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LIFESTYLE インタビュー

2022.03.11

宮野真守さん×鈴村健一さんスペシャル対談【銀河英雄伝説 Die Neue These 激突】第一章上映中!

 

お互いのキャラクターについて魅力的だと感じるというポイントがあったら教えてください。

宮野「単純に、精神性が全然違う二人ですよね…。なんだかんだ、ラインハルトはまだ若気があるというか。大切な人を守るには星を支配しなくちゃいけない、そういう想いから始まって、宇宙を手に入れるというところに向かって行くんですけど、それってそもそも『一番大きな私情』じゃないですか(笑)」

鈴村「そうだね。その一つだけで世界を変えようとするってすごいよね(笑)」

宮野「そうなんですよ(笑)。それで世界を悪くしようとも、自分が独裁で支配していいようにやろうということではないんだけどね。自分が虐げられたような世の中ではない世の中を作るということは、ある意味で立派な志だし、その中で自分の国においては、ちゃんと制度も整えていって、今までの体制とは違うものをしっかり作っていくんですけど…。ただ、その行動原理の根本は私情なので、そこが面白いなと思います。一方、ヤンは自分の考えを持ちながらも、達観している部分があって、どんなことでも広く捉えると長い歴史の一部という見方が出来ている。ヤンの目的や願望が、一番得体が知れなくて、そこに僕は興味が湧きますね」


▲穏やかな雰囲気や表情から柔らかい人物と思われがちなヤンは、時には辛辣な言葉も吐く毒舌家。そこがまた魅力!

鈴村「1988年にアニメ化された“銀英伝”を観ていたとき、僕は最初はやっぱりヤンの方が好きで、ずっとヤンを応援し続けるんですけど、後半になるにつれて、だんだんラインハルトに興味が湧いてくるんですよ。それはさっきマモが言ったように、彼がすごく人間臭くなって来る部分というのがあると想います。ヤンは、歴史を学んでいるからこそ、『歴史上こういうことがあるから、戦争を無くすことは無理だと思う。ただここ数十年の戦争を止めるくらいなら現実的にはできる、だから僕はそれだけやるよ』っていう精神性なんです。とんでもないリアリストなんですよね」

宮野「ね。本当にそう思う」

鈴村「それに対して、ラインハルトはロマンチストで」

宮野「確かに!」

鈴村「根本的には、ヤンと同じことを思っているんですよね。大切な人が辛い状況にあるのは、ゴールデンバウム王朝という歴史があって、貴族たちがああいう憎き制度を持っているからだ、そういうことを変えようと思ったらまずは社会を変えないといけない。でも変えるといったって、今は自由惑星同盟と戦ってるし、じゃあそれをまずは止めないといけない。その上で宇宙を統一して、価値観を変えて、もっと平和にしたら完璧かな?みたいなことをさらっと思っているわけですよ、ラインハルトは(笑)」

宮野「(笑)」

鈴村「そう思っている人は世の中にいっぱいいると思うんですよ。今の日本にだって絶対いると思う。戦争は止めるべきだとか、あそことあそこと仲良くなるべき。なんだったらみんな同じ価値観で…って考えることは出来るんですけど、“…いや、それって無理じゃね?”って思うのが普通だと思うんです。でも、ラインハルトは本気で実行しようと考えている。それがだんだんカッコよく見えてくるんですよね。中盤以降、“あ、この人本気だ”と思わされて、それが着々と動いていって、その真意はあまり誰にも見せないまま、“この人すごいことをやろうとしているんじゃないか”と仲間が集まってくる感じ? あの感じってめちゃくちゃカッコイイんですよ」

宮野「そうかもね、分かる!

鈴村「だから結構ヒロイックで超人的なラインハルトは、これからもっとカッコ良くなるし…。そしてね、さっきちょっと言っちゃったんですけど、彼は同時にめっちゃ可愛くなるんですよ」

宮野「(笑)」

鈴村「可愛いんですよ、ラインハルトの知られざる一面が見える瞬間が。ヤンの方が感情豊かに見えるんですけど、実はそうではなかったという…。それが見えてくるのが、さすがだなと思います。あの冷徹っぽい人が、『あら、こんな感じなの?』っていうのが、4年かけてやっと見えてくるってすごくないですか(笑)? そこは魅力だなと思うし、キャラクターが生きてるんだなって思います。固定化したキャラクターではなく、進化していくキャラクターなのが、ラインハルトなんだと思います」


▲「可愛くなってくる」という鈴村さんの言葉の真意とは…? サードシーズン、見逃せません!

 

では、『宮野さんが演じる』ラインハルト、『鈴村さんが演じる』ヤンの魅力を教えてください

鈴村「う~ん、難しいな。…ラインハルトって、すごい難しい役だなと思うんですよね。単純に言葉遣いとして『~なのだ』とか出てくるんですけど、ちょっと浮世離れしているというか。そもそも、帝国の世界観自体がみんな浮世離れしている言葉遣いなんですよね」

宮野「なんか、全然時代が違うかと思うよね(笑)。街並みも」

鈴村「そうなんだよ。と思うと、銀河帝国側って結構大変だなと思うんですよ。その中でも、ラインハルトはより堅いというか、浮世離れし過ぎちゃう感じがするんです。だからあまりにも幻想的なものになってしまうと、バランスがおかしくなっちゃうのも『銀英伝』の難しいところなんじゃないかと思ってて、まさに時代が違うんじゃないかって思わせたらいけないと思うんです」

