「旨」には、「中心となること」や「主な話の内容」の2つの意味があります。
Summary
- 「旨」には「中心となること」や「主な話の内容」という2つの意味がある
- 似た表現の「〜とのこと」「〜という考え」や「そのように」「このことを」などに言い換え可能
- 「〜の旨」といったように、前の話題をまとめて表すことで同じ内容の重複が防げる
「旨」の意味とは?

(c)Adobe Stock
意味を確認
「旨(むね)」という漢字の意味は2つあります。辞書で確認してみましょう。
むね【旨/宗】
1. 中心となるもの。また、重要なもの。「安全を―とする」
2. (旨)述べたことの中心。趣旨。趣意。「辞退する―を伝える」
小学館『デジタル大辞泉』より引用
「旨」の1つ目の意味は、「中心となること」です。「質素を旨とする」「正直を旨とする」といったように、人の生き方や信条を表すときに使用します。その人にとって重要なこと、ゆずれないことに対して使われる場合が多いでしょう。
2つ目の意味を簡単にいうと「主な話の内容」です。ビジネスの場面では「参加の旨を伝える」などのように、述べたことや思ったことの主な内容を表します。「旨」は丁寧でややかしこまった表現なので、上司など目上の人との会話で使うことができますよ。

ビジネスなどで使う時の注意点
ビジネスシーンでは、「明日は予定があるため出席できません。その旨お伝えいただけますか?」などと使うことが多いですよね。このように「〜の旨」「その旨」と言えば、前の話題をまとめて表すことができるので、同じ内容の重複を防げます。一例として、仕事相手といろいろ話した後に一言「その旨よろしくお願いいたします」と伝えれば、スマートな印象を与えられるでしょう。
しかし便利な分、使い方によっては「その旨が何のことを指しているのかわからない」と思われてしまう可能性も。用いる際には、相手が正しく理解できているか配慮することが必要です。

「~の旨」や「その旨」を使うことで、丁寧かつスマートな印象を与えられます。その旨がどの内容を指しているか、相手の理解に配慮して使いましょう。
使い方を例文でチェック!
ビジネスシーンでは、上司に「その旨よろしくお願いします」と伝えたり、お客様に「その旨ご了承願います」と伝える機会も多いでしょう。ここでは、代表的な使い方を例文で紹介します。

(c)Adobe Stock
「その旨を申し伝えます」
職場の電話対応などで「その旨を申し伝えます」ということも多いので、覚えておくといいでしょう。「その旨を伝える」とは、「自分が聞いたり話したことを相手に伝える」ということ。連絡ミスを防ぐためにも、「その旨」の前に「〜について」など、具体的な事柄がわかる表現があると安心です。
例文
・課長の田中からの連絡をご希望でございますね。かしこまりました。田中が戻りましたら、その旨を申し伝えます。
「正直を旨としている」
辞書にあった1つ目の意味の例文です。この場合の「旨」は、「信条(ポリシー)」と言い換えると意味が理解しやすいですね。自分が正しいと強く信じていることや、生きる指針となっているものに対して使われます。
例文
・正直を旨としている彼が、家族に嘘をつくはずがない。