『ONE PIECE FILM RED』に出演! 津田健次郎さんにインタビュー
仕事、家事、育児…毎日頑張っている女性の皆さんに、日々の疲れが吹き飛ぶようなご褒美を。そんな想いから企画がスタートした、大人の男性声優の皆さんへのインタビュー連載『女は耳から恋をする』、略して〝耳恋〟。今回は、姉妹メディア・Oggiとコラボレーション! 現在発売中のOggi9月号と連動してインタビューや撮りおろしポートレートをお届けしています。それぞれで異なるインタビュー内容・写真を掲載していますので、まだOggi本誌を読んでいない方は、そちらもぜひチェックしてくださいね。
▲WEB Domaniでしか見られないポートレート写真と共にインタビューをお届けします。
写真一覧を見るニュアンシーな渋さを携えて低く響く〝イケボ〟、そしてそんな唯一無二の低音ボイスをそのまま具現化したような〝イケオジ〟っぷりで誰をも虜にしてしまう…そう、今回のゲストは声優の津田健次郎さん。数々の人気アニメ作品で幅広いキャラクターを演じてきた津田さんですが、最近はテレビドラマなど映像作品における活躍でも注目を集めています。そして今夏は、現在公開中の『ONE PIECE FILM RED』で、物語のキーパーソンとなる〝謎の男〟ゴードン役を熱演。同作について、演じる役について…津田さんの想いに迫ります!
「観る人を選ばない、エモーショナルな物語」——津田さんが考える『ONE PIECE』とは?
原作漫画の連載スタートから25年…『ONE PIECE』は、今や世界中を熱狂させる冒険劇。映画についてのお話を伺う前に聞いてみたい——津田さんが考える『ONE PIECE』とは? そんなやや壮大ともいえる質問を投げかけると、
「僕が『ONE PIECE』を語るなんて、大変おこがましいんですけど…」と、まず謙虚な一言。
▲実力も人気もトップクラスの声優でありながら、不思議なくらい壁を感じさせない——とにかく謙虚で、常に柔らかな優しさをまとっている津田さん。
作品へのリスペクトを感じさせる前置きを挟んでから、言葉を続けます。
「人と人との熱い絆の物語ですよね。ストレートに感情に訴えかけてくるから、観る人を選ばない。今回の映画もそうですが、子供が観て楽しく、大人が観て泣ける…本当にエモーショナルな物語だと思います。そして、日々の中でつい忘れてしまいがちな〝本当に大事にしなければいけないもの〟を色濃く持っている。ボロボロになって、それでも前を向いて戦い続ける…そんな主人公・ルフィの姿がストーリー内でよく描かれていると思うのですが、その多くはルフィ自身のためではなく、誰かのための戦いなんですよね。自分のために戦っているわけじゃない、でもそれこそが自分のパワーになる。そんな愛のある冒険を観ていると、やっぱり勇気をもらえます」
そして今回の映画ももれなく同じ魅力にあふれていると語る津田さん。特に印象に残ったシーンやキャラクターについて尋ねると…。
「ルフィとシャンクスが、カッコいいんですよねぇ…。本当にカッコいいんですよ…!」と口調こそそれまで同様に穏やかではあるものの、声色からは抑え切れないワクワク感が。
「カッコいいキャラクターが、確実にカッコいい。それって最高ですよね。カッコいいキャラクターが物語をカッコよくさらっていく展開がすごく好きなんです(笑)」
「カッコいい」を無意識に連呼しながら答える姿は、見た目こそ〝ジェントルマン〟ですが、どこか『ONE PIECE』のバトルシーンに目をキラキラと輝かせる少年のような雰囲気が漂います。
▲こんなにも色っぽい大人の佇まいなのに、時折お茶目な顔が見え隠れ…そのギャップに魅了されている方も多いはず!
