「私利私欲」の意味や注意点とは?
ニュースやビジネスの場面で度々耳にする「私利私欲」という言葉。なんとなく良い意味ではないことは分かっても、詳しく説明できない方もいるかもしれません。「私利私欲」に走ってしまうと、人間関係においてトラブルを抱えてしまう可能性も。そこで今回は「私利私欲」の意味や注意点、類語・対義語などを解説します。
意味
「私利私欲(しりしよく)」の意味は以下の通りです。
自分の利益を第一に考え、それを満たそうとする気持ち(<小学館デジタル大辞泉>より)
この四字熟語は「私利」と「私欲」に分けることができます。「私利」は、「自分のための利益」、「私欲」は、「自分一人の利益だけを考える気持ち」を表します。つまり、周囲の利益を考えることがなく、自分だけが得をすることばかりを考えていることを「私利私欲」というのです。
使う際の注意点
基本的に自分の得になることばかりを優先して、自分勝手な人のことを「私利私欲が強い人」といいます。「利益」や「欲望」を指すことから、会社の利益を牛耳る社長や政治家に対して使われることが多い言葉です。「私利私欲」は、基本的に自分勝手な行動を批判する時に使われるネガティブな意味合いを持つので、使う際は注意しましょう。
使い方を例文でチェック!
「私利私欲」は、一般的には「私利私欲に走る」というように自分勝手な行動に出ることとして、ネガティブな意味で使われることが多いです。一方で、「私利私欲を捨てる」「私利私欲にとらわれず」というように良い意味として使うこともできます。ここではよくある「私利私欲」の使い方を例文で紹介します。
彼は私利私欲に目がくらんで周囲の信用を失ってしまった。
目の前の誘惑に勝てず、良くないことに手を出してしまうことを「私利私欲に目がくらむ」と表現します。「少しくらいズルをしてもバレないだろう」と思ってやったことが原因で、せっかく積み上げてきた信用が台無しになってしまう可能性も。くれぐれも「私利私欲」に惑わされないように注意したいものです。
私利私欲に走った政治家は大金を横領した。
「私利私欲」は、「私利私欲に走る」と表現されることが多いです。主に政治家や企業の社長などの権力を持った人が、自分の利益や欲求を満たすために無謀な行動に出た時などに使われます。
今までの自分勝手な振る舞いを反省し、私利私欲を捨てる決意をした。
「私利私欲を捨てる」という表現も。自分の利益ばかりを考えてきたことを反省し、あらゆる面での欲望を手放すということなので、良い意味として使用可能です。
類語や言い換え表現とは?
「私利私欲」の類語には、「俗心」「損得勘定」「エゴイズム」などが挙げられます。いずれも、自己中心的なニュアンスが強い言葉。一緒に意味を見てきましょう。
俗心
「俗心(ぞくしん)」の意味は以下の通りです。
世俗的なことにひかれる心のこと。(<小学館デジタル大辞泉>より)
お金が欲しい、異性にモテたい、出世したいなどの様々な欲望を心の中に抱いている様子を指します。名誉や利益にばかり目を向けている点が「私利私欲」と似ています。
損得勘定
「損得勘定(そんとくかんじょう)」の意味をみていきましょう。
自分にとって得になるか損になるかを考え合わせること(<小学館デジタル大辞泉>より)
「勘定」は、「ものの数量や金銭を数えること」「色々考え合わせて出た結論」などの意味を持つ言葉。「損得勘定」とは、自分にとってメリットとデメリットのどちらが多いのか考えてから行動することを表します。自分にとって得になるかを重視している点が、「私利私欲」と一致しています。