珠城りょうさんの新たなる幕開けになり、おそらく今までとは違うものが要求されることもあるかもしれません。珠城さんもそう感じているようで、お稽古が始まっていないうちから様々な準備をしているようです。
「今までとは違うキーだったり、声の出し方も変わってくるかもと思い、1月から本格的にボイストレーニングに通っています。あとはトレーニングと体質改善。現役の頃より運動量が激減したため、今の生活リズムの中に効果的に組み込みながら体型維持に努めています。男役の時は日々踊りリフトをしたりして筋肉を使いましたが、退団した今、力強い筋肉よりもしなやかさが必要になってくるかなと思って。そこに重点を置いて体作りをしています。食事も、野菜とタンパク質を意識的に摂って。在団中より自炊をするようになりました。得意料理は在団中から変わらずチンジャオロースなんですけど(笑)」
新生・珠城りょうさんはファーストコンサートを経て、その先はどんなことにチャレンジしていきたいのか考えていることはあるのでしょうか。
「自分以外の人生を生きられること、表現することの面白みやお芝居の楽しさをこれからも味わっていきたいです。年齢はこだわらず、いろいろな役を幅広く演じてみたいですね。“男役”はタカラヅカだけのもの。タカラヅカを退団した今、例えば男性の役を演じることはあったとしても、“男役”を演じることはできないかな」
“これ”と方向を定めず、いろいろな仕事に挑戦していく中で自分のカラーを定めていけたらと言う珠城さん。在団中に出演されていた「ダイキン」のCMで映像の面白さを感じることもあったそう。
「ドラマや映画は、舞台とはまったく違うアプローチだと思うんです。もしそんなお話があれば、臆せずにやってみたいですね」
今年8〜9月にはタカラヅカOGの出演による『8人の女たち』の舞台も決まっています。
「俳優として初のステージ仕事、そして錚々たる出演者のみなさまとご一緒できることにこちらも今からワクワクしています!」
目をキラキラさせながら、思うことを明確に話してくださる珠城さん。「もし男性の役をやることになっても、タカラヅカの男役をやるわけではないので」という言葉に、男役・珠城りょうをやり遂げ、その一歩先の俳優・珠城りょうとして未来を見つめていることがうかがえました。まさに“予測できない感じ”。ファーストコンサートが楽しみです!
次回は、珠城さんの魅力に迫る20問20答をお届けします。
撮影/黒石あみ 構成・文/淡路裕子
珠城りょう 1stコンサート『CUORE(クオーレ)』
【Staff&Cast】
■構成・演出・振付:川崎悦子
■出演:珠城りょう/上口耕平
風馬 翔 中西彩加 田極 翼 廣瀬真平 田口恵那 植竹奈津美
(スペシャルゲスト)彩凪 翔《大阪公演のみ》・愛月ひかる《東京公演のみ》
【公演日程】
《大阪公演》4月30日(土)〜5月3日(火・祝) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
《東京公演》5月13日(金)〜5月15日(日) 東京国際フォーラム ホールC
【一般発売】
3月26日(土)10:00〜
【お問い合わせ】
梅田芸術劇場(10:00〜18:00)
《大阪》06-6377-3888 《東京》0570-077-039
▶︎公式サイト
俳優
珠城りょう
たまき・りょう/1988年10月4日生まれ、愛知県出身。2008年宝塚歌劇団に94期生として入団。月組公演『ME AND MY GIRL』で初舞台。その後、月組に配属。2010年霧矢大夢・蒼乃夕妃トップコンビ大劇場お披露目となる『THE SCARLET PIMPERNEL』で、新人公演初主演。入団3年目での抜擢となった。その後も5度に渡って新人公演主演を務める。2013年『月雲の皇子』でバウホール公演初主演。好評を博し、同年12月にも再演される。2016年9月5日付で月組トップスターに就任。入団9年目でのトップ就任は、男役としては天海祐希氏の7年目に次ぐ速さとなり、近年では極めて異例のスピード出世となった。2021年8月『桜嵐記/Dream Chaser』東京公演千秋楽をもって、宝塚歌劇団を退団。