ナレッジとは
ビジネス用語として広まっている「ナレッジ」には、どのような意味があるのでしょうか?辞書による定義や、ビジネスでの使い方を紹介します。ナレッジの意味・定義を知り、仕事やプライベートに役立てましょう。

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「知識」「情報」などの意味を持つ英語が由来
ナレッジの由来は、英語の「knowledge」です。knowledgeを辞書で見ると、以下のような意味があります。
knowl・edge
/nάlidʒ | nɔ́l-/
[名][U]
1 (物・事を)知っていること,(一般的な)知識≪of,about≫.
1a (物・事を)知ること,(…に)気づくこと≪of≫.
2 (…についての)(体系的な)知識,学識≪of,about≫;〔時にa ~〕(特定の事柄・分野についての)理解,熟知,精通≪of≫.
2a 認識,(…についての)判断[識別](力)≪of≫.
3 (…について)知られていること,(…の)知識,情報;真理,事実≪of≫(⇔opinion).
『プログレッシブ英和中辞典(第5版)』(小学館)より引用
日本語の「ナレッジ」も、英語の意味とほとんど同じです。幅広い「知識」や「情報」を意味します。
一般的には、何らかのテキストやデータから取り入れられる情報や知識がナレッジです。新聞・書籍・インターネットなど、さまざまな場所から情報は取得できます。
ビジネスでの主な使い方
ビジネスでも、「ナレッジ」という言葉が使われます。一般的にはテキストから得た知識をナレッジと呼びますが、ビジネスで使う場合はさらに知識・情報の幅が広くなることが特徴です。
辞書を見てみると、日本語でのナレッジには、以下のような意味があります。
ナレッジ【knowledge】 の解説
1 知識・情報。
2 企業などの組織にとって有益な知識・経験・事例・ノウハウなど付加価値のある情報。→ナレッジマネージメント
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
ビジネスで使う場合、辞書の「企業などの組織にとって有益な知識・経験・事例・ノウハウなど付加価値のある情報」を指すことが一般的です。
企業にとって有益な知識・情報だけでなく、技術としてのノウハウも含まれます。
ナレッジを含む用語の意味
ナレッジという言葉は、さまざまな用語に使われています。ナレッジを含む用語は、ビジネスでも使うことが多いものです。基本的な意味や、用語の特徴を確認しましょう。

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ナレッジマネジメント
ナレッジマネジメントは、ナレッジの組織管理・活用などを意味する言葉です。主にビジネスで使用され、日本語にすると「知識経営」を表します。
日本では、1990年代に野中郁次郎らが提唱した「SECIモデル」が知られています。SECIモデルは、言葉で表しにくい「暗黙知(個人が持つ経験や直感など、言葉にしにくい知識)」を言葉で言い表せる「形式知」に変換し、同じサイクルを繰り返すシステムです。
ビジネスにおける「ナレッジ」は、管理や活用を意味するナレッジマネジメントと似たような意味を持っています。有益な知識・情報は蓄積し、活用することで役立つものといえるでしょう。
ナレッジワーカー
ナレッジワーカーは、経営学・社会学の分野で活躍したオーストリア出身の学者、ピーター・ドラッカーの著書で用いられた言葉です。
主に、専門的な知識を生かし、企業に利益をもたらす労働者を指します。単純労働ではなく、知的労働を担当する人が該当するでしょう。
経営者や個人をサポートするコンサルタントや、金融市場で売買を行うディーラーなどが代表的な職種です。
ナレッジの類語・関連語
ナレッジには、似たような場面で使われる類語・関連語があります。適切なビジネス用語を使うためにも、ナレッジと似た用語の違いを把握しておきましょう。主な類語・関連語と、基本的な意味を解説します。

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技術を意味する「ノウハウ」
ナレッジと似た用語に、「ノウハウ」があります。まずは、ノウハウの意味を辞書で確認してみましょう。
ノウ‐ハウ【know-how】 の解説
《「ノーハウ」とも》
1 ある専門的な技術やその蓄積のこと。「仕事の—をおぼえる」
2 技術競争の有力な手段となり得る情報・経験。また、それらを秘密にしておくこと。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
辞書にある通り、ノウハウは専門的な技術を含む情報を意味します。ナレッジとは似た場面で使われるものの、ノウハウは主に実践的な技術・経験を示すときに使われる言葉です。どちらかというとナレッジの方が範囲が広く、ノウハウも含めた有益な知識や情報を表します。
手順や方法を意味する「ハウツー」
ハウツーも、ナレッジと同じように、有益な情報を意味する言葉です。しかし、それぞれ用語を使う場面は異なります。ハウツーの意味を辞書で確認してみましょう。
ハウ‐ツー【how-to】 の解説
《どのように…するか、の意》やり方。方法。特に、実用的な方面での方法や技術。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
ハウツーは、具体的なやり方や手順を意味する言葉です。ナレッジは、何らかの手順以外の知識・情報も含んでいるため、ハウツーよりも使う場面は幅広いでしょう。
企業がナレッジを必要とする理由
多くの企業は、「ナレッジ」を必要としています。企業がナレッジを求める理由や、自身のナレッジを蓄積する重要性を確認しましょう。ビジネスシーンでナレッジが必要となる理由を把握しておけば、仕事にも生かせるはずです。