「溜飲を下げる」とは意味が異なる
似た言葉に「溜飲を下げる」がありますが、「溜飲が下がる」とは少し意味が異なります。どちらにしても「胸のつっかえとなっていたことがなくなり、すっきりした」というときに使うのは同じです。
しかし、「溜飲を下げる」を使う場合には、自らのおこないによって不平不満・怒り・恨みなどを解消できたことで、胸がすっきりとした場合に使います。自分でなにもせずに自然に起きたことで不満が解消できたときには、「溜飲が下がる」を使うのが適当です。
「溜飲が下がる」の類語と対義語
「溜飲が下がる」と言い換えができる類語や反対の意味を持つ対義語は、以下のとおりです。
・類語は「気が晴れる」など
・対義語は「鬱憤が溜まる」など
例に挙げたもの以外にも、「溜飲が下がる」には複数の類語や対義語があります。それぞれの言葉の意味や読み方もあわせてチェックして、ボキャブラリーを増やしましょう。
「溜飲が下がる」の類語
類語には「気が晴れる」などがあります。それぞれの意味を見ていきましょう。
気が晴れる
気持ちがすっきりすること。「溜飲を晴らす」という誤用が広まったのは、気が晴れるとの混同によるといわれている。
胸を撫で下ろす
ホッとすること。安堵すること。
胸の痞え(つかえ)が下りる
悩みや不満がなくなること。
「溜飲が下がる」の対義語
対義語は「鬱憤が溜まる」などがあります。それぞれの意味を見ていきましょう。
鬱憤(うっぷん)が溜まる
心のなかに抑えている怒りや恨みが多くなること
癪(しゃく)に障る
腹が立つこと。気に障ること。
不満を募らせる
満足しないことが集まること。
ヘドが出る
不愉快になること。気分が悪くなること。
まとめ
「溜飲が下がる」とは、胸のつかえがおりて気が晴れることを意味する言葉です。悩みが解決できたときや嫌な気持ちを解消できたときなどに使います。正しい表現である「溜飲が下がる」と同じくらいに誤用である「溜飲を晴らす」が広まってしまっているため、間違えないように注意しましょう。
「溜飲が下がる」が持つ意味や語源、類語、対義語などをまとめて確認し、正しく使えるようになりましょう。
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