掉尾を飾る
「掉尾(ちょうび)」には以下の意味があります。
「物事が最後になって勢いよく盛んになること。また最後」(<小学館 デジタル大辞泉>より)
そのことから「掉尾を飾る」は「物事の最後が素晴らしいこと、立派に締めくくること」を意味します。
例文:勇退する選手の「掉尾を飾る」ために、最後の試合は必ず勝利を収めたい
立つ鳥跡を濁さず
「立つ鳥跡を濁さず」の意味は以下の通りです。
立ち去る者は、あとが見苦しくないようにすべきであるということ。退きぎわのいさぎよいことのたとえ。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
去り際の戒めを説いた言葉。主に退職や引退などの引き際、また旅先や恋愛においての去り際などに使われることが多い言い回しです。
例文:「立つ鳥跡を濁さず」というように、仕事の引継ぎや荷物の整理を行い、綺麗にして最後の日を迎えたい
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有終完美
「有終完美(ゆうしゅうかんび)」は「最後までやり遂げること、何事も終わりが重要である」ということを意味する四字熟語。「有終」は「最後まで全うすること」、「完美」は「立派であること」「完璧で美しい」ことを表します。
例文:最後まで諦めずに挑戦し、「有終完美」することができた
「有終の美を飾る」の対義語とは?
「有終の美を飾る」の対義語には「竜頭蛇尾」・「晩節を汚す」・「仏作って魂入れず」が挙げられます。意味や使い方をチェックしていきましょう。
竜頭蛇尾
「竜頭蛇尾(りゅうとうだび)」の意味は以下の通りです。
初めは勢いがよいが、終わりには振るわないこと。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
頭は竜で、尻尾は蛇のようであることから、だんだんと勢いがなくなっていくことを表した四字熟語です。
例文:鳴り物入りで新規開店したあのレストランも「竜頭蛇尾」に終わった
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晩節を汚す
「晩節を汚す(ばんせつをけがす)」は「それまで名誉があり評判の良かった人が、人生の終盤になって名誉や評判を失うこと」を意味する慣用句です。「晩節」は「人生の終盤」を意味しますが、この場合「キャリアの終わりの方」や「物事の最後の方」という意味合いも含んでいます。主に有名人など名声がある人が評判を落としたときに使われる言い回しです。
例文:国民から人気があった政治家なのに、スキャンダル報道によって「晩節を汚す」はめになった
仏作って魂入れず
「仏作って魂入れず(ほとけつくってたましいいれず)」の意味を辞書で調べてみると以下のようにあります。
物事をほとんど仕上げながら、肝心な最後の仕上げが抜け落ちていることのたとえ。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
仏像を作っても、肝心の魂を入れていないとその辺の木や石と同じだ、ということから「物事は仕上げが重要で、それが欠けるとそれまでの努力が台無しになる」ということを意味します。この場合の「魂を入れる」とは、仏像に眼を書き入れる儀式のことです。
例文:上出来だと思ったテストだったが、名前を書き忘れた。まさに「仏作って魂入れず」とはこのことだ
「有終の美を飾る」の英語表現とは?
「有終の美を飾る」は英語で「bring ~ to a successful conclusion」と表現することが可能。「a successful conclusion」は「上出来」や「素晴らしい結果」ということを表し、「bring」は「もたらす」という意味があります。
例文:She brought the last game to a successful conclusion.(彼女は最後の試合で有終の美を飾った)
最後に
「有終の美を飾る」は、素晴らしい結果を残した人に対して使いたい言葉。しかし、冠婚葬祭には相応しくないという注意点もあります。その場にふさわしい言葉を選んで使うためにも、意味や使い方などは正しく理解しておきたいところです。
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