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LIFESTYLE インタビュー

2022.02.26

「分かる人が分かってくれたらそれでいい」——新作アニメ『フルーツバスケット -prelude-』の演技に込めた想いとは? 声優・細谷佳正さんスペシャルインタビューvol.2

 

忙しい日々を送る女性たちに癒しを! 毎日頑張るワーキングウーマンにご褒美を! 先日公開された新作アニメ『フルーツバスケット -prelude-』で静かで熱い演技を魅せている声優・細谷佳正さんのスペシャルインタビューvol.2。今作で〝本田勝也〟という役を演じるにあたり、細谷さん自らが思い描き、自身の中だけで繰り広げたというサイドストーリーを軸に、役への想いを語っていただきました。

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本田勝也を演じ切るために〝小さな反抗〟を… vol.1に続きキャラクターへの想いを語ります!

絶賛上映中の『フルーツバスケット -prelude-』で初めて映像化された、アニメ『フルーツバスケット』における重要エピソード。それは、シリーズのヒロインである本田 透の両親・勝也と今日子の出会いから最期までを描いた切なく愛おしいラブストーリーです。『フルバ』ファンが長きにわたって待ちわびた物語の中で、見事に勝也役を演じきった声優・細谷佳正さんへのスペシャルインタビュー。vol.1に続き、今回もその深い役づくりについて細谷さんにたっぷりと伺います!


▲前回同様、今回も撮り下ろしポートレートとともにインタビューをお送りします! 曇りのない澄んだまっすぐな視線と優しい笑顔が、撮影中も取材中もあふれていました。

「分かる人だけ分かってくれ…!」敬語とラフな言葉づかいの落差に潜む人格のズレ

スペシャルインタビューvol.1で語っていただいたとおり、細谷さんが考える本田勝也は、作品内で〝一番悪い男〟。ですが、最初のアフレコで「なんだか気だるい感じがする。もう少しインテリな感じが欲しい」と〝スーツにメガネな教育実習生〟ならではのスマートさを求められたそう。ですが、細谷さんが描くサイドストーリーの中に生きづく本田勝也は、もちろん単なるインテリではないわけで…

「僕の中にはそういう印象はまったくないんです。勝也にとっては〝フリ〟というか、面倒ごとを避けるために、自分を偽って見せる小道具のようなものだなと。『そのメガネ、私生活では絶対にかけていないでしょ』と思っていました(笑)」

確かに作中でも、勝也にとってメガネは〝フリ〟であることを匂わせる台詞も出てきます。

「そうやって公な自分の顔をつくって、周囲には本当の自分の情報を与えないようにしているというか。社会の理不尽さや黒さを全部知っていて、それを冷めた目でみているような…僕には勝也がそんなキャラクターに思えました。『インテリジェンスな方向に持っていってほしい』という制作サイドの意向はもちろん汲みながら、僕が感じた勝也の印象を少しずつ混ぜ込んでいきました。バレない程度に…『分かる人だけ分かってくれ』という気持ちで(笑)」

そう言われると気になってしまう〝分かる人は分かる〟悪い勝也の演技。それはどんな箇所に現れているのでしょうか。

「勝也って基本的にはいつも敬語で話しているんですけど、たまに敬語が外れてフランクに話す瞬間があるんです。そのときに、何となく荒んだ雰囲気…攻撃的な人間の雰囲気を出すようにしました。『分かる人にだけ分かればいいや』と思っているので、種明かしみたいであんまり言いたくないんですけど(笑)、勝也に違和感をおぼえてもらいたいな、と」

勝也のセリフを聴いた人が「あれ? この人さっきと何か違う…?」と引っ掛かるような演技を意識していたという細谷さん。

「たとえば、普段すごく穏やかな人が不意に机に手とかをぶつけたときに『いってぇなぁ…』って思わず舌打ちしたりするのを見るとちょっと引きませんか?あれ…この人…みたいな(笑)。そういう雰囲気」


