帰社とは出先から会社に戻ること
帰社は「出先から会社に戻ること」を表します。読み方は「きしゃ」です。営業先や取引先で仕事をしたあと、自分が自社に戻ることを指す言葉です。
「帰」には以下のような意味があります。
・かえる
・あるべき場所に行き着く、落ち着く
「社」は以下のような意味をもつ漢字です。
・人々の集まりや団体
・会社の略
それぞれの漢字のイメージを掴むと、帰社の意味がイメージしやすいでしょう。
帰社と「退社・退勤・退職」の違い
帰社には似ている言葉がいくつかあり、つい間違った意味で使ってしまいがちです。帰社と似ている言葉の違いを確認しておきましょう。
・「退社」:(1)1日の勤務が終了し、会社から出ること(2)勤務していた会社を辞めること
・「退勤」:決められた勤務時間が終わり、勤め先を退出すること
・「退職」:勤めていた組織を辞めること
例えば、電話対応で取り次ぎを頼まれたとき、「〇〇は帰社いたしました」と断るのは誤りです。帰社は「これから会社に戻る状態」を表すため、すでに会社にいなくて取り次ぎができない場合は、「〇〇は本日はすでに退社(退勤)いたしました」などが適しています。
帰社に関連する言葉4つ
帰社に関連する言葉として、以下の4つが挙げられます。
・「帰社日」
・「帰社時間」
・「会社に戻る」
・「直帰」
帰社日や帰社時間は、ビジネスではよく使われる用語です。会社に戻るは帰社の類語、直帰は帰社の反対語です。社内で使われることも多いので、ぜひ覚えておきましょう。
ここでは帰社に関連する4つの言葉について、それぞれの意味をわかりやすく解説します。
1.「帰社日」
帰社日とは、「出向している社員が自社に出勤する日」です。クライアント先にて常駐作業を行う社員がいる会社でよく使われています。
帰社日をどれくらいの間隔で設けているかは会社によりけりですが、帰社日をコミュニケーションの場や事務手続きをする機会という位置付けにしている会社が多いです。
クライアント先に常駐する社員が対象であり、数日の出張をした社員が戻る日という意味ではないので、間違えないように注意しましょう。
2.「帰社時間」
帰社時間の意味は、「外出先から会社に戻る時間」です。何時に会社に戻るか目処が立っている場合、事前に帰社時間を伝えておくのが一般的です。
また、電話対応などでは「〇〇様の帰社時間を教えていただけますか?」と聞かれることがあります。戻ってくる時間がわかっていれば、「〇〇の帰社時間は17時の予定です」などと回答しましょう。
3.「会社に戻る」
会社に戻るは、帰社の類語表現として使われています。意味は帰社と同じで、出先から自社に帰ってくることを表す言葉です。例えば、外回りが終わった際に「今から会社に戻ります」というように使います。
あるいは、「帰り」「戻り」を帰社の意味で使うことも可能です。「帰りは15時の予定です」「打ち合わせ後に戻ります」などのように伝えるといいでしょう。
4.「直帰」
直帰(ちょっき)は帰社の反対語で、「出先から会社に戻らず、そのまま家に帰ること」を意味します。直帰を使う場面は、取引先から社員の帰社時間を尋ねられたときなどです。
社員が会社に戻らないことがわかっている場合、「〇〇は直帰予定です」と回答します。会社によっては直帰を「No Return」を略した「NR」という言葉で表すこともあります。
【場面別】帰社に関する例文3つ
帰社を使う場面は、主に以下の3つです。
1.相手の帰社予定を知りたいとき
2.他者の帰社予定を伝えるとき
3.自分の帰社予定を伝えるとき
上記のとおり、ビジネスシーンでは使う機会が多い言葉です。それぞれの場面で正しい対応ができるように、帰社の使い方をおさらいしておきましょう。ここでは帰社に関する例文を場面ごとにご紹介します。
1.相手の帰社予定を知りたいとき
帰社は、相手がいつ会社に戻るのかを知りたいときに使えます。ただし、敬意を含まないため、目上の人の帰社予定を聞く際には適しません。同僚や部下に対して使うと覚えておきましょう。
【例文】
・本日は何時に帰社の予定ですか?
目上の人の帰社予定を知りたいときは、帰社ではなく「お戻りになる」や「お帰りになる」を使います。
・本日は何時にお帰りになる予定でしょうか?
・本日お戻りのご予定はありますでしょうか?
2.他者の帰社予定を伝えるとき
自分以外の人の帰社予定を尋ねられたときは、帰社を使って回答するのが一般的です。ただし、相手によって表現を使い分けることが大切です。
社外の人に伝える際は、帰社のほか、「戻り」を使います。
【例文】
・〇〇は△△時に帰社の予定でしたが、現在戻りが遅れております。
社内の人に伝える際は、話題の対象となる相手が目上であれば敬語の「お戻り」、そうでない場合は帰社を使いましょう。
・〇〇部長は△△時にお戻りの予定とのことです。
・〇〇さんは△△時に帰社の予定です。
3.自分の帰社予定を伝えるとき
自分の帰社予定を伝える場面でも帰社を使います。社内の同僚などに連絡する際の例文は以下の通りです。
【例文】
・打ち合わせが長引いたため、今から帰社します。
・△△時ごろに帰社予定です。
伝える相手が上司や取引先の場合には、帰社に謙譲語表現である「いたします」をつけましょう。以下に、上司や取引先に帰社予定を伝える際の例文をご紹介します。
【例文】
・△△時までには帰社いたします。
意味を学んで帰社を正しく使おう
帰社は「出先から会社に戻ること」を指す言葉です。外出先からいつ自社に帰ってくるのかを伝える際に使います。自分の帰社予定の連絡だけでなく、他者の予定を聞いたり伝えたりする場面でも多用されています。
退社や退勤などと誤用しているケースもあるため、正しく使い分けられるようになりましょう。帰社の意味や使い方を理解し、ビジネスシーンで正しく使いこなしてください。
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