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LIFESTYLE インタビュー

2022.12.13

【宝塚歌劇団OG連載/天寿光希さん】綾 凰華さんからの同組先輩後輩バトン

 

綾 凰華さんにご紹介いただいたのは、今年7月に宝塚歌劇団を退団した元星組男役の天寿光希さん。18年間のタカラジェンヌ生活にピリオドを打ち、今のところ表だった活動はされていませんが、皆さんご存知のあの美しさは健在。これから4回にわたって天寿さんの想いをお伝えしていきます。

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出演者、スタッフ、お客さまが一体となって作り上げる熱い世界。そんな宝塚歌劇が大好きです!

前回ご登場いただいた元雪組男役の綾 凰華(あや・おうか)さんからのバトンは、元星組男役の天寿光希(てんじゅ・みつき)さんへ。綾さんが宝塚歌劇団入団後7年を過ごした星組で一緒だった上級生(先輩)です。

綾 凰華さんのコメント

星組に配属されてすぐ『南太平洋』のお稽古に入らせていただいた瞬間に目を奪われた天寿さん。当時最下級生の私は、畏れ多くて3秒も目を合わせられないほどでした。とても愛にあふれた方で、常に見守ってくださって、悩んでいる時は声をかけてくださったりと、退団した今でも関わらせていただいています

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綾さんは「組が離れても退団してもつながりを持ってくださることが本当に幸せです」とおっしゃっていました。

天寿さん(以下敬称略):不思議なご縁なんですよね。新人公演をともにしたり私の役を新人公演でやってくれたりというような経験はなく、特別な接点があったわけではないのですが、仲良くしていた下級生のひとりです。星組から雪組へ異動した後も、私の姿を見かけたら「天寿さーん!」と手を振って駆け寄ってくれました。

他愛もない話というより、けっこう込み入った深い話をしたり。いつもオープンハートで、その時のあやな(綾さん)を全部、包み隠さず見せてくれる印象でした。先日退団後に久しぶりに会えて、ともに卒業を祝い合いました!

18年間男役を追求してこられた中で、退団を決意した理由は?

天寿:紅ゆずるさん(元星組トップスター)の退団を見送った15年目の時に、目安として18年で幕を下ろそうと思いました。あと何作で辞める、と。理由のひとつに体力的なことがありましたし、ひとりでやっている世界ではないので組織的なことを考えた時にちょうどいい頃合いかなと思いました。

「キャリアの後半には理想の男役であるための様々なしがらみを脱ぎ捨て、“天寿光希”というひとりの役者として舞台に立つことができた」とおっしゃっているのを拝見しました。その思考の転換になるような出来事は何かあったのですか?

天寿:ゴールが見えていると、そこに向けて走れるんですよね。15年目に「自分は18年で辞める」と終わりを定めた時に、見える風景がバチッと変わりました。それまで、精進するために捉われてきたものから、「自分が楽しむこと」を大事にするように思考をチェンジして。

『VERDAD!!』では、天寿さんから楽しみパワーがあふれているようでした。

天寿:『VERDAD!!』はショーで、役ではなかったですから(笑)。体力的にキツかったですけれど、楽しかったですよね。お稽古も含めて本当に時間がない中、あの少ない人数で作るという本当に大変な状況で、苦楽を乗り越えた楽しさがありましたね。

退団公演の『めぐり会いは再び next generation』のユリウスとルーチェの銀橋のお芝居や歌に、ユリウスでありながら天寿さんの想いも乗っているような印象でした。どのように感じて演じていましたか?

天寿:ルーチェとユリウスという役同士のお芝居の中に、礼 真琴(星組トップスター)と天寿光希という役者同士の生きざまが透けて見えること。それがタカラヅカの面白さだと思うんです。あの時のセリフの裏の気持ちとしては、目の前にいる「礼」に向けて言っていましたね。演出の小柳(菜穂子)先生がドンピシャなセリフと歌詞を書いてくださったので、気持ちがリンクしすぎました。

見送る側の礼の方がしんどかったと思います。見送られる側の私は、うれしく楽しい気持ちと、礼やお客さまに対して「ありがとう」という感謝の想いを込めて演じていました。

天寿光希さん横顔

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退団時のご挨拶は「楽しかった!」でしたね。

天寿:タカラヅカに入ると一緒にいる時間が長く、ポジティブなことだけではなくて苦しみや悲しみを共有しながら立ち向かっていく。そういうことを全部ひっくるめてその先にあるものを目指したことこそが、退団のご挨拶で言った「楽しかった」という気持ちです。

「退団後も歌っていきたい」とおっしゃっていましたが、それは退団公演のエトワールなどからつながる思いですか?

天寿:あの取材の日は「歌いたい」という言葉が出たんですよね、うん。退団公演でたくさん歌わせていただいたことは表現者としていい経験ができました。包み隠さずお伝えすると、歌に対してはいつの頃からか自分自身で勝手に限界を作ってしまっていたんです。苦手意識があったんですよね。最後はそれを克服できたかなと感じています。ただただ楽しくて、「聴いていただきありがとうございます」と心から思って歌っていました。

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