▲全身はこんな感じ! オーバーサイズのフリースブルゾン、そしてナチュラルカラーのスニーカーでリラックス感のあるスポーティコーディネートに。

「〝透〟という名前は、勝也が注ぐ愛情そのもの」細谷さんが考える名付けの由来

そしてもうひとつ、細谷さんが考える〝考察〟のようなサイドストーリーも教えてくださいました。

「勝也は、娘に〝透〟と名前をつけましたよね。まるで男の子みたいな名前を」

作中においては〝隠し味〟と表現されていた命名の理由ですが、細谷さんの見方はまた少し違っていました。

「可愛くてか弱い女の子が、男の子のような名前とともに生きていく。それは、一筋縄ではいかない人間になって欲しいという願い…隠し持ったナイフみたいな〝武器〟を授けてあげたかったんじゃないかなって」

そのナイフは、誰かを傷つけるためのものではなく、理不尽な世の中を強く生きていくための武器。そして歪みとともに生きてきた勝也ゆえの愛情のかたち。

「その武器は、自分の弱さを自覚しながら生きてきた勝也自身が持っていたかったもので。〝透〟という名前は、勝也にとっての愛情や子供に対する願いなのだと思います」

そんなサイドストーリーを軸にしながら、〝本田勝也〟という存在を自らの目線で深く掘り下げ、役への想いを貫く姿勢が印象的だった細谷さん。「ぜんぶ録り終わっているから、ここまできたらもう時効ですよね?」とちょっぴり苦笑い。でもそれは決していたずらではなく〝声優・細谷佳正〟ならではのこだわりなんですよね。
…というところで、スペシャルインタビューvol.2は終了。次回は、勝也の演技にも通じる細谷さんの声優論をお届けします。


▲こんなゆるっとしたポージングにも挑戦してもらいました! いつもと少し違う、WEB Domaniだけの〝カラフルな細谷さん〟今回もお楽しみいただけましたか?

『フルーツバスケット -prelude-』上映中!
劇場限定版Blu-ray同時発売!

【あらすじ】
この世の何も信じることが出来ず
荒れ果てた生活を送っていた今日子は、
教育実習生として赴任してきた本田勝也と出会う。
慇懃無礼でクセの強い勝也に翻弄され、
次第に惹かれていく。
ところが、不良仲間との間で起きた事件をきっかけに
親から勘当を言い渡されてしまう。
今まで散々好き勝手やってきた罰だ。
そう思う今日子の前に、勝也が現れて……。
【キャスト】
本田今日子:沢城みゆき 本田勝也:細谷佳正 本田 透:石見舞菜香 草摩由希:島﨑信長 草摩 夾:内田雄馬 ほか
【スタッフ】
原作・総監修:高屋奈月「フルーツバスケット」(白泉社・花とゆめ COMICS) 監督:井端義秀 脚本:岸本 卓 キャラクターデザイン:進藤 優 衣装デザイン:minatsu 美術監督:神山瑶子 色彩設計:菅原美佳 撮影監督:蔡 伯崙 編集:肥田 文 音響監督:明田川 仁 音楽:横山 克 音楽制作:トムス・ミュージック アニメーション制作:トムス・エンタテインメント 製作:フルーツバスケット製作委員会
©︎高屋奈月・白泉社/フルーツバスケット製作委員会

声優

細谷佳正

ほそや・よしまさ/2月10日生まれ。広島県出身。2014年、2016年の2度に渡り、声優アワード 助演男優賞を受賞。主な出演作に、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』シャン・チー 役、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』オルガ・イツカ役、『メガロボクス』シリーズ、『進撃の巨人』ライナー・ブラウン役など。40歳の節目を迎える今年の誕生日に出版した、自身の半生を綴ったフォトエッセイ『アップデート』(宝島社)も好評発売中!

撮影/谷口 巧(Pygmy Company) ヘアメイク/河口ナオ 構成/旧井菜月、福本絵里香

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