本当に好きなことを見つけよう
(You’ve got to find what you love. )
順調だったアップル社は、突然、彼の解雇を言い渡します。新しい経営陣から閑職に追いやられたのです。彼は失意のうちに、退職を決意しました。なんと、自分が作った会社からクビを言い渡されたのです。当時は苦悩にのたうち回って、シリコンバレーから逃げ出そうかとも考えたといっています。しかし彼は、この出来事を振り返って「人生最良の出来事」と断言しています。
新しいコンピューター会社NeXT社を立ち上げ、ピクサー社を成功させます。また、妻となる人とも巡り合いました。その約10年後、NeXT社をアップル社が買収するという形で、スティーブ・ジョブズが古巣に返り咲きました。
人生0になったからこそ、もう一度自分の心に火がついた。大企業責任者の重荷から逃れられ、軽やかにまたチャレンジャーとして立ち上がれたのが良かったと、彼は振り返ります。
どんなひどい衝撃的な出来事も、自分が本当に愛する仕事だとわかれば、何度でも続けられる。ここでも自分の仕事を偉大な仕事だと信じる事だと彼はいっています。
そのために、「本当に好きなことを、妥協せずに探し続けることだ(keep looking don’t settle)」と、2度繰り返して伝えています。
今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを本当にするだろうか?
(If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?)
2003年、すい臓癌が見つかり余命宣告を受けます。しかしその後検査で、奇跡的に手術を受けられるタイプのすい臓癌だと判明しました。
死を意識して生きることが重要です。「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを本当にするだろうか? を問い、「違う」という答えが何日も続くようだったら何かを変えなければいけない」と言っています。
死を目前にすれば、他人の声や社会で常識とされることなどどうでもよく、真に重要なことだけが残ります。「自分の心と直観に従って生きよう、それはすでに自分がなりたいものをよく知っているから。その他すべてのことは二の次です」、「人生は短い。他人の人生を生きていてはあっという間に終わってしまう」と伝えています。
Stay hungry , Stay foolish(ステイハングリー、ステイフーリッシュ)
このスピーチは、この言葉で締めくくられます。彼自身の生き方を象徴する言葉だといいました。直訳すると「現状に満足するな、愚かなままでいろ」ですが、本当に言いたかったことはなんでしょうか? 彼がアップル社を追われることになり、NeXT社を起業したとき、まさに、それはこの言葉の実践ではなかったでしょうか? 「他人の人生を生きるな。自分の人生を生きろ。誰かが指さしてもいいじゃないか、それが自分の生きる道だ」彼は、そう言いたかったのかもしれません。
【目次】
まとめ
スティーブ・ジョブズはこのスピーチの後、6年で短い生涯を閉じました(享年56歳)。彼はこのスピーチの中で、「この先の生涯において、これ以上死に近づくのはもうごめんだ」と言っています。「本当に人生は短い。為すべきことをしたのだろうか? 」これだけの偉業を残したスティーブ・ジョブズでさえ、最期はそう思ってこの世を去ったのかもしれません。人生は短いと…。
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