「有終の美を飾る」とは?
言葉の意味や語源を正しく理解することで、より自信を持って使うことができます。「有終の美を飾る」の読み方や意味、語源をみていきましょう。
「有終の美を飾る」の読み方や意味とは?
「有終の美を飾る」は「ゆうしゅうのびをかざる」と読み、意味は以下の通りです。
物事をやりとおし、最後をりっぱにしあげること。結果がりっぱであること。「有終の美」と表現されることもあります。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
「有終」とは「最後まで成し遂げること」、「美」は「見事なこと」や「立派なこと」という意味。「飾る」は「価値のあるもの」や「華やかさを添える」ということを表します。そのことから「有終の美を飾る」は「最後に素晴らしい結果を残す」というニュアンスで用いられる言葉です。
また、間違いやすいのが表記。「優秀の美を飾る」は誤りですので注意しましょう。
「有終の美を飾る」の語源とは?
「有終の美を飾る」という言葉の語源となったのは、中国最古の詩集『詩経(しきょう)』の中にある一文。『詩経』は、黄河流域の国々や王宮で歌われていた詩や民謡を収録したもの。その中に登場する、「初めあらざるなし、克く終わること鮮なし(すくなし)」という一文が語源だとされています。
これは「多くの人は初めのうちは熱心に取り組むが、最後までやり遂げる人は少ない」という意味。そこから転じて、最後までまっとうすることが素晴らしいということや、最後に良い結果を残すことを意味する表現として使われるようになりました。
「有終の美を飾る」を使う際の注意点とは?
「有終の美を飾る」は、使う場面によってマナー違反になることもあります。それは誰かの死に対してや結婚式での場面です。ポジティブな意味合いがある「有終の美を飾る」は、死に際して悲しみを表現する言葉として相応しくありません。またポジティブな意味合いを含んだ表現ですが、終わりを連想させる言葉であるため、結婚式での使用も避けた方が良いでしょう。
「有終の美を飾る」の使い方を例文でチェック
「有終の美を飾る」は、引退試合や退職、卒業といった場面で多く使われます。また、目上の人や自分にも使うことができ、ビジネスシーンや日常会話でも用いることができる表現です。使い方を例文でみていきましょう。
【例文】
・〇〇選手は最後まで日本代表のキャプテンを務めあげ、有終の美を飾った
・長年温めてきたこのプロジェクトを成功させて有終の美を飾ろう!
・有終の美を飾るために、最後まで気を抜くことなく試合に集中した
・シーズン最後の試合も精彩を欠き、有終の美を飾ることができなかった
・最後の最後で優勝することができました。有終の美を飾ることができて嬉しく思います
「有終の美を飾る」の類語・言い換え表現とは?
「有終の美を飾る」の類語、言い換え表現には「掉尾を飾る」・「立つ鳥跡を濁さず」・「有終完美」が挙げられます。それらの意味や使い方をみていきましょう。