「成長したね」
「成長したね」は部下に対する評価の言葉であり、「嬉しい言葉」と言えるでしょう。このフレーズだけでも十分ですが、具体的にどこがどう成長したのかを伝えると、さらに相手にとっては嬉しい言葉になるでしょう。
【例文】
・君が書いたレポート、着眼点もいいし、よく練り込まれているよ。この1年間でずいぶん【成長したね】。
・今回のプロジェクトチームをよくまとめてくれた。リーダーとして見事に【成長したね】。君に任せて良かったよ。
嬉しい言葉3つ【上司編】
上司が嬉しいと感じる言葉を伝える上では注意が必要です。部下に伝える言葉とは一線を画して、あくまでも下の立場から上に伝えるという意識が求められます。例えば「成長しましたね」という言葉は上の立場から下に言う言葉なので、上司に対しては決して言ってはいけません。上司が嬉しい言葉の代表的なものは次の3つです。
それぞれ詳しく解説しましょう。
「頼りになります」
上司にとっては、部下から「頼りになります」と言われて、信頼されるのは嬉しいものです。上司に言葉を伝える場合には、表面的な言葉や単なるお世辞にならないように、注意する必要があります。本当に思った時に素直に伝えるのが良いでしょう。
【例文】
・現場でみんなが緊張している時に、声をかけていただいてありがとうございます。部長のひと言で気持ちが楽になりました。本当に【頼りになる】存在です。
・さすが課長、鶴の一声で会議の流れがいい方向に向かいましたね。【頼りになります】!
「尊敬しています」
「尊敬しています」は上司が言われて嬉しい言葉として、よく例に出されるフレーズです。この言葉は普段から上司に対して尊敬の念を抱いている場合に使ってこそ、説得力を持つ言葉と言えるでしょう。
【例文】
・ずっと先輩の背中を見ながら仕事をしてきました。私のお手本です。いつも【尊敬しています】。
・部長の部下ひとりひとりに丁寧な言葉をかけてくださるところ、本当に【尊敬しています】。
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「勉強になります」
「勉強になります」が上司にとって嬉しい言葉になるのは、自分に対するほめ言葉であると同時に、部下のやる気が伝わる前向きな言葉でもあるからでしょう。アドバイスを受けた時や間違いを指摘された時など、幅広い場面で使える言葉です。
【例文】
・的確に指導していただいて、大変【勉強になります】。
・部長の会議でのお言葉、【勉強になりました】。参考にさせていただきます。
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「嬉しい言葉」を使う場合の注意点
「嬉しい言葉」を使う場合には注意しなければならないことがいくつかあります。良かれと思って伝えた言葉が逆効果になったり、他の誰かにとって不快な言葉になったりする可能性もあるからです。特に注意すべきなのは次の2点です。
それぞれについて、詳しく解説しましょう。
伝えるタイミングを考える
「嬉しい言葉」を伝える時にはタイミングも重要な要素となります。相手が何かをやってくれたことに対する感謝の気持ちを伝える、成果をほめるなどの場合には、その場ですぐに伝えるのがベストでしよう。その場で言われる方が嬉しいですし、印象にも残ります。
周囲に人がいるとき、またはいないときどちらがいいのかは、言葉の内容によっても相手によっても変わってきます。周囲の状況を考慮して、伝えるタイミングを選ぶことも大切です。
ほめ言葉が嬉しい言葉とは限らない
ほめ言葉が「嬉しい言葉」とは限りません。ほめている内容が実際と違っていたり、大げさだったりすると、むしろ逆効果になる場合もあるからです。心にもない言葉を伝えた場合には、相手にもそのことが伝わるでしょう。
本当に思っていることをそのまま素直に表現するのが大切です。誰かと比較して褒めるような行為も避けるべきでしょう。比較してもいいのは言葉を伝える相手の過去と現在に限定されます。比較は相手の成長について述べる場合に限定しましょう。
「嬉しい言葉」を相手やシーンに合わせて上手に使おう
「嬉しい言葉」をかけることは仕事で円滑な人間関係を築いていく上で、大きなプラスの効果があると期待できます。「嬉しい言葉」は場の空気をやわらかくし、相手との距離を縮めてくれるからです。ただしほめればいいというものではありません。
上司に対する場合と部下に対する場合では伝える内容も変わってくるでしょう。シチュエーションやタイミングも考慮する必要があります。それらを配慮した上で、思っていることを素直に伝えて、その言葉が相手に喜ばれるのが望ましい姿です。
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