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2022.05.16

「お世辞」を言わずに相手を気持ちよくさせる方法|元FBI捜査官が教える「自分を褒めさせる技術」

外見や服装を褒めるのは少々リスクをともなうので避けたいという場合でも、人を褒める方法はほかにもたくさんあるし、そのチャンスも多い。

たとえば、誕生日、結婚記念日、子どもの誕生、結婚、地域や職場でのなんらかの受賞、転職、昇進、組織への加入、仕事や趣味での成功、新車や家など高額の買い物……。

よく知らない人に名前を憶えてもらっていることがわかっただけでも、褒められた気分になる。デール・カーネギーは「世の中でもっとも甘い響きをもつ言葉は自分の名前である」と述べた。

「自分を気にかけている」が好感の下地になる

褒める 好感度

(C)Shutterstock.com

このように、相手を褒めようと思えば、そのチャンスはいくらでもある。要するに、想像力を駆使すれば、いくらでも誉め言葉を考えつけるのだ。
ある人物の何かについて褒めるのは、二つの理由で効果がある。

(1)相手を「いい気分」にさせたうえで、(2)わざわざ時間をかけて相手の生き方や考え方を推測したり、外見を観察したりして、いいところに気づき、それをわざわざ伝えるほど、あなたが相手のことを思いやっていることを示せるからだ。

「この人は、自分のことを気づかってくれている」と思えば、相手はあなたに好感をもちやすくなる。アメリカ大統領を務めたセオドア・ルーズベルトは、この事実の本質をしっかりと把握していて、「あなたがこちらのことをどれほど気にかけているかがわかったとき、初めて、あなたがどの程度知っているのかを気にかけるようになる」と述べている。

人を褒めるときは、率直に褒めよう。そして、けっして、やりすぎないように。また、相手にその褒め言葉を信じてもらえなければ意味はない。たとえばさきほどの例のように、仕事でよく頑張ったねと褒めたとしても、相手が手を抜いていたことを自覚していた場合、不快に思われかねない。

「褒め言葉」についてまとめよう。あなたが褒めた結果、相手が自身のことを好きになれたのであれば、相手はあなたのことも好きになる。その結果、引き出し法を最大限に有効活用するための下地ができるのだ。

(翻訳:栗木さつき)

元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法 ジャック・シェーファー『元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法 』

心理学者、ウェスタンイリノイ大学教授、諜報コンサルタント

ジャック・シェーファー

心理学者、ウェスタンイリノイ大学教授、諜報コンサルタント。FBIではスパイ防止活動とテロ対策の捜査官を15年、「行動分析プログラム」の行動分析官を7年務めた。現在はアメリカ本国はもとより、世界各地で講演会を行っている。

サウスフロリダ大学ムーマ・カレッジ・オブ・ビジネス経営学教授

マーヴィン・カーリンズ

プリンストン大学で社会心理学の博士号を取得。世界各地でコンサルティング業を展開。

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東洋経済オンライン

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