宮野「そうだね、そうだと思う」

鈴村「だからあのセリフ回しを、キャラクターとして成立させながら、ちゃんと芯を食って話すってなかなか大変で。なんか、上から目線なコメントになっちゃったら申し訳ないけど、マモはほんとよくやってるなって(笑)」

宮野「(笑)」

鈴村「上手にやるなぁと思って。僕はやれと言われても、ちょっと難しい役だなぁと思います。実際はどうなの?」

宮野「まぁ、自分が普段使っている言葉ではないと思うと難しいというか…。その世界の背景をちゃんと自分のものにしないといけないというハードルというものがあるけど、僕は人を演じる時にはあまり難しく考えないようにしていて。表からうかがえる印象っていうのは色んなものがあってもいいと思うんですけど、生きている人間の根本、心情みたいなものは、すごく素直でいいと思っているんです。まずはそこを考えるから、外側の印象は後から皆さんにつけてもらえばいいので、難しいと考えたことはないですね。」

鈴村「なるほどね。基本がその自然なお芝居というのが大事なんだろうね。ああいう役って、ちょっと作った方がいいかなと思っちゃいがちなんだよ」

宮野「うんうん」

鈴村「テクスチャーがあるキャラクターだからね。外側から何かを遮断している…つまりクールなキャラクターほどクールにやりすぎちゃいがちなんだけど、そうじゃないということが本当にすごいバランス感覚だなと僕は思っています」

宮野「ヤンはリアリストだというところで、物語の中で実は難しい立場だと思うんです。下手すれば残酷な人にも見えてしまうし…。でも、そうじゃなく見えるのは鈴村さんが持つあったかさがあるからなんですよね。ヤンってそういう人じゃないって思えるんです。リアリストで達観的に見えながらも、鈴村さんが心の中でぐちゃぐちゃに感情を揺れ動かしながら、達観したヤンを演じているから、すごくあったかく感じるんですよ、ヤン・ウェンリーという人が」

鈴村「音響監督の三間(雅文)さんが、キャスティングした時に何を大事にしたかみたいな話がインタビューに載っていたのを拝見したことがあるんですけど…。声が合っていることよりも、この人の精神性ならこの役に合うなということを大事にしたとおっしゃっていたんです。それを信じると、ヤンは自分らしくやれる役を与えて貰えたと思っています。『ヤンに似てるね~!』なんていうことを言われると、本当にむず痒いんですけど、ヤンに対して憧れてはいるんですよ(笑)。こういう風に生きてみたいとか、こうやって物事をとらえるのはすごく共感出来るなとか、そういうことがいっぱいあるキャラクターなんです。だから、演じるのは難しいんですけど、割と自分の中から出て来た感覚がリンクしやすくて、自然と言葉が出てくるキャラクターだと自分でも思っているつもりなので、そういうのが役を通してにじみ出ていてくれたら嬉しいなと思います」

鈴村「それに、マモがさっき言ったように、ヤンはやっぱり戦争をしている人なので、別の角度から見ればやっぱり悪い人にも見えるはずなんですよね。でも、そう見えないようになっているということが、僕もすごく大事だと思っているんですよ」

宮野「うんうん」

鈴村「全ての人の数だけ正義があるというのが大事。だから“優しい人です”と思って演じていると、嘘になっちゃうよね」

宮野「そうそう。それがないよね、鈴村さん」

鈴村「そう。そこを大事にしてる」

宮野「そうだね、…うん、鈴村さん、ヤン・ウェンリーに似てますよ!(笑)」

鈴村「似てたいよね!(笑)本当に憧れるよ。ああいう風に生きてみたいなと思いますよ。」

宮野「本当だね!(笑)」

逆に言うと、宮野さんはラインハルトに似ているんですか?

宮野「どうだろう?」

鈴村「でも、似てるところあると思うな。さっき言ったように、ロマンティストな部分がマモにはあるもんね。“楽しいからとにかくこれがやりたい!”という情熱的なところが(笑)。ロマンティストというと言葉の意味が広すぎるんだけど」

宮野「確かに僕は一番になりたい人です(笑)」

鈴村「ほんとそう。しかもそれを疑ってない感じが似てる」

宮野「(笑)」

鈴村「すごいんだよ」

宮野「確かにそこは似てるかもしれない(笑)」

鈴村「しかも、それに嫌味がないの、全然。こっちから見ていると『マモなら大丈夫』っていうか。だからラインハルトを見ているとそんな感じのところが似ているんですよね。大風呂敷が大風呂敷に見えない感じ」

宮野「確かに(笑)」

先ほど、ラインハルトはだんだん可愛く見えてくるとおっしゃっていましたが…

鈴村「マモはね、昔から可愛いよ!」

宮野「あはははは! 会った時から楽しかったですね~」

鈴村「楽しかった(笑)。本当に、感情のままに話してくれるからね。嬉しい時はすごく嬉しそうに喋るし、今日はしんどいって時はしんどそうだし(笑)」

宮野「(爆笑)」

鈴村「ラインハルトはヒルダに見せる顔が可愛いけど、マモはそういうところを僕に見せてくれるから可愛いなって思いながら接してますよ(笑)」

宮野「ほんとだね(笑)」

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