引きずるタイプです【働く女性の質問箱】 | Domani
キャパオーバーになってしまったら
キャパオーバーになると、平常心でいられなくなり、気持ちが焦ったり、場合によっては眠れなくなったりする人も出てきます。そうなる前に防ぐのが最善ですが、実際になってしまったらどうすればよいのでしょうか?

(C)Shutterstock.com
一旦落ち着いて整理をする
キャパオーバーになってしまったら、今自分が引き受けている仕事を整理しましょう。手帳などを用意し、担当の業務をリストアップするのです。
リストアップした仕事をよく見ると、「今すぐやるべきこと」「今週中にやればよいこと」などと分類できるはずです。仕事量も適切かチェックし、無理があるなら他の人に任せるようにしましょう。
仕事だけではなく、プライベートで困っていることや悩みなども書き出してみると、自分の頭の中が可視化されます。自分が今どうしてここまで追い込まれてしまったのかがわかるようになれば、解決策が見えてくるかもしれません。

(C)Shutterstock.com
「時間が足りない」症候群から抜け出すには【働く女性の質問箱】 | Domani
自分ができることを把握する
キャパオーバーにならないためには、自分ができる仕事量を把握しておくことが大切です。もし自分ができる以上の仕事を任されそうになったら、断る勇気を持ちましょう。
周囲との兼ね合いもあり、難しい側面もありますが、自分のペースを崩さないように上手く立ち回るテクニックを身につけることが大切です。
自分のキャパ以上に仕事を引き受けてしまう人の中には、過剰に自信のある人がいます。「自分なら、もっと仕事ができる」と思い込んで仕事を増やしてしまうことがあるのです。
仕事を任されると必要とされている気がしてうれしくなり、「期待を裏切りたくない」という思いもあるかもしれません。仕事に対して意欲的なのはよいことですが、自分の限界を超えて仕事をしていると、いつか壊れるときがきてしまいます。そうなる前に仕事を上手にセーブしましょう。

(C)Shutterstock.com
断りたいけど断れない!人気スタイリストが使う「魔法のフレーズ」【働く女性の質問箱】
周囲に協力をしてもらう
仕事の負担が大きいと感じたら、周囲の人に協力してもらいましょう。助けを求めることは恥ずかしいことではありません。限界に達して仕事ができなくなる前に、早めに訴えることが大切です。
周囲も忙しそうにしていると気が引けることもあるかもしれませんが、遠慮しているとかえって迷惑をかける状態になってしまいます。
また、自分が働きやすい環境を作っておくことも重要です。協力してもらえるような人間関係を築くためにも仕事を引き受けてもらったら感謝をしたり、余裕があるときは仕事を引き受けたりするなど、相手への思いやりをもって接しましょう。

(C)Shutterstock.com
ワンオペ育児中!急な仕事での子どもの預け先、どうしてる?【働く女性の質問箱】
休息を取ることも必要
キャパオーバーを解消する一番の方法は、仕事から離れて少しでも休息を取ることです。できれば長期の休暇が理想です。
長期の休暇が無理なら、休憩の合間に外へ出て美味しいランチを食べたり、カフェでお茶をしたりしましょう。職場でできるような簡単なストレッチをしたり、好きな音楽を聴いてリラックスしたりするのもおすすめです。
YouTubeなどでは、かわいい動物の動画やおもしろ動画がたくさんアップされています。動物が好きな人には、いい気分転換になるかもしれません。
休息の取り方は、昔よりも多様化しています。自分に最適な休息を見つけて、忙しい日々のコンディション調整に役立てましょう。

(C)Shutterstock.com
10分でもいいから、ひとりの時間がほしい【働く女性の質問箱】 | Domani
トップ画像・アイキャッチ/Shutterstock.