「竜頭蛇尾」を使った短文と会話例
以下では、「竜頭蛇尾」を使った短文と会話例をいくつかご紹介します。
【例文】
・最初はやる気にあふれているが、最後までやり切ることができずに、いつも【竜頭蛇尾】に終わってしまう。
・前評判がよく初回の視聴率も良かったが、脚本に問題があったせいか【竜頭蛇尾】なドラマに終わった。
・スタート直後は一位だったのに、中盤から失速して最下位に終わった。まさに【竜頭蛇尾】だ。
・この小説は序盤に風呂敷を広げすぎて、伏線の回収がほとんどされず【竜頭蛇尾】に終わった。
【会話例】
「あのプロジェクトってどんな感じだったの?」
「企画は壮大だったけど運用する人手が足りなくて、結局、【竜頭蛇尾】に終わった感じだよ」
「竜頭蛇尾」の関連語は?
「竜頭蛇尾」の類語としては以下の2つが挙げられます。
1.最初の勢いはあるが続かない「虎頭蛇尾」
2.見かけは立派だが実は粗悪な「羊頭狗肉」
対義語は次のとおりです。
・最後まで言動が一貫する「徹頭徹尾」
類語である「虎頭蛇尾」と「羊頭狗肉」はそれぞれ意味は異なりますが、いずれも評判倒れなものや状況に対して用いることが多い言葉です。「徹頭徹尾」は「終始一貫して」という意味で使います。
ここからは、「竜頭蛇尾」の類語と対義語について解説します。
虎頭蛇尾(ことうだび)
「虎頭蛇尾」は「ことうだび」と読み、初めは勢いがあるが終わりになるにつれて弱々しくなってしまうことを意味する四字熟語です。
頭は虎のように立派でも、尻尾は蛇のように弱くてぱっとしないことのたとえです。「竜頭蛇尾」の頭の部分が蛇に置き換わっていますが、意味はほぼ同じです。「虎頭蛇尾な結末」というように、使い方も竜頭蛇尾との違いはありません。
羊頭狗肉(ようとうくにく)
「羊頭狗肉」は、見かけや表面と中身が一致しないという意味の言葉です。「ようとうくにく」と読みます。羊の頭と見せかけて、実際に売っているのは犬の肉という意味です。そこから、立派な見た目だが中身が伴っていないという意味で使われるようになりました。「羊頭狗肉ぶりも甚だしい」などと使います。
ビジネスにおいて、ネガティブな意味で用いられることが多い言葉です。
【羊頭狗肉:ようとうくにく】
「羊頭を掲げて狗肉を売る」の略。
徹頭徹尾(てっとうてつび)
「徹頭徹尾」は、「てっとうてつび」と読み、言動や態度が最初から最後まで一貫して同じ様子を表す故事成語です。「徹」は徹底している、「頭」と「尾」は最初と最後という意味です。
「その地域では、私は徹頭徹尾、部外者だ」というような使い方をします。ビジネスシーンで使われることが多いですが、変わりやすい物事には使えないので注意しましょう。
【徹頭徹尾:てっとうてつび】
最初から最後まで。あくまでも。終始。「―反対の立場を貫く」
計画性をもって「竜頭蛇尾」に終わらないようにしよう
「竜頭蛇尾」は、初めは勢いがあるが、終わりは振るわないことのたとえです。頭は竜で尻尾は蛇というなんともアンバランスな姿を意味し、否定的な意味で使います。
どんな分野でも、勢いよく始まったものの終わりは尻つぼみになってしまうことはあるもの。何事も計画性とモチベーションを維持して、「竜頭蛇尾」に終わることのないようにしたいものですね。
イラスト・写真/(C)Shutterstock.com
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
▼あわせて読みたい