「そういうところにカタルシスが凝縮されていて、これまでずっと『ONE PIECE』を応援してこられた方も、今回初めて『ONE PIECE』を観る方も、絶対に『カッコいい!』と思える映画です。キャラクターやバトルシーンの良さはもちろんですが、現代的なテーマを感じさせるストーリーになっていたり、これまでにない音楽的な要素が楽しめたり、と非常に〝エンタメしてる〟作品でもあります。特に物語の後半、クライマックスにかけて印象深いシーンがたくさん出てきますので、とことん楽しんでいただきたいですね」
「嘘のない感情で演じなくてはいけない」——謎の男・ゴードンはやりがいのある役
作品のお話を伺っていく中でやはり気になるのは、津田さんが演じる〝謎の男〟ゴードンについて。アレコレと質問してお答えいただき、そのキャラクターを掘り下げたいところですが、「この役は、お答えするとネタバレになってしまう内容が多くて、言えないことばかりなんです…」と〝謎の男〟ゆえの難しい立ち位置に津田さんも苦笑い。
「先ほどお話しした作品のクライマックスでは、ゴードンにも多くの〝魂のセリフ〟があるんです。台本をいただいて、魂のこもった強い言葉たちを目にしたとき『嘘のない感情で演じなくてはいけない』と思わずにいられませんでした。魂のあるセリフには自分の魂をぶつけるしかない、小細工なしのストレートな芝居をするしかない。そんな魂の叫びが響くラストに対して、劇中におけるゴードンの〝始まり〟はとても静か。静かに始まって、徐々に熱いドラマが見えてくる…それがまたいいんです。すごくやりがいのある役でした」
「つい聞き逃してしまいそうなところにまで、いいセリフがある」——『ONE PIECE FILM RED』の魅力
さまざまな魅力にあふれている、『ONE PIECE FILM RED』。改めて、働く女性たちに向けたみどころは、どんな部分にあるのでしょうか。
「生きるって、とても大変なこと——この映画は、当たり前だけどなかなか向き合いきれないテーマを提示してくれている気がします。もうひとつ突っ込んだ言い方をすれば、〝ポジティブに〟生きるって、すごく大変だよね、と。世の中にはネガティブなことがたくさんあって、たとえば仕事をしていく上でも、しんどいことのほうが圧倒的に多い。でも頑張っていると、ふとした瞬間にすごく大きな喜びがやってきたりしますよね。それは〝お金や生活のため〟といった働く理由とはまた違う、自分の心の支えになる喜び。そういった喜びやポジティブに生きるためのヒントが、この作品には存在しているように感じられるんです」
▲【Oggi掲載写真を特別に公開!】現在発売中のOggi9月号には、このほかにも撮り下ろしポートレートがたくさん。まだ見ていない方はぜひチェックを!
先ほども「この作品は現代的なテーマを感じさせるストーリーになっている」とお話しされていた津田さん。今を生きる私たちの心に刺さる何かが、作品を通して見つかりそうです。
「つい聞き逃してしまいそうなところにまで、いいセリフがたくさんあります。決して明るいだけのストーリーではないけれど、苦しい局面もポジティブに乗り越えていくキャラクターたちの姿に元気や勇気をもらえるはず。この映画が読者の皆さんの糧になってくれたらと思います」
★津田健次郎さんのインタビューは【後編】ヘと続きます。お楽しみに!
『ONE PIECE FILM RED』全国公開中!
<ストーリー>
世界で最も愛されている歌手、ウタ。
素性を隠したまま発信するその歌声は”別次元”と評されていた。
そんな彼女が初めて公の前に姿を現すライブが開催される。
色めき立つ海賊たち、目を光らせる海軍、
そして何も知らずにただ彼女の歌声を楽しみにきた
ルフィ率いる麦わらの一味、
ありとあらゆるウタファンが会場を埋め尽くす中、
今まさに全世界待望の歌声が響き渡ろうとしていた。
物語は、彼女が”シャンクスの娘”という衝撃の事実から動き出す—。
「世界を歌で幸せにしたい」とただ願い、ステージに立つウタ。
ウタの過去を知る謎の人物・ゴードン、そして垣間見えるシャンクスの影。
音楽の島・エレジアで再会したルフィとウタの出会いは12年前のフーシャ村へと遡る。
原作・総合プロデューサー:尾田栄一郎(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:谷口悟朗 脚本:黒岩勉 音楽:中田ヤスタカ キャラクターデザイン・総作画監督:佐藤雅将 美術監督・美術設定:加藤浩
色彩設計:横山さよ子 CGディレクター:川崎健太郎 撮影監督:江間常高 製作担当:吉田智哉
田中真弓 中井和哉 岡村明美 山口勝平 平田広明 大谷育江 山口由里子 矢尾一樹 チョー 宝亀克寿
名塚佳織 Ado 津田健次郎 池田秀一
公式サイト/公式Twitter
©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
声優
津田健次郎
つだ・けんじろう/6月11日生まれ、大阪府出身。声優としての主な出演作に『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』海馬瀬人役、『ゴールデンカムイ』尾形百之助役、『呪術廻戦』七海建人役など。昨年はTBS系ドラマ『最愛』での刑事役も話題に。映像監督や作品プロデュースなどでも活動している。
メガネ¥35,200(Eye’s Press〈BJ CLASSIC COLLECTION〉) その他/スタイリスト私物
撮影/中村和孝 スタイリスト/小野知晃(YKP) ヘア&メイク/勇見勝彦(THYMON) 構成/旧井菜月