逆境であると同時に“声優ムーブメント”になくてはならない二年間。声優&プロデューサー 鈴村健一さん特別インタビューVol.03 | Domani

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2021.09.17

逆境であると同時に“声優ムーブメント”になくてはならない二年間。声優&プロデューサー 鈴村健一さん特別インタビューVol.03

忙しい毎日を送る女性たちに、癒しを!頑張るワーキングウーマンたちにご褒美を!大人の女性誌による、大人の女性のための、大人の男性声優に特化したインタビュー連載『女は耳から恋をする』#耳恋。今回のゲストは、声優だけではなく、音楽活動ほか即興劇「AD-LIVE」の総合プロデュースなどマルチに活躍する鈴村健一さん。声優業界に抱く今の想い、そして自らを含む、声優という仕事の未来について、インタビュー。

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発売中のOggi10月号にて初登場! 声優・鈴村健一さんの未掲載インタビューを公開!

仕事に家事に育児に、毎日頑張っている女性のみなさんに、日々の疲れを忘れるようなご褒美を…! そんな想いでスタートした、WEB Domaniによる大人の男性声優へのインタビュー連載『女は耳から恋をする』。今回の耳恋は、女性誌『Oggi』とのコラボ企画。撮りおろしたポートレートやインタビューの内容を、こちらのWEB Domaniとは別に、現在発売中のOggi10月号本誌でも紹介しています。

今年の『AD-LIVE』の見どころを解説したVol.01、自らの手で超人気コンテンツに育て上げた『AD-LIVE』への想いを語ったVol02に続き、Vol.03となる今回は、声優という業界の今と未来について、お話いただきました。

▲今回もOggi誌面に掲載しきれなかったアザーカットをご紹介! アドリブ力を試すということで、くじで引いた小道具を使ってアドリブでポージングするという挑戦をしてくれた鈴村さん。撮影の様子は、奥田直子さんが描くイラストルポとして公開中です!

声優業と平行し、即興劇「AD-LIVE」の総合プロデューサーや声優事務所社長など、様々な立場で活躍している鈴村さん。まずはプロデューサー業と声優業、同じ「エンタメ」に関わる内容でも、異なる性質をもつふたつの仕事への、スタンスの違いを伺いました。

「声優という仕事は、『最後』にやるものだと僕は思っています。まずはプロデューサーがいて、お金を集め、人を集め、アニメ作品だとしたら絵を作る人がいて、SEやBGMを作る人がいて、そして、声を入れようという段階になって、初めて声優がキャスティングされる。順番的には最後ですよね。作品を作っている側の要望に、いかに応えられるかが声優の仕事。そう考えると自分を表現するというよりは、誰かの意向を汲みとる力が必要なのが声優だと思っています。
なにせ、“創造主”が別にいるわけですから、『僕の役はこうである』と声優がいうのはおこがましいとすら思っているところもあって…。もちろん、そこには個性が必要ですから、僕をキャスティングしてくれた以上は、ロボットのように言われたことだけやるわけではないです。ただ、僕らは場所を与えられるから、演じることができるわけです。でもこればっかりをやっていると、ちょっと自分の立ち位置に対して勘違いしてしまう可能性があるなと思っています。
というのも、「ものづくり」の核であるはじまりの場所に、声優はいない。なのに、一番脚光を浴びやすいんです。取材などインタビューをしてもらっているし、舞台挨拶に出たりもする。そういうことをやっているうちに、とても華やかな気持ちになって、ここに立っているのは全て自分の力によるものだっていう気持ちになってしまう可能性もあると思うんです」

「さすがにそこまで勘違いした声優はいないと思いますけど」とやわらかく笑いながら、鈴村さんは続けます。

その反面で、さっき僕が言ったことって、コンテンツのコアを作る人間の目線でみたら、とても冷たいセリフなんです。“役者はコンテンツのはじまりにいない”って、僕たちは物作りには関係ないよって言っているようにも取れますよね。だから、本当の理想は、『僕たちもちゃんと一緒に作っていますよ』って言えることだと思ったんです。そのために僕に必要だったのが、プロデュースすることとか、何かを書いたりとか、自分でゼロから作り上げる経験。この生みの苦しみを知っていると知らないとでは、役者をやる上でも作品への向き合い方が全然違う。だからプロデュースの仕事を始めました」

