「時は金なり」は時間の尊さを伝えることわざ
「時は金なり」は「ときはかねなり」と読み、“時間はお金と同様に価値があること”をあらわすことわざです。時間はお金と同じように大切なものであるため、浪費してはいけないという戒めの言葉でもあります。
時間は無限に与えられているものと、つい考えてしまいがちですが、気がつきにくいだけで、時間も確実に減っています。ぼんやりと時間を使うのではなく、有意義に過ごすことが大切です。
■もとはアメリカの“ベンジャミン・フランク”の言葉
時は金なりということわざの由来は、ベンジャミン・フランクの言葉だといわれています。政治家や物理学者、作家など多方面で活躍したベンジャミン・フランクリンは、アメリカ合衆国の父と呼ばれ、100ドル紙幣の肖像にも描かれるほど後世に名を残した人物です。
ベンジャミン・フランクは、「若き商人への手紙」と訳される手紙のなかで、「時間はお金そのものであることを覚えておきなさい」と記しています。
■機会損失を注意喚起する意味も
実は、時は金なりは時間の尊さを伝えるだけでなく、機会損失を注意喚起することわざでもあります。具体的には、時間を失えばその時間で稼げる可能性のあったお金も失うという意味です。
たとえば、だらだらと過ごした日があったとします。もしも1日働くことで1万円を稼げる人であれば、収入として得られたはずの1万円を失っているといえるでしょう。
時は金なりは、現在では時間は大切なものであるから浪費してはいけない、という意味で捉えられることが一般的です。しかし、ベンジャミン・フランクリンが当時の若い社会人に対してもっとも伝えたかったのは、このような機会損失を避けることであったとされています。
「時は金なり」の使い方を例文でご紹介
時は金なりは、立ち止まっている人の行動を促すシーンや、ビジネスシーンなどで使われることが多いことわざです。
立ち止まっている人に対しては、時間の大切さを伝え、行動を起こせるように背中を押したり、励ましたりする場合に使うことが多いでしょう。一方、ビジネスシーンでは時間の大切さだけでなく、機会損失をしないように促すニュアンスが込められていることが少なくありません。
ここからは、具体的な例文をご紹介します。
■立ち止まっている人の行動を促すために使う
・時は金なりなのだから、何もせずに過ごすのではなくとにかく前に進むべきだ
・時は金なり、あれこれ悩んでいても仕方がない
・不安な気持ちはわかるが、時は金なりというし、まずは行動してみよう