3:「誇張(こちょう)」
「誇張」は「実際よりも大げさに表現すること。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
似た言葉に「強調」がありますが、意味合いは異なります。「強調」は事実を強く表現するのに対して、「誇張」は事実に尾ひれをつけて話すこと。事実ではないことも含まれるのです。
(例)誇張せずに事実をありのまま話さなくてはならない。
「針小棒大」をことわざで表すと?
「大根を正宗で切る」は、「大げさなことをすることのたとえ、または、才能ある人や偉大な人に相応しくない仕事をさせること」をいうことわざです。「正宗」とは、鎌倉時代の刀匠、岡崎正宗が鍛えた刀のこと。名刀の代名詞として使われています。「大根を正宗で切る」は、大根のような切りやすいものを名刀で切るような大げさなこと、分不相応であることを表しています。
「針小棒大」の対義語にはどのようなものがある?
「針小棒大」の対義語には「謙虚」、「能ある鷹は爪を隠す」が挙げられます。それぞれの詳しい意味をみていきましょう。
「謙虚(けんきょ)」
「謙虚」は「控え目で、つつましいこと。へりくだって、すなおに相手の意見などを受け入れること」です。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
「謙虚な人」のように人の性質や性格、行為を表す際に用いられますが、その他、「謙虚な態度」や「謙虚に指摘を受け入れる」のように人の態度や姿勢、気持ちを表す言葉として使うことができます。
「能ある鷹は爪を隠す」
「実力のある物ほど、それを表面に現さないということのたとえ」(<小学館 デジタル大辞泉>より)
有能な鷹は、獲物に狩られることを悟られないように爪を隠すとされています。爪を隠し、獲物を油断させて一気に捕まえる、そのことが転じた言葉。
また、「能ある鷹は爪を隠す」は、「謙虚」と意味合いが異なります。この場合、自身の能力を隠すのは戦略のため。「いざという時にだけ実力を発揮する」という意味合いの言葉なんです。
「針小棒大」の英語表現とは?
「針小棒大」は、「誇張する」や「大げさ」という意味がある「exaggeration」や「overstate 」を使って表すことができます。また「針小棒大」と同じ意味で使える英語のことわざも併せて紹介します。
・「She has a propensity to exaggeration」(彼女は針小棒大にいう癖がある)
・「It wouldn’t be an exaggeration to say that it would definitely succeed」(必ず成功すると言っても針小棒大ではないだろう)
「針小棒大」を英語のことわざで表すと?
「Make a mountain out of a molehill 」
「molehill」とは、モグラが穴を掘った際にできる小さな盛り土、「もぐら塚」と呼ばれるもののことです。「make a mountain out of a molehill」は、「小さなもぐら塚を、あたかも大きな山のように言う」という意味。大げさに言うことを表した英語のことわざです。
最後に
「針小棒大」を含め、大げさなことを表す言葉は数多くあることがわかりました。類語や言い換え表現の微妙な意味合いの違いを理解し、適切に使い分けることができると素敵ですよね。語彙力を身につけた、できるビジネスパーソンを目指しましょう!
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