「役者は物づくりのはじまりにいない」。今ある人気に驕るのではなく、物事を俯瞰で眺めることができるからこその考え方。そして、そこで思考を停止させるのではなく、さらに一歩、その先へ。鈴村さんの行動力と発想力、仕事に真摯に向き合う姿勢を感じるひとことでした。

「ただ、あくまでも僕のメインは役者。役者の仕事にフィードバックするために、ものづくりをやっているつもりです。プロデュースの仕事を始めてからは、役者として現場に行った時も、見える景色が変わりましたね。たったひとつのセリフでも、“変えていいですか”なんて僕はもう簡単には言えない。そのセリフを生むために、どれだけの人が苦労しているのかということを考えてしまいますから。役者のスタンスはそうであるべきだと再確認出来たし、自分の中に『演じ手』と『作り手』という相互関係を作れたのは、幸運なことだと思っています」

ずっと力を蓄え続けた『声優界』がやっと認知された! この2年間は革命の時

以前、WEB Domaniで鈴村さんに取材を受けていただいたのは、2019年のこと。(インタビューの様子はこちら!)大きく世の中の状況が変わった今、改めて“声優界“に抱く思いを聞きました。

「コロナ禍でいろんな業界の売り上げが下がったりと世の中のダメージが大きかった中で、『何を言ってるんだ』と言われてしまうかもしれないんですが、この2年間は声優業界にとっても革命の年で、とても良い期間だったと思います。というのも、こんな逆境だったからこそ、アニメ『鬼滅の刃』が大ブレイクして色んな人に見てもらえるチャンスが出来た。そしてひとつのアニメ作品がちゃんとムーブメントとして世の中を牽引出来る、それができるだけのパワーが声優を含めたこの業界に蓄えられていたということが実証されました」

▲デッキブラシを渡されると、迷いなくギターに見立てて弾き始めた鈴村さん。予想していなかった動きにカメラマンが爆笑した瞬間でした。

「振り返ると、アニメ、声優ブームは、これまで何度も起きています。僕が子供の頃だと『宇宙戦艦ヤマト』の大ヒット。そのときも声優ブームが起きました。その後だって、『鎧伝サムライトルーパー』のキャストたちのライブで失神者が出て、ニュースで話題になったりとか、『美少女戦士セーラームーン』や『新世紀エヴァンゲリオン』のヒットだって記憶に新しい。その度に何度も声優ブームが来たけれど、それはとてもニッチなコンテンツとして、奇異な目で見られていた面もありました。実際、僕もオタクだったので、“普通の人”にはわからないかもしれないなあ、このムーブメントは、なんて思っていたんです。アニメという文化自体は右肩上がりにメジャー化していったんですけど、声優はやはりニッチなコンテンツとして社会になかなか浸透してこなかった」

「でもね、そんな中、声優はずっとずっとすごいことをやり続けてきたんですよ」と、誇らしげに言葉を続ける鈴村さん。

「役者として舞台に立てる人、ラジオパーソナリティが出来る人、歌で東京ドームをいっぱいにできる人だっている。そしてそのレベルがどれも高い。なかなかそういう機会を与えられない時代が続いただけで、ほかの土壌でも最前線に立てる人材がたくさんいたんですよね。だから、『鬼滅の刃』を1つのきっかけに起こったムーブメントによって、声優がテレビに出る機会が増えたとき、『この人、面白い』とか、『この人スゴイ!』とみんなに周知された。僕は業界の中にいたから『すごい人がたくさんいるんだよ』ってずっと思っていたんですが、この2年でやっとみんなに分かってもらえた!ということがうれしい。
今までやってきたことがやっと花開いた2年間。パワーたっぷりに活躍してきた先輩たちがいて、僕よりももっと才能がある後輩たちがいて、これからこの業界はどんどん活気づいていくと思います! 声優ってすごい人がたくさんいるのだと、色んな人に伝わって、声優になろう!と意気込む若い才能が、きっともっと集まって来るはずです」

▲逆境をチャンスに。どんなハプニングをもプラスの力に変えて新しい物を作り出す、『AD-LIVE』の真髄とも通ずる考え方に、感動した編集部でした。(写真は小道具のリンゴにかじりつく爽やかな鈴村さんです!)

