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2021.11.28

【稀有】の正しい意味は? 化学用語や古語の用法にも使われるって知ってた?

「稀有」は「けう」と読み、珍しいことや不思議なことを表す際に使う言葉です。似ている言葉に「希有」がありますが、どちらも同じ意味で使えます。ただし「杞憂」とは異なるため、混同しないように気をつけましょう。今回は「稀有」の意味や使い方などをご紹介します。

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「稀有」とは珍しいことを指す言葉

「稀有」の基本的な意味は「珍しいこと」で、一般的な読み方は「けう」です。普通では起こらないようなことや、不思議なことが起こった際に使える言葉です。

稀有

化学用語としての使い方もあり、その場合は用法が異なります。また、古語として使う場合も異なる意味をもちます

「きゆう」とも読めることから「杞憂」と混同されやすいですが、両者には明確な違いがあるため、意味をきちんと理解しておきましょう。ここでは、「稀有」の意味や杞憂との違いなどを解説します。

「稀有」の一般的な読み方は「けう」

「稀有」の一般的な読み方は「けう」です。「きゆう」と読むこともありますが、主に「稀有元素(きゆうげんそ)」のような化学用語に限定されます

「けう」と「きゆう」の違いは、呉音(ごおん)か漢音かどうかです。どちらも漢字の字音のことで、呉音・漢音の順番で日本に伝わりました。「けう」は呉音に分類され、漢音よりも先に定着していた呉音での読み方が一般的となっています。

「稀有」の意味と語源

【稀有:けう】
[名・形動]
1.めったにないこと。とても珍しいこと。また、そのさま。まれ。「―な(の)出来事」
2.不思議なこと。また、そのさま。「ここに―なは『いるまん』の『しめおん』じゃ」〈芥川・奉教人の死〉
3.とんでもないこと。けしからぬこと。「―のわざする男かなと、ののしるときに」〈宇治拾遺・二〉
4.(「希有の命」の形で)危うく死を免れること。「平氏の大将維盛、通盛、―の命生きて加賀国へ引き退く」〈平家・七〉
希有にして

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「稀有」は不思議なこと・まれなことを表し、普通では起こらないような珍しいことが起こった際に使います。人がもつ才能や物の存在価値、めったにない出来事などを伝える場面で使用することが多く、肯定的なニュアンスをもつ言葉です。

「稀有」の語源は、それぞれの漢字の意味に由来します。「稀」の意味は「珍しいこと・まれであること」、「有」の意味は「存在すること・持っていること」です

2つの漢字を合わせると「存在がまれである」という意味になることから、珍しいことを表現する際に使われるようになったとされています。

化学用語・古語では異なる意味をもつ

「稀有」は化学用語にも使われます。例えば「稀有元素(きゆうげんそ・けうげんそ)」や「稀有金属(きゆうきんぞく・けうきんぞく)」などです。化学用語として使う場合は「きゆう」と読む場合が多いと覚えておきましょう。

「稀有元素」とは、存在する量や関わる機会が少ないとされる元素を指します稀有金属は「レアメタル」と呼ばれる金属のことで、地球上において産出量が少ないのが特徴です。

古語の「稀有」は現代の肯定的なニュアンスとは異なり、「とんでもない」という否定的な意味で使われていました。または「やっとのことで・かろうじて」を意味する表現でもありました。

「稀有」に似ている「希有」と「杞憂」との違い

「稀有」と混同しやすい言葉として、「希有」と「杞憂」が挙げられます。「希有」の意味は「稀有」と同じで、違いは常用漢字を使っているかどうかです。

「稀有」には常用外漢字の「稀」が含まれているため、公用文では使用できません。「希有」は常用漢字のみで構成されており、公用文でも使えます。漢字は異なるものの、意味は同じであると覚えておきましょう。

「杞憂」の意味は「稀有」とは別物で、「きゆう」という読み方以外に類似する部分はありません。「杞憂」には取り越し苦労という意味があり、起こるかどうかもわからない将来について心配することを表します。

