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「返信不要」を優しい言い方に変えたほうがいい理由

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「返信不要」は、メールの返信が必要ないときに役立つ文言です。しかし、優しい言い方に変えたほうがいいという意見もあります。その主な理由を紹介します。
「不要」が強い印象を与える
「返信不要」の「不要」には「返信をしなくてもよい」という意味が込められています。相手に気を使わせないための決まり文句です。
しかし、不要には「いらないもの」「あるとかえって邪魔なもの」のような意味合いがあり、「返信をしてはいけない」「返信をした場合は迷惑になる」といった強い印象を与えてしまうことがあります。
優しい言い方に変えることで、冷たい印象や失礼な印象を与えるリスクが少なくなるでしょう。本来は「返信不要」を使っても失礼ではありませんが、さまざまな受け止め方に対応するため、優しい言い方を使うほうが望ましいと考えられます。
相手が返信したい場合に悩ませてしまう
返信不要と書かれたメールに返信しなければならない事情があると、相手が悩んでしまうことになります。たとえば、メールの内容に間違いがあるときや、確認や相談があるときなどは返信が必要です。
「返信不要と書かれているのに返信してもよいのか」と相手を悩ませてしまっては、せっかく気を使って返信不要と書いた意味がありません。
優しい言い方にしておくと、万一何らかの返信が必要なときでも、相手は悩まずに行動できるはずです。返信が必要かどうか迷うときには、優しい言い回しのほうがコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
【目上の人にも使える】返信不要の丁寧で優しい言い方

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目上の人に対して「返信不要」を使うと失礼ではないかと感じる場合、丁寧で優しい言い方に変える必要があります。主な言い換え例を紹介します。
「ご返信は無用です」
「返信不要」を優しい言い方にしたいときは、「不要」を「無用」に変えるだけでも雰囲気が和らぎます。
どちらも「いらないもの」を意味しますが、「不」に冷たい印象を感じる人にとっては「無」のほうが優しい印象を与えられるでしょう。
目上の人には、敬語を使用して丁寧に伝えるのがポイントです。たとえば、以下のような使い方があります。
・ご返信は無用ですので、確認のみお願いいたします。
・特別な問題がないようでしたら、ご返信は無用です。
「ご」をつけて「無用」に変えるだけなので使いやすく、使用場面を問わない言い換え例です。
「ご返信いただかなくても差し支えありません」
ややフォーマルな印象にまとめたいときは、「ご返信いただかなくても差し支えありません」が使えます。遠回しな言い方に変えることで、印象を和らげるイメージです。
「返信をしなくても問題ないですよ」という意味であるため、相手が「確認事項があって返信したい」と感じても、悩む心配は少なくなるでしょう。主な使い方には、以下のような例があります。
・不備がない場合は、ご返信いただかなくても差し支えありません。
・すでにご回答いただいている内容の可能性があります。再度の連絡になっていればお手数をおかけしますが、ご返信いただかなくても差し支えありません。
「ご返信いただかなくても差し支えありません」を使う場合は、「返信があっても問題はない」という印象にもなります。返信するかしないか、相手に判断を任せたいときにも使いやすいフレーズです。
「ご返信の必要はございません」
「返信がいらない」ことを伝えたいときには、「ご返信の必要はございません」と言い換えることもできます。やや硬い印象ですが、丁寧な言葉使いです。
取引先や顧客に対して「返信不要」と言いにくいときには、かっちりした言い回しで「ご返信の必要はございません」と伝えるのもよいでしょう。ただし「必要はない」と言い切っているため、言い回しを和らげるクッション言葉を使わない場合は、強い印象を与える可能性があります。
使用例としては、以下のようなものが挙げられます。
・不備がないようでしたら特にご返信の必要はございませんが、質問などあればお気軽にご連絡ください。
・上記、ご確認のほどよろしくお願いいたします。このメールにご返信の必要はございません。
できるだけ丁寧な言葉使いをしなければならないシーンで、活用しやすい言い換え例といえるでしょう。
「ご返信は結構です」
「不要」という言葉を使いたくないときには「ご返信は結構です」と言い換えることもできます。「結構です」は正しい敬語ですが、断り文句としても使われるため、使用には注意も必要です。
できるだけ印象を和らげるために、フォローの言葉や前置きの言葉を入れると誤解を生みにくいでしょう。使い方の例としては、以下のようになります。
・(相手が体調を崩したことを心配する内容の末尾に)ご返信はお気遣いいただかなくても結構ですので、くれぐれもご自愛ください。
・前回お伝えした内容の共有のみですので、ご返信はいただかなくても結構です。
フォローの言葉を入れたとしても、相手との関係性や受け取り方によっては、突き放すような印象を与えてしまう可能性がある言い回しです。使う相手や場面には十分注意しましょう。
【プライベートでも使いやすい】返信不要の優しい言い方

