「玄人はだし」とは
「玄人はだし」は「くろうとはだし」と読みます。一体、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか?まずは基本的な意味と、玄人の対義語について解説します。
その道の専門家が驚くほどの腕前を持つ様子
「玄人はだし」を辞書で見てみると、以下のように書かれています。
くろうと‐はだし【玄人×跣】
《玄人もはだしで逃げだすほどである意》素人が技芸や学問などに専門家が驚くほどすぐれていること。「玄人跣の腕前」
小学館『デジタル大辞泉』より引用
「玄人」は、その道の専門家やプロフェッショナルを指す言葉です。専門家ではないにもかかわらず専門家と同等またはそれ以上の腕前を持っている人に対して「玄人はだしの腕前」のように使います。
玄人の対義語は「素人」
その道の専門家を指す「玄人」に対して、経験の浅い人や技量が未熟な人を指す言葉は「素人」です。
また、経験や技量にかかわらず、その分野を職業や専門としない人も「素人」と呼ばれます。
英語にすると「Amateur(アマチュア)」とも言い換えられるでしょう。アマチュアは、プロまたはプロフェッショナルと対になる言葉です。
「玄人はだし」の使い方とポイント

「玄人はだし」を日常会話に取り入れるなら、どのような使い方があるのでしょうか? 一般的な使い方と、使用時のポイントを解説します。
素人の高い腕前を評価する使い方
玄人はだしは、経験が浅い人やプロではない人に対して、その腕前を評価するときに使います。
素晴らしい腕前を持つ人に対して、「プロにも負けていない」「専門家よりも素晴らしい」と褒めたいときには、「玄人はだし」が使えるでしょう。
ただし、褒め言葉として使うときには過度なお世辞に聞こえないよう、客観的にその人の腕前を評価する必要があります。
本物の専門家には使用しない
「玄人はだし」は、「素人なのに玄人に負けていない」という意味が含まれるため、専門家やプロに対しては使用できません。
その道の専門家が優れていることは当然であり、「玄人はだし」と言うと、相手を素人と誤解しているように聞こえてしまいます。
専門家やプロを褒めたいときには、凄腕・達人・名手・神業など、その集団の中でも優れていることを意味する言葉を使用しましょう。
「玄人はだし」の類語や言い換え例

「玄人はだし」は褒め言葉として使えるものの、やや難しい言い回しで意味が伝わりにくいこともあります。ほかにはどのような類語・言い換え例があるのでしょうか? それぞれの言葉の意味や例文を紹介します。
素人離れ
「素人離れ」は、素人とは思えないほど腕前が優れている様子を意味します。玄人はだしの言い換えとしても使いやすいでしょう。
ただし、素人離れは「あくまでも素人であるが、それにしては器用に物事をこなしている」といったニュアンスも含まれています。
経験が長い人や、自信を持っている人には褒め言葉にならない可能性があるため、注意が必要です。初めてチャレンジした人や、専門家が素人を褒めるときに適しています。
プロ顔負け
「プロ顔負け」の「顔負け」は、相手の技量や態度に圧倒される様子を意味する言葉です。プロが相手の技量に圧倒されるということは、「プロから見ても圧倒されるほどの素晴らしい腕前」であることが分かります。
玄人はだしの言い換えとしても、問題なく使えるでしょう。技量が素晴らしいことを伝える褒め言葉になります。
「玄人」を使ったほかの言葉

「玄人」を含む言葉は、「玄人はだし」以外にもいくつかあります。普段の会話でも耳にする機会があるはずです。それぞれ、言葉の意味や例文を解説しましょう。
玄人受け
「玄人受け」は、専門家やその業界に詳しい人たちに評価される作品や商品などに対して使われる言葉です。同じような意味で「玄人好み」と言うこともあります。
専門家や詳しい人に評価されるということは、メリットも大きいものです。しかし、幅広い層に評価されることが求められるパターンもあるでしょう。幅広い層に評価される作品や商品は「一般受け」「世間受け」のように表現されます。
玄人筋
「玄人筋」は、専門家の人々を指す言葉です。特に、金融業界では取引市場でトレーダーとして長年経験を積んだ老練な人や専門業者のことを玄人筋と呼びます。
「玄人筋」を専門家という意味で使う場合、「玄人」とほぼ同じ意味合いになります。金融業界における専門用語として使う場合には、対義語として一般投資家を指す「素人筋」という言葉もあります。
まとめ
- 「玄人はだし」は玄人もはだしで逃げ出すような素晴らしい腕前であるという意味
- 素人に対して使う褒め言葉であり、専門家に対しては使わない
- 類語には「素人離れ」や「プロ顔負け」などがある
「玄人はだし」は、素人の腕前が素晴らしいことを評価するときによく使われる言葉です。「玄人」を含むほかの用語には「玄人受け」や「玄人筋」などがあり、専門家を指す用語として広く知られています。似た表現も多いため、文脈に応じて適切に使い分けることが大切です。
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Domani編集部
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