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LIFESTYLEいつだって自分に"意識高い系"

2018.06.22

アルバイトでも時給3000円~!選挙に行かないと罰金!オーストラリアから学ぶこと【原田曜平の「後輩世代のトリセツ」】

博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー・マーケティングアナリストの原田曜平さんが、若者のインサイトを発掘する必要性について語ります。

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26年成長し続ける幸せな移民大国・オーストラリアから、今こそ学ぶ

世界で行っている若者調査。3月はオーストラリア・シドニーに行ってきました。実は私は30年ほど前、父親の仕事の事情でシドニーに住んでいたのですが、当時は発展途上国で、魅力といえば豊かな自然くらい。ごはんを食べていてもハエがたかるし大きなクモが出るし、子供心にも田舎という印象でした。

ところがここ最近、若者たちに、身の回りのトレンドを発表してもらう際に、オーストラリア発のネタが出てくるように。特に、昔から移民を入れてきた国の特徴がよく出ているのが飲食店です。パンケーキでおなじみの「ビルズ」だけでなく、原宿など4店舗をもつメキシカンダイナー「GYG(グズマン・イー・ゴメズ)」、銀座にギリシャ料理店「アポロ」、恵比寿にタイ料理店の「ロングレイン」などが進出し人気を呼んでいます。 また、シェイクの上にドーナツをのせて売る、シドニーのベーカリーカフェを世界中のお店がマネしたり、スタバで似せた写真を撮ってSNSにあげる人も出てきました。移民が多い分、発信が全世界に拡散しやすいんですね。さまざまな文化がミックスされて面白いものが生み出され、情報発信地としても影響力を持つようになっているようです。


1. 家庭訪問した中のひとりは、ヨットハーバーに隣接する一軒家に家族と居住。推定6億~8億円。2. ミートパイとコーヒーを中心とした「パイフェイス」は、シドニーで誕生。日本にも進出して渋谷をはじめ4店舗を展開している。3. 健康と環境への意識が高く、特にタバコに厳しいオーストラリア。店頭に出すのはNGで、なんと商品は奥の扉付き棚の中に! 4.「世界最高の高層ビル」にも選ばれたセントラルパーク。

日本の未来にとって、示唆に富んだ国を再発見

大量に移民を入れていながら、ヘイトスピーチのようなトラブルが少ないのも特徴。現地の若者に話を聞くと、「だって、自分も移民だし」とのこと。戦前は白豪主義をとり、白人を優先的に受け入れ、有色人種に厳しい時代もありました。その後、1980年代に多文化主義に移行してアジアに目を向け、今や中国、韓国、ベトナム、インドなど、実に多様な国の民族が生活しています。 実は、26年連続でGDPも人口も伸びた国は、世界史上オーストラリアだけ。フルタイム労働者の平均年収は約600万円です(日本は約430万円)。物価は上がってNYやLA並み。さらに中国からの投資マネーも入って、一戸建ては安くても1億円以上だそうです。最低賃金は18豪ドルで、アルバイトでも時給3000〜4000円が珍しくないとのことですから、日本が貧しく感じてしまうレベルですよね。

日本企業は市場として人口の多いアジアに目を向けがちで、確かにインドネシアは人口2.5億人、オーストラリアは2460万人。ですが、可処分所得が400万円以上の人は前者が360万人に対し、後者には1417万人もいます。高付加価値のものなら、オーストラリアのほうが売れるということでしょう。 日本社会にとってヒントになる施策もいろいろとありました。まず、45歳以上の移民には永住権を認めていない点。これは若い人を呼び込むためで、国の成長は若い人にかかっているという意識があるんですね。また選挙は義務で、行かないと20豪ドルの罰金が発生します。 働き方に関わる部分では、電車は時間によって料金が異なり、通勤ラッシュ時は高い設定。共働きが多く、混雑を分散するのがねらいです。さらに、有給休暇を使いきれなくても、消滅させずに貯めることができ、退職時にまとめて使えます。有給休暇が権利だという考えがあまりない日本でも、ぜひ取り入れたいものです。

移民というと、どうしてもアメリカや欧州の例が注目され、トランプさんの主張や難民の問題が取り上げられて「搾取される」という発想になりがち。オーストラリアのように移民とうまくつきあいながら経済成長してきた事例の議論はあまりされていません。現地の方にお話を聞いても、生活の小さな不満はあれど民族間の格差は少なく、総意としては移民のおかげで豊かになったよねという認識なのだとか。日本の未来にとって、示唆に富んだ国を再発見した気持ち。人手不足が加速している中、今モデルにすべきはオーストラリアなのでは? と感じています。

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マーケティングアナリスト

原田曜平

1977年生まれ。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。学生や20代の社会人と共に、若者の消費行動について調査・分析を行う。マーケッターの立場から現代を読み解き、テレビ番組『ZIP!』(日本テレビ)、『新・情報7DAYSニュースキャスター』(TBS)などに出演。

Domani2018年6月号 新Domaniジャーナル「後輩世代のトリセツ」 より
本誌取材時スタッフ:構成/佐藤久美子


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