「稀有」の使い方を例文で解説

「稀有」を使う主なシーンは以下のとおりです。

・珍しいことが起こったとき
・不思議なことが起こったとき
・とんでもないことが起こったとき

稀有

「稀有な〇〇」という形で使うのが基本で、〇〇には人や物などが入ります。「稀有な人」と表すこともあり、その場合は才能や能力、感性について評価するという意味で使われます。

「稀有」は名詞でもあるため、「稀有だ」のように使うことも可能です。いずれにせよ、「稀有」はポジティブな意味合いで使うことが多く、否定的な感情を含まないと覚えておきましょう。

ここでは、「稀有」の主な使い方を例文とともに解説します。

珍しいことを表す例文

何か珍しいことが起こったと伝える際には「稀有」が適しています。文章の中に日常と比較するような表現を組み合わせると、珍しさをさらに強調できるでしょう。

また「遭遇する(=偶然会うこと)」という表現と一緒に使うと、意味を強調することができます。

【例文】
・日常生活では経験したことのない、【稀有】な出来事に遭遇しました。
・【稀有】な出来事に遭遇し、戸惑いを隠せなかった。

不思議なことを表す例文

「稀有」は何か不思議なことについて話す際にも使えます。ただし、古語としての意味合いであるため、現代では使われる機会は少なくなっています。

なお、「稀有」を使って「不思議である」と表現する際は、「珍しい」に言い換えても成り立つケースが多いです。「稀有」を使った文章の理解に迷ったときは、珍しいという意味で解釈するのが無難です。

【例文】
・あの会社は不景気でも業績を拡大し続けている【稀有】な存在です。
・彼女は人の心を読むという【稀有】な才能の持ち主です。
・その動物は【稀有】な生態を持っています。

とんでもないことを表す例文

何かに対してとんでもないと批判する際にも「稀有」が使えます。例として、有名な『徒然草』の中に「こは稀有の狼藉かな(これはとんでもない悪さだな)」という文章が出てきます。ただし、この用法は古語のみに限定されており、現代で使うことはありません。

同じく古語の「稀有なり」には「思いがけず」という意味があり、昔は否定的なニュアンスで使われていました。「稀有なり」は現代でも使われますが、否定の意味はもたず、肯定的なニュアンスでしか使われません。

【例文】
・今昔物語集「御房は【希有(けうの)】事云ふ者かな(おかしな事をおっしゃる御坊だ)」
・徒然草「こは【希有】の狼籍かな(これはとんでもない悪さだな)」

「稀有」の類義語と対義語

「稀有」にはいくつかの類語と対義語が挙げられます。順番に見て行きましょう。

「稀有」の類義語は「稀代/希代(きたい・きだい)」「稀少/希少(きしょう)」

稀有

・稀代/希代(きたい・きだい)
・稀少/希少(きしょう)

「稀代」の意味は「めったに見られないこと」で、「稀代の悪人」のように否定的なニュアンスでも使用可能です。稀少は「極めて稀で少数であること」を表し、「稀少な存在」のように使います

「稀有」の対義語は「凡庸(ぼんよう)」「人並み」

・凡庸(ぼんよう)
・人並み

「凡庸」は「優れたことがなく平凡であること」を表します「人並み」は「世の中の人たちと同じレベルであること」という表現です。

「稀有」の読み方や意味を理解しておこう

稀有

「稀有」は珍しいことや不思議なことを表す言葉で、一般的な読み方は「けう」です。化学用語の場合は「きゆう」と読むこともあります。

「稀有」と似ている「希有」は常用漢字かどうかの違いしかなく、「稀有」と同じ意味で使えます。「杞憂」も「稀有」と響きが似ていますが、意味は別物のため混同しないように注意しましょう。

「稀有」の正しい読み方や意味を理解し、適切な場面で使ってみてください。

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