来月行われるコンペを辞退する旨、承知いたしました。部長に申し伝えます。
ビジネスの場面でよく使われる言い回しとしては、「辞退する旨」「退職する旨」、「参加の旨」「出席の旨」「欠席の旨」などが挙げられます。いずれも話していた内容を要約するような形で使われます。「〜の旨」にはできるだけ簡潔な語句を使うようにしましょう。
当日欠席される場合は、その旨ご連絡ください。
「その旨をご連絡ください」は、直前に話した内容について、連絡を促す言葉です。「作業完了しましたら、その旨ご連絡ください」「何かご不明点がございましたら、その旨をご連絡くださいませ」など何かが起こった場合に伝えてほしい時に使われるフレーズです。
迅速丁寧を旨として、仕事に励みます。
旨とするには「主として重んじる」「第一とする」という意味がありますから、「迅速丁寧を旨として、仕事に励みます」と言う場合は「迅速丁寧を第一に仕事に打ち込みます」という意味合いになります。
類語や言い換え表現とは?
「旨」は、丁寧でかしこまった表現なので、同僚や後輩に使うにはやや堅苦しいと感じることもあるでしょう。そんな時のために、あらかじめ言い換え表現を覚えておくと便利ですよ。主な類語や言い換え表現を紹介します。
〜とのこと、〜という考え
「〜の旨」は、「〜とのこと」「〜という考え」と言い換えることができます。「〜の旨」と表現することで話が端的に伝わるメリットはありますが、堅苦しい印象も。関係性によって、「出席の旨を」ではなく「出席とのこと」と言い換えてみましょう。
そのように、このことを
ビジネスの定番フレーズ「その旨申し伝えます」は、「そのように申し伝えます」と言い換えることができます。丁寧でなおかつ柔らかい印象になりますね。より具体的に伝えたい場合は、「今の話の内容を申し伝えておきます」というといいでしょう。
主旨
「主旨(しゅし)」の意味は以下の通りです。
考え・文章・話などの、中心となる事柄。主意。(<小学館デジタル大辞泉>より)
話の中心となる事柄や肝心なところを「主旨」と言います。主な話の内容を指す点が「旨」と共通していますね。「主旨」は話の要点ともいえるため、主旨をつかむことで、より効率的に話の内容を理解することができるでしょう。
英語表現とは?
英語では「to the effect that〜」「to say that」で、「~という旨の」という意味になります。ただし英語の場合は、「to the effect that〜」の前後で、内容を丁寧に話す必要があるので気をつけましょう。
・She made a phone call to the effect that he will come to the office soon(彼女はすぐにオフィスに来ることを伝えるという旨で電話をかけた)
・The company made a statement to the effect that no bonuses would be given this year(その会社は、今年は特別賞与は出ないという旨の声明を出した)
・He wrote to me to the effect that he would visit me(彼は私を訪れるという主旨の手紙をくれた)
また英語では、決まったフレーズは使わず、「that」などで大まかな内容を表現することが多いようです。
・I understand that I will leave the company by the end of this year(今年いっぱいで会社を退職する旨、承知いたしました)
・It will take some time to confirm. Please note that(確認にお時間をいただきます。その旨ご了承願います)
最後に
「主な話の内容」や「重要なもの」を表す「旨」という言葉。取引先やお客様対応で「では、その旨を担当に申し伝えます」というように使えば、丁寧かつスマートな印象が与えられるはず。正しい意味や使い方のポイントを押さえ、適切な場面で自信を持って使えるようになりましょう。
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