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プライベートでも、「返信不要」が使いにくい場面はあるでしょう。ほかにどのような言い換え例があるのか、紹介します。
「どうぞ、お気遣いなく」
「不要」という言葉を「お気遣いなく」という言葉に言い換えると、スマートです。以下のような言い換え例が使えます。
・ご返信はどうぞ、お気遣いなく。
・ご返信については、どうぞお気遣いなさらないでください。
「気遣いはいりません」という内容のため、相手もメールのやりとりを終了させやすいでしょう。
「ご返信には及びません」
「不要」は「~には及びません」という言葉にも言い換えられます。「及びません」は「必要がないこと」を丁寧に表現する言い回しで、以下のような使い方ができます。
・何も問題がなければ、ご返信には及びません。
・最近お忙しいと伺っておりますので、ご返信には及びません。
丁寧な印象の言葉であるため、相手との関係性を問わず使いやすい言い換え方です。
「お返事は不要です」
プライベートのカジュアルなメールでは、「返信」を「お返事」に言い換えるだけでもやわらかい印象になります。
ちなみに、「お返事は不要です」以外にも「お忙しいと思いますので、お返事はなくても構いません」「お返事は気になさらないでください」など、カジュアルな場面で使える言い回しは多いでしょう。
「返信不要」にこだわらず、相手に伝わりやすい言葉を考えることが大切です。
「返信不要」を使うときに心掛けたいポイント

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メールで「返信不要」と書くときは、言い方に考慮し、相手にどのように伝わるかを想像しましょう。どんな心掛けが必要なのか、主な注意点を紹介します。
前置きの言葉を使用する
「返信不要」をそのまま使う場合も、言い換えるときでも、前置きの言葉を使うと印象がやわらかくなります。ですから、なるべく前置きの言葉を使うよう心掛けましょう。
たとえば「もし内容に不備がないようであれば」「お忙しいようでしたら」といった前置きをつけるだけでも、なぜ返信不要なのかが伝わりやすく、誤解を生むリスクも減少します。
文章だけでコミュニケーションを取る際には、どのような言葉であっても、相手に気持ちが伝わるような言い回しを心掛けることが大切です。
相手を悩ませないよう気をつける
配慮のために「返信不要」と書いたとしても、「日程や時間帯のことで別途相談がある」「内容が間違っており指摘したい」「書かれている内容の意図を再確認したい」「メールが届いたことを伝えなければ問題が起きる可能性がある」などの理由で、相手が返信をしなければならなくなる可能性があります。
そういったケースでメールに「返信不要」と書かれていると、記事冒頭でもお伝えしたとおり、相手を悩ませてしまう恐れがあるでしょう。そのため、できるだけ〝明らかに返信が必要ないメールの末尾にのみ書くようにする〟か、〝返信が必要になったときでも悩みにくい言い回しで伝える〟ことが大切です。
返信不要と書くか迷ったときには、あえて書かずに相手の気持ちに任せるという考え方もありますよ。
積極的に優しい言い方へ変えてみよう
「返信不要」は自分の意図を率直に伝えられる便利な言葉ですが、同時に相手に冷たい印象を与えてしまう可能性もあります。その懸念を払しょくするためにも、「返信が必要ありません」という気持ちを伝えたいときには、本記事で紹介した優しい言い方をしてみてください。
「返信不要」自体に失礼な意味はないので使っても問題はありません。ただ、コミュニケーションを重視するならさまざまな言い回しを覚えておくとよいでしょう。
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