ポテンシャルとは潜在能力のこと
ポテンシャルとは英語で「potential」と表記し、潜在能力という意味です。ビジネスシーンでは、将来性があることや成長の可能性があることを指して使われます。もともとは物理用語で、ある位置に存在する物体に蓄えられるエネルギーについての言葉です。
ここでは、ポテンシャルの意味について詳しく見ていきましょう。
■もともとは物理用語
ポテンシャルは、もともと物理学で力学の概念として用いられている言葉です。
物体は重力の関係で手から離れると下に落ちますが、手に持つ時点で物体にはポテンシャルエネルギーが蓄えられていると考えます。ポテンシャルエネルギーは物体を高く持ち上げるほど大きくなり、重力との関係では高低差を表す指標といえるものです。
このようなポテンシャルエネルギーは、重力との関係だけでなくバネの力や磁力などにも存在します。
■ビジネスシーンで使われる
一般的に使われるポテンシャルは潜在能力という意味で、主にビジネスシーンで使われます。
潜在能力とは、まだ発揮されていない隠れた能力のことをいいます。ポテンシャルは将来性がある、成長が見込めるといった意味で使われる言葉です。
新入社員など若手の社員によく用いられますが、ポテンシャルの意味する潜在能力は仕事の能力だけでなく、勉強や運動、人としての魅力やセンスなども対象になります。
■「ポテンシャル採用」という言葉も
ビジネスシーンでは、「ポテンシャル採用」という言葉もよく使われます。新入社員採用の際に使われ、応募者の潜在能力や将来性を重視して選考する採用方法です。経験やスキルがなくても、自社で成長が期待できる人材を採用したい場合に行われます。
経験やスキルを問わないポテンシャル採用は幅広い応募が期待でき、将来性のある人材を確保しやすい方法です。そのため、人材不足に悩む企業の多くでポテンシャル採用が行われています。
ポテンシャルの類語表現
ポテンシャルにはいくつかの類語表現があり、主に次のような言葉が同じような意味で使われます。
・「可能性」:物事が実現できる見込み、成功の可能性が高いこと
・「伸びしろ」:人間的、能力的に成長の余地があること
・「ケイパビリティ」:企業が成長する原動力となる組織的能力のこと
可能性は「物事は実現できる見込み」という意味のほかに「潜在的な発展性がある」という意味もあります。ポテンシャルと同じ意味で使う場合の例文は、次の通りです。
【例文】
・子供が持つ無限の可能性を育まなければならない
・彼はこれから成長する可能性がある
伸びしろは、まだ成長する余地があるという意味で、ほぼポテンシャルと同じ意味合いです。主に学生や選手、社員などに使われます。
【例文】
・彼はまだ結果を出していないが、伸びしろは十分にある
・次のステップに進めない状態では、伸びしろがない
ケイパビリティはポテンシャルと同じく能力や将来性という意味もありますが、主に企業の強みについて表す言葉で、ポテンシャルとは異なる意味合いで使われます。
【例文】
・企業が成長するためにはケイパビリティを高めなければならない
・使い古されたケイパビリティではこれからの時代を生き抜けない
ポテンシャルの使い方と例文
ポテンシャルを実際に使う場合、さまざまな言い回しがあります。シチュエーションに合わせ、使い分けましょう。
ポテンシャル持つ人のことは「ポテンシャルが高い」と表現し、自分のなかにあるポテンシャルを高める場合は「ポテンシャルをあげる」といった言い回しをします。ここでは、よく使われる表現と例文をご紹介します。
■ポテンシャルが高い
ポテンシャルは「高い・低い」と表現されます。「ポテンシャルが高い」とは「内側に秘めた能力が高く成長する可能性が高い」という意味です。逆に「ポテンシャルが低い」という場合は、そのような能力や可能性が低いことを表します。
例文を見てみましょう。
【例文】
・今年採用した新入社員はみんなポテンシャルが高く、将来が期待できる
・あの会社に入社するにはかなり高いポテンシャルが必要だ
・彼はなんでも積極的にチャレンジしていてポテンシャルが高い
・彼の成績を見ると、この仕事のポテンシャルは低そうだ
■ポテンシャルをあげる、高める
ポテンシャルを「あげる」「高める」と表現する場合もあります。潜在的に持つ力を強めるという意味です。
例文は次のようになります。
【例文】
・ポテンシャルをあげるためには、自分でもしっかり努力しなければならない
・社員のポテンシャルをあげるには、上司の教育や指導が必要だ
・ポテンシャルを高めるには、家族の支えも大切だ
・彼女のひと言でポテンシャルを高めることができた