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2024.04.17

「稀有」の正しい意味は? 化学用語や古語の用法にも使われるって知ってた?

 

「稀有」は「けう」と読み、珍しいことや不思議なことを表す際に使う言葉です。似ている言葉に「希有」がありますが、どちらも同じ意味で使えます。ただし「杞憂」とは異なるため、混同しないように気をつけてくださいね。本記事では「稀有」の意味や使い方、英語表現などを解説します。

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珍しい特技や特別な才能を持った人のことを、「あの人は稀有な人だ」などと表現することがありますよね。このようにめったにないことを意味する「稀有」という言葉ですが、正しい意味や使い方はご存知ですか?

そこで本記事では、「稀有」の意味や使い方、混同しやすい「杞憂」との違い、英語表現などを解説します。この機会に、「稀有」の多様な使い方について覚えてみてはいかがでしょうか?

「稀有」とは珍しいことを指す言葉

「稀有」の基本的な意味は「珍しいこと」。一般的な読み方は「けう」です。辞書の意味を確認していきましょう。

[名・形動]
1 めったにないこと。とても珍しいこと。また、そのさま。まれ。「―な(の)出来事」
2 不思議なこと。また、そのさま。
「ここに―なは『いるまん』の『しめおん』じゃ」〈芥川・奉教人の死〉
3 とんでもないこと。けしからぬこと。
「―のわざする男かなと、ののしるときに」〈宇治拾遺・二〉
4 (「希有の命」の形で)危うく死を免れること。
「平氏の大将維盛、通盛、―の命生きて加賀国へ引き退く」〈平家・七〉
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「稀有」は1番目の意味のように、普通では起こらないようなことや、不思議なことが起こった際に使える言葉です。3番目や4番目は古語として用いられる意味合いですね。

「きゆう」とも読めることから「杞憂」と混同されやすいですが、両者には明確な違いがあるため、意味をきちんと理解してみてください。

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(c) Adobe Stock

「稀有」の一般的な読み方は「けう」

「稀有」の一般的な読み方は、「けう」です。「きゆう」と読むこともありますが、主に「稀有元素(きゆうげんそ)」のような化学用語に限定されます

「けう」と「きゆう」の違いは、呉音(ごおん)か漢音かどうかです。どちらも漢字の字音のことで、呉音・漢音の順番で日本に伝わりました。「けう」は呉音に分類され、漢音よりも先に定着していた呉音での読み方が一般的となっています。

「稀有」の語源

「稀有」は不思議なこと・まれなことを表し、普通では起こらないような珍しいことが起こった際に使います。人がもつ才能や物の存在価値、めったにない出来事などを伝える場面で使用することが多く、肯定的なニュアンスをもつ言葉です。

「稀有」の語源は、それぞれの漢字の意味に由来します。「稀」の意味は「珍しいこと・まれであること」、「有」の意味は「存在すること・持っていること」です

2つの漢字を合わせると「存在がまれである」という意味になることから、珍しいことを表現する際に使われるようになったとされています。

化学用語・古語では異なる意味をもつ

「稀有」は、化学用語にも使われます。例えば「稀有元素(きゆうげんそ・けうげんそ)」や「稀有金属(きゆうきんぞく・けうきんぞく)」などです。化学用語として使う場合は、「きゆう」と読む場合が多いと覚えておきましょう。

「稀有元素」とは、地球上では稀にしか存在しないと考えられていた元素を指します稀有金属は「レアメタル」と呼ばれる金属のことで、地球上において産出量が少ないのが特徴です。

古語の「稀有」は、現代の肯定的なニュアンスとは異なり、「とんでもない」という否定的な意味で使われていました。または「やっとのことで・かろうじて」を意味する表現でもありました。

「稀有」に似ている「希有」と「杞憂」との違い

「稀有」と混同しやすい言葉として、「希有」と「杞憂」が挙げられます。「希有」の意味は「稀有」と同じで、違いは常用漢字を使っているかどうかです。

「稀有」には常用外漢字の「稀」が含まれているため、公用文では使用できません。「希有」は常用漢字のみで構成されており、公用文でも使えます。漢字は異なるものの、意味は同じであると覚えておきましょう。

「杞憂」の意味は「稀有」とは別物で、「きゆう」という読み方以外に類似する部分はありません。「杞憂」には取り越し苦労という意味があり、起こるかどうかもわからない将来について心配することを表します。

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「稀有」の使い方を例文で解説

「稀有」を使う主なシーンは以下のとおりです。

・珍しいことが起こったとき
・不思議なことが起こったとき
・とんでもないことが起こったとき

「稀有な〇〇」という形で使うのが基本で、〇〇には人や物などが入ります。「稀有な人」と表すこともあり、その場合は才能や能力、感性について評価するという意味で使われます。

「稀有」は名詞でもあるため、「稀有だ」のように使うことも可能です。いずれにせよ、「稀有」はポジティブな意味合いで使うことが多く、否定的な感情を含まないと覚えておきましょう。

ここでは、「稀有」の主な使い方を例文とともに解説します。

珍しいことを表す例文

何か珍しいことが起こったと伝える際には「稀有」が適しています。文章の中に日常と比較するような表現を組み合わせると、珍しさをさらに強調できるでしょう。

また「遭遇する(=偶然会うこと)」という表現と一緒に使うと、意味を強調することができます。

【例文】
・日常生活では経験したことのない、【稀有】な出来事に遭遇しました。
・【稀有】な出来事に遭遇し、戸惑いを隠せなかった。

不思議なことを表す例文

「稀有」は、何か不思議なことについて話す際にも使えます。ただし、古語としての意味合いであるため、現代では使われる機会は少なくなっています。

なお、「稀有」を使って「不思議である」と表現する際は、「珍しい」に言い換えても成り立つケースが多いです。「稀有」を使った文章の理解に迷ったときは、珍しいという意味で解釈するのが無難です。

【例文】
・あの会社は不景気でも業績を拡大し続けている【稀有】な存在です。
・彼女は人の心を読むという【稀有】な才能の持ち主です。
・その動物は【稀有】な生態を持っています。

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