インタビューの最後に、働く女性に向けてエールをというお願いには、
「僕は “女性だからどうこう”、と考えることがあまりないんですよ。声優界でも、性別は関係なく、女性だからこうとか、男性だからこうっていうよりも、男性にしか出来ない面白いことも、女性にしか出来ない面白いこともある、というのが素直な気持ちです。それはもうただの個性にすぎないな、と。もちろん女性には、僕には計り知れない能力があったりするので、それが生かされる社会になって欲しいと思いますし、だから女性の皆さんは、胸を張って生きて欲しいともおもいますね。そしてそれが当たり前の社会になればいいなと思います」

“女性”へのエールをお願いした編集部に、柔らかく返ってきたのは、男性も女性も、同じ土俵上では変わりないという言葉。「『泣き上戸か笑い上戸か』と同じくらいに、『男か女か』も個性のひとつとして捉えられる時が来るといいですね」、そんな鈴村さんの優しいまなざしで、インタビューは幕を閉じました!

鈴村さんの熱い想いが詰まった、即興劇『AD-LIVE 2021』は、映画館でのライブ・ビューイングに並んで、各プラットフォームでライブ配信されます! 見逃し配信もあるので、お目当ての公演が今からでもチェックできちゃう。あなたも奇跡の舞台の目撃者になりましょう。

★鈴村健一さんスペシャルインタビューVol.04は9月24日にアップ予定! こちらも引き続きチェックしてくださいね!

奇跡の即興劇「AD-LIVE」をライブ・ビューイング&ライブ配信でも楽しもう!

事前に決められている大まかな世界観と舞台上で起こるいくつかの出来事をのぞき、出演者のキャラクター(役)も、セリフも、すべてアドリブによって紡がれる——声優・鈴村健一が総合プロデューサーをつとめる唯一無二の舞台劇「AD-LIVE」。今年のテーマは「if~建前と本音~」。日本のホテル王だった叶夢之助が創設した謎多き会社・夢之助本舗を舞台に、1幕では〝建前〟、2幕では〝本音〟を演じる本シリーズ初となる2幕構成での上演も注目ポイント。豪華人気声優・総勢13名が出演する2021年の「AD-LIVE」は、全公演をライブ・ビューイング&ライブ配信! 映画館の大スクリーンやあなた好みの環境で「AD-LIVE」の世界を堪能して。

■ 「AD-LIVE 2021」
2021年9月4日(土)・5日(日)
東京都 J:COMホール八王子
<出演>
9月4日:木村 昴、杉田智和 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)
9月5日:諏訪部順一、吉野裕行 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)

2021年9月25日(土)・26日(日)
埼玉県 三郷市文化会館
<出演>
9月25日:畠中 祐、八代 拓 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)
9月26日:榎木淳弥、森久保祥太郎 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)

2021年10月9日(土)・10日(日)
大阪府 メルパルク大阪
<出演>
10月9日:下野紘、前野智昭 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)
10月10日:蒼井翔太、安元洋貴 / ユメノスケ(CV:鈴村健一)

『AD-LIVE』公式HPはこちら
『AD-LIVE 2021』 ライブ・ビューイング&ライブ配信の詳細はこちら

©️AD-LIVE Project

ジャケット¥88,000・パンツ¥46,200・チーフ¥7,150(ウノ ピゥ ウノ ウグァーレ トレ〈1PIU1UGUALE3〉) ニット¥30,800(Sian PR〈CULLNI〉) カットソー¥12,100(ガラアーベント〈GalaabenD〉) その他/スタイリスト私物

声優

鈴村健一

すずむら・けんいち/9月12日生まれ。テレビアニメ『マクロス7』モーリー役で声優デビュー。『銀魂』沖田総悟役、『おそ松さん』イヤミ役、『銀河英雄伝説 Die Neue These』ヤン・ウェンリー役、『バクテン‼︎』陸奥洋二郎役、『MARS RED』スワ役など数多くの人気作に出演。

撮影/三宮幹史(TRIVAL) スタイリスト/村田友哉(SMB International.) ヘア&メイク/坂本沙織(アートメイク・トキ) 撮影協力/EASE、PROPS NOW 構成/旧井菜月、福本絵里香 

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