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2023.01.06

退社と退職の意味の違いとは?|例文と類義語もご紹介

退社は「会社を辞めること」、退職は「職を辞すこと」という意味があります。ただし、退社には「会社を退出すること」という意味もあるため、注意が必要です。ここでは退社と退職の意味の違いを解説するとともに、それぞれの例文と類義語をご紹介します。

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退社と退職の違い

退社にはその日の仕事を終えて「会社を退出する」という意味と「会社を辞める」という2つの意味があります。これに対して退職の意味は「職を辞する」の1つです。どちらの言葉も「仕事を辞める」という意味がありますが、退社には2つの意味がある点が退職との違いです。

退職する人のイラスト

仕事を辞める場合、退職と退社のどちらを使っても間違いではありません。しかし、2つの意味を持つ退社を使うと「会社を退出する」という意味に捉えられる可能性もあるので退職を使う方が適切です。会社に勤務しない公務員や組合員などが仕事を辞める場合は、退社とは言わず、退職と言います。

ここでは退社と退職の違いや使い方について、解説していきます。

■履歴書に書くのは退職が一般的

履歴書には「退職」と書くのが一般的です。履歴書に経歴を書く場合に、かつて勤めていた会社について退社と退職、どちらの言葉を使っても間違いではありません。

ただし、退社には「会社を退出する」という意味もあってまぎらわしいので、混同されないためにも退職という言葉を使うのが一般的です。

前職が官公庁などの役所ではない会社や企業の場合も、退職と書くほうがよいでしょう。

■挨拶メールを送る場合も退職が一般的

会社を辞めることを社外の人に報告する挨拶メールでは退社と退職のどちらを使っても問題ありません。退社には2つの意味があるので、履歴書の場合と同じように、混同を避けるという意味でも「退職のご報告」と書くのが一般的です。

ただし辞めるのが会社ではなくて役所や研究所・事務所である場合には、退社という語句は使いません。退職を使いましょう。

退社の意味は「会社を辞める」と「会社を退出する」

退社には「会社を辞める」ことと「会社を退出する」ことの2つの意味があります。社外の人間に対して、「山田は退社いたしました」と説明をした場合には、どちらの意味か判断がつかない可能性があるため、前後の文脈で理解できるような配慮が求められます。

定時で終わる人のイラスト

ビジネスの場面において、退社は使用頻度が高い言葉と言えますが、使い方に注意が必要な語句なのです。

■退社を使った例文

退社という言葉の例文を意味別にご紹介します。意味の違いを明確にするためには、日時などを入れて、より具体的に説明することがポイントです。まず「会社を退出した」という意味の退社の例文からです。

【例文】
・人事部の石川は本日はすでに退社しております。明日は午前10時に出社予定ですが、ご伝言がありましたらお預かりいたします。

 

続いて「会社を辞める」という意味の退社の例文をご紹介します。

【例文】
・営業部の中田は本年7月末日付けで退社いたしました
・転職を考えておりますので、来月いっぱいで退社させていただけないでしょうか。

 

退職の意味は「職を辞する」

退職には職を辞すること、現職をしりぞくことという意味があります。退社には2つの意味がありますが、退職には「職を辞める」という意味しかありません。会社以外の官公庁や研究所などの勤務を辞める場合は退社ではなく、退職と言います。

退職届について悩む人 イラスト

退職は会社を辞める場合にも会社以外の組織を辞める場合にも使える言葉です。退職はあらゆる職業に使える言葉なので、定年退職、退職金など、退職という語句が入った複合語がたくさんあるのもうなずけます。

■退職を使った例文

退職という語句を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

【例文】
・誠に勝手ではありますが、一身上の都合により、今月末で退職いたします。これまで大変お世話になりました。
・これまで退職を考えたことは何度かありましたが、思いとどまったのは先輩の助言があったからです。
・退職後も父と変わらぬおつきあいをいただきまして、ありがとうございました。

 

退社・退職の類義語3つ

「会社を辞める」という意味の退社と「職を辞する」という意味の退職にはいくつかの類義語があります。一般的によく使われているのは「辞職」「離職」「退任」の3つです。

退職して荷物をまとめる人 イラスト

それぞれ似た言葉ではありますが、使うべきシチュエーションは異なります。ここではそれぞれの言葉の正しい意味と使い方を解説して、例文をご紹介しましょう。

■「辞職」の意味と例文

辞職とは自ら職を辞することです。会社や組織で職に就いている人間が自らの意志でその職を辞める場合に使われます。一般的に役職に就いている人間がその役職をしりぞく場合に使われますが、必ずしも会社を辞めるとは限りません。

【例文】
・取引先の会社の社長が一連の不祥事の責任を取って辞職した。
・うちの部長はいつも胸ポケットに辞職願いが入った封筒を入れているらしい。
・内閣が総辞職したことをテレビのニュース速報で知った。

 

■「離職」の意味と例文

離職は職を離れるという意味です。辞職が自らの意志で職を辞するのに対して、離職は自分に意志に関わらず、職を離れる場合に使います。退職した場合や失業した場合に離職という言葉を使い、失業者を離職者と表現することもあります。

離職という言葉を使った例文をご紹介しましょう。

【例文】
・海外でのタイヤ工場の閉鎖に伴って、離職してしまった。
・現在離職中の甥はまだ新しい働き先を見つけることができていない。

 

■「退任」の意味と例文

退任とは任務や役職を退くという意味です。退任と似た言葉である辞任が自らの意志で任務を退く場合に使われるのに対して、退任は自分から辞める場合以外でも使われるという点が違います。退任という言葉を使った例文をご紹介しましょう。

【例文】
・任期満了にともなって、現在の役職を退任することになりました。今後は相談役として仕事を行っていく予定です。
・理工学部の助教授は期間なかばで退任した。

 

退社と退職の違いを知って正しく使おう

退社と退職は似た意味を持った言葉ですが、明確な違いがあります。退社は会社を辞めること、退職は職を退くことという意味です。それまで所属していた場所が、会社である場合はどちらの言葉も使うことができますが、官公庁や学校、研究所や事務所である場合は「退職」を使います。

仕事が終わり浮かれる人々 イラスト

また、退社には会社を辞めるという意味の他にも、会社を退出するという意味があります。混同される可能性がある場合には、退職を使うほうが良いでしょう。

退社と退職には、この他にも辞職、離職、退任など、似た言葉がいくつかあります。それぞれ使うべき場面が違うので、違いを理解して正しい使い方をしてください。

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