「不撓不屈」とは困難があっても決してくじけないこと
「不撓不屈」は「ふとうふくつ」と読み、どんな困難があっても決してくじけないことを意味する言葉です。スポーツ選手が所信表明として「今後も不撓不屈の精神で精進してまいります」などと言うのを聞いたことがある人もいるでしょう。どんな逆境にあってもあきらめない前向きな言葉であるため、座右の銘としてもよく使われます。
辞書に記載されている「不撓不屈」の意味も確認しておきましょう。
【不撓不屈:ふとうふくつ】
どんな困難にあっても決して心がくじけないこと。「不撓不屈の精神」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「不撓」は曲がらない、くじけないという意味
「不撓不屈」を構成する「不撓」も「不屈」も、あきらめない、くじけないという意味を持ちます。「撓」は強い力がかかって固いものが曲がることをあらわします。また、「屈」は屈すること、つまり気力を失ったりくじけたりするという意味です。それぞれを「不」によって打ち消し、似た意味の言葉を2つ重ねることで「決してくじけない」という強い意味をあらわしています。前後が逆の「不屈不撓」という表現もみられますが、同じ意味で使えますので覚えておきましょう。
由来は中国の「漢書」
「不撓不屈」は故事成語の一つです。由来は中国の正史である『二十五史』のうちの『漢書』とされ、「楽昌(がくしょう)篤実、不撓不屈」が語源のようです。「楽昌」というのは、「楽昌侯(がくしょうこう)」という役職についた「王商(おうしょう)」のこと。「楽昌」の性格が情が厚く誠実で、決してくじけず志を曲げることはない人物であると称しています。ここから、「不撓不屈」はどんな困難があっても志を曲げずあきらめないという意味で使われるようになったといわれています。
【例文付き】不撓不屈の使い方
「不撓不屈」はビジネスやスポーツにおいて、揺るぎのない意気込みを表明する際に使われることが多い言葉です。「座右の銘は不撓不屈だ」などとそのまま使うこともありますが、「不撓不屈の精神」「不撓不屈の努力」「不撓不屈の人物」といった使われ方もします。周囲に自分の強い決意を伝えたいときや、決してあきらめず努力する人物を表す際などに使いましょう。