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2023.06.13

「釈迦に説法」とはどんな意味?ビジネスで使える例文も紹介

 

「釈迦に説法」という言葉をどこかで耳にしたことがあっても、自信を持って意味を説明することは難しいかもしれません。誰かをたしなめる時や、自分がへりくだる時に利用される表現です。釈迦に説法の意味や類義語・対義語、ビジネスシーンでの正しい使い方を分かりやすく解説します。

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「釈迦に説法」の意味と由来

「釈迦に説法」は、特にビジネスシーンで使われることの多いことわざで、一度は耳にしたことがある人も多いかもしれません。読みは「しゃかにせっぽう」で、言葉の意味は次のとおりです。

【釈迦に説法】しゃかにせっぽう
知り尽くしている人にそのことを説く愚かさのたとえ。釈迦に経(きょう)。

実際に会話の中で使いこなすのが意外と難しい、「釈迦に説法」の意味と由来を詳しく解説します。

釈迦に説法

釈迦に説法」は愚かな行為を表す

「釈迦に説法」とは、自分と比べてより詳しく深い知識を持っている人に、そうとは知らずに自信満々に教えているさまの愚かさを表します。

例えば趣味の釣りで出会った人に、自分がこれまで釣った魚の自慢や、高価な釣り道具の説明を交え指導していたら、全くそんなふうには見えない相手が実は釣りのプロだった、という状態が「釈迦に説法」です。

「能ある鷹は爪を隠す」ということわざにもあるように、人は見かけでは持っている能力を判断できません。自分が得意であったり、自信があったりすることでも、謙虚な姿勢でいることが大切です。

語源は仏教の開祖に説法をした行為

「釈迦」という言葉で仏教に関する言葉だと予想できた人もいるかもしれませんが、「釈迦に説法」の「釈迦」は仏教の開祖を指します。「釈迦に説法」は、仏教の教えを説いた張本人である釈迦に、説法(仏教の教義を説き聞かせること)をした人の愚かな行為が語源となっているのです。

ここから転じて、ある特定の分野に理解がある人に、そうとは知らずに教えを説く愚かさを表現する言葉となりました。

「釈迦に説法」の類義語と対義語

「釈迦に説法」は十分な知識がある人に得意げになって教えることを意味しますが、似たような言葉として3つが挙げられます。どれもその道のエキスパートに教えを説く愚かさが表現されている言葉です。

一方で相対する意味を持っている言葉も3つです。

「釈迦に説法」の類義語と対義語を詳しく紹介します。

釈迦に説法

類義語は「猿に木登り」「河童に水練」「孔子に論語」

「釈迦に説法」の類義語は、どれもその事柄についてよく知り尽くしている相手に教えを説く、愚かでムダな行為を意味します。

【釈迦に説法の類義語】
「猿に木登り」:木登りの名人である猿に木登りを教える 
「河童に水練」:水の中に住む河童に泳ぎを教える
「孔子に論語」:孔子が執筆した論語について本人に教えを説く

猿は木の上で過ごす時間も多く、何より本能的に木登りの仕方を知っているため、猿に木登りを教える必要はありません。「猿に木登り」とほぼ同様の意味を持っているのが、水かきを持ち水中で生活するとされる河童に、泳ぎを教える愚かさを表現した「河童に水練」です。

孔子は儒教の開祖として、紀元前の中国で活躍した思想家です。仁(人間愛)や道徳についてまとめた論語は、彼が残した作品です。「孔子に論語」とは、論語の教えを執筆した本人である孔子に教える行為を指す言葉で、「釈迦に説法」の言い換えとしても使われます。また、孔子に論語は「孔子(こうし)に悟道(ごどう)」ともいわれます。

【悟道】ごどう
仏語。仏道の真理を悟ること。悟りを開いて道理を会得すること。

対義語は「牛に対して琴を弾ず」「馬の耳に念仏」「豚に真珠」

「釈迦に説法」の対義語は、「愚か者に素晴らしいものを与えても意味がないこと」を表す言葉になります。

【釈迦に説法の対義語】
「牛に対して琴を弾ず(うしにたいしてことをだんず)」:牛にどんなに美しい琴の音を聞かせても意味がない
「馬の耳に念仏」:馬に念仏を聞かせても意味がない、人が忠告しても聞く耳を持たない
「豚に真珠」:価値を理解できない者に高価なものを与えても意味がない

「釈迦に説法」はその道に詳しい人に教えを説くことを意味しますが、上記3つの対義語は愚かで価値を理解できない相手に、どんなに教えを説いたり素晴らしい品を与えても意味がないことを表します。

また「弘法も筆の誤り(こうぼうもふでのあやまり)」も釈迦に説法の対義語として挙げられることがあります。「釈迦に説法」における知識人は、完璧で隙がありませんが、「弘法も筆の誤り」は「プロでも時には失敗することがある」という点で対義語といえるでしょう。「弘法も筆の誤り」のたとえを踏まえれば、「釈迦に説法」でもそこになにか新しい学びがあるとも考えられます。

「釈迦に説法」の使い方ポイント4つ

自分よりはるかに知識を持った人に教えることを意味する「釈迦に説法」ですが、実際の会話で使う際には次の4つのポイントを心得ておきましょう。

誤ったシーンで使ってしまうと、相手に失礼になってしまうことがあります。釈迦に説法の使い方について、各ポイントを詳しく紹介します。

釈迦に説法

誰かをたしなめる時に使う

「釈迦に説法」は、誰かが自分の立場をわきまえずに、出過ぎた行為をしている所をたしなめるために利用できます。

例えば社外の人達と一緒に進めているプロジェクトで、入社して日の浅い社員が相手企業の責任者に、偉そうに意見をしている場面に出くわしたら、「釈迦に説法」を使って注意する必要があるかもしれません。

しかし実際には、経験の浅い社員の意見で、凝り固まった偏見が取り払われ、相手企業もありがたいと思う可能性もあります。「釈迦に説法」をたしなめる際に使う場合には、状況を良く把握してから注意深く利用するのが良いでしょう。

自分がへりくだる時に使う

自分がへりくだって相手に何か提案する場合にもよく使われます。上司や目上の人に対して、恐縮かつ謙遜しながら意見を述べる手法です。

「こんなことを申し上げるのは釈迦に説法ですが」「釈迦に説法とは存じますが」のようなフレーズは覚えておくといざという時に使えるので便利です。前述の、相手をたしなめる使い方よりは、気軽に使いこなせるでしょう。

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