「旨」の意味とは?
■意味を確認
「旨(むね)」という漢字の意味は2つあります。辞書で確認してみましょう。
1 中心となるもの。また、重要なもの。2 述べたことの中心。趣旨。趣意。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「旨」の1つ目の意味は、「中心となること」です。「質素を旨とする」「正直を旨とする」というように、人の生き方や信条を表す時に使用します。その人にとって重要なことで、ゆずれないことに対して使われることが多いでしょう。
2つ目の意味を簡単にいうと「主な話の内容」のことです。ビジネスの場面では「参加の旨を伝える」というように、述べたことや思ったことの主な内容を表します。「旨」は、丁寧でややかしこまった表現なので、上司など目上の人との会話で使うことができますよ。
■ビジネス等で使う時の注意点
ビジネスシーンでは、「明日は予定があるため出席できません。その旨お伝えいただけますか?」などと使うことが多いですよね。「〜の旨」「その旨」は、前の話題をまとめて表すことができるので、同じ内容を重複することを防げます。仕事相手と色々と話した後に、一言「その旨よろしくお願いいたします」と伝えればスマートな印象を与えられるでしょう。
しかし便利な分、使い方によっては、「その旨がどの内容のことを指しているのかわからない」と思われてしまう可能性も。相手が正しく理解できているか配慮が必要です。
使い方を例文でチェック!
ビジネスシーンでは、上司に「その旨よろしくお願いします」と伝えたり、お客様に「その旨ご了承願います」と伝える機会も多いでしょう。ここでは、代表的な使い方を例文で紹介します。
課長の田中からの連絡をご希望でございますね。かしこまりました。田中が戻りましたら、その旨を申し伝えます。
職場の電話対応などで、「その旨を申し伝えます」ということも多いですね。「その旨を伝える」とは、「自分が聞いたり話したことを相手に伝える」ということです。連絡ミスを防ぐためにも、「その旨」の前に「〜について」など、具体的な事柄がわかる表現があると安心です。
正直を旨としている彼が、家族に嘘をつくはずがない。
1つ目の「旨」の意味の例文です。この場合の「旨」は、「信条(ポリシー)」と言い換えると意味が理解しやすいですね。自分が正しいと強く信じていることや生きる指針となっているものに対して使われます。