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LIFESTYLE シングルマザー・再婚

2023.05.22

【39歳、子連れ再婚の365日vol.7】息子と義母の初対面。そこには意外な息子の姿が!?

 

蓮とお母様の初対面。お母様の熱烈な態度に、蓮は意外にも大人な対応。一方、あんはお母様のリクエスト祭りにギブアップ状態。【毎週月曜日19時更新】

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登場人物
あん(私)…メーカー勤務のシングルマザー。8年前に離婚し、実家に出戻り。39歳。
…生意気盛りの小学生。11歳。
臣斗くん…あんの会社の後輩・海斗くんの大学の同級生。34歳
結衣…蓮の彼女。4年生からS塾に通い中受予定。
お母様…臣斗の母。英語教師で蓮の中学受験を強力プッシュ。

【前回までの話】
シングルマザー歴8年目にして、子連れ再婚を果たしたあん。しかし、事実婚で結婚指輪も婚姻届も、新居もない「ないない尽くし」からのスタート。挨拶の席で義母に蓮の中学受験をゴリ押しされるも、金銭的にも蓮の性格的にも無理だと判断したあん。しかし、蓮から「結衣ちゃんと同じ中学校へ行きたいから塾に行く」の一言から中学受験がスタートしてしまう。勉強を見てくれる臣斗くんのおかげもあり、なんとか塾にしがみついている蓮。一方、あんと臣斗は蓮の受験を期に一緒に住むことを考える。が、賃貸と購入で意見が衝突。結論は出ないまま母の緊急手術が必要との連絡が。手術で癌を全て取り除いた母から、私と蓮、臣斗くんの3人で息抜きにと旅行の提案が。しかしその旅行であんと臣斗は大喧嘩をし、ステップファミリーの難しさを知る。

前回の話▶︎初めての大喧嘩!ブチギレる私に彼の反応は?【39歳、子連れ再婚の365日vol.6】

Season1『シングルマザーの恋愛』はコチラから

大量の参考書に付箋。私よりも中受に熱心な義母に蓮は意外にもクールな対応!?

こんにちは。バツイチ子連れで再婚をしたあおいあんです。

前回は臣斗くん蓮、私の3人で福岡旅行のお話をしました。道中いろいろありましたが、3人で、これから新しい家族として、いろんな山を乗り越えていかなくちゃと感じました。

空港から車で送ってもらい、家の前に着くと、臣斗くんのスマホが鳴った。

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臣斗

母からだ

電話が終わるまでなんとなく車から出るに出られなかった私たち。電話が終わると

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臣斗くん

母が蓮に会いたいって。なんだか参考書も買ったらしくって

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分かった。じゃあ来週の土曜日のランチはどう? そのあと、蓮を塾に送って行く

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臣斗

OK! 母には伝えておくね

臣斗くんと別れると蓮はお母様のことを尋ねてきた。どんな人? 怖い? 何歳?って。そりゃいきなり血のつながらないおばあちゃんができるんだもん。いろいろ聞きたいことがあるよね。私は英語の先生で勉強に熱心な人とだけ伝えておいた。

その土曜日、初めて臣斗くんのご両親と蓮が会うため、渋谷のホテルランチを予約した。蓮は背筋を伸ばし、きちんと挨拶をし席に座った。

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お母様

蓮くん中学受験するって聞いたから、少しでも力になれたらと思って、4教科の参考書、買ってきたからね

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ありがとうございます

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お母様

お勉強で分からないところがあったら臣斗に聞くのよ。あと欲しい本があれば教えてね。買って送ってあげるから

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ありがとうございます

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お母様

どの教科が得意で、どの教科が苦手?

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理科が得意で算数が苦手です

蓮はまるでAIロボットかのように的確に、かつ無駄のない返事を返していてビックリした。

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お母様

中学受験は算数と国語よ、蓮くん。4教科のうち、この2つは配点が大きいから苦手なんて言ってられないの。夏までに算数と国語の特訓をした方がいいわね。好きな理科はしばらくやらなくてもいいぐらいだわ

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はい

また静かに蓮は返事をした。こんな感じで蓮とお母様のお勉強話が続き、そろそろ塾へ行く時間に。

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お母様

じゃあ、またね蓮くん。お勉強頑張ってね。応援してるから! はい、あんさんよろしくね

と紙袋2つに分けた参考書をドサッと渡された。今から塾へ送るのに、嘘でしょ!?って重さの紙袋。臣斗くんはご両親を送っていくため、頼れない。しょうがなく持ったまま塾へ送り、家に着くと私の腕はパンパンで、手のひらは真っ赤だった。なにをこんなにくれたのだろうと中身を見ると、お母様から私宛の手紙も一緒に入っていた。

「あんさんへ

中学受験で最低限、抑えておきたいところに付箋を貼っておきました。あんさんも読んで覚え、逐一蓮くんに覚えているか問いかけてください。あと蓮くんの今の偏差値、テスト結果、ノートのコピーをメールで送ってください。弱点を見つけてフォローできればと思います」

 

背筋がゾクっとした。私以上に蓮の受験に関わろうという姿勢。何がなんでも合格させようとする姿勢。恐怖を感じた。

臣斗くんへ連絡をし、どうしたらいいか聞いたところ、とりあえずメールは送っておいた方がいいとのこと。なんか蓮が受験をすると決めれば、お母様のお受験熱が収まると言ってたのに、逆に火に油を注いでいる感じがしてならない。

言われた通り、メールで偏差値とテスト結果、ノートの画像を送った。

「お母様へ

今日は蓮とお食事していただきありがとうございました。また、たくさんの参考書いただき助かります。蓮が塾から帰ってきたら一緒に読んでみたいと思います。リクエストいただいていた3点添付致しましたのでご確認ください。また、お母様とお食事に行けること楽しみにしております」

 

さて、任務完了したし塾が終わるまでのんびりしますかと思ったら即効で返事が返ってきた。

「あんさんへ

蓮くんお返事もハキハキしていてとても賢くて良い子ですね。ただ、いただいた資料を見ましたが、このままでは合格は難しと思います。私の知り合いに家庭教師をしている方がいらっしゃいます。理想は週2回ですが、相性もあると思うので、まずは1度お試ししていただけるかお話ししてみましょう。それと参考書はあんさんと蓮くんが一緒に読むのではなく、あんさんが先に目を通し、蓮くんが読んでいる際に出てきた疑問に答えられるようにしましょう。夏前までに基礎力が完成できなくては、最後の夏を乗り越えられません。始めるのが遅かった分、フルスピードで、一緒にサポートしていきましょう」

 

もう読んでいる途中でギブアップだった。そんなパワーがあるならあなたが代わりにやってくださいよと、喉まで出かかった。お母様が受験を望んだくせに合格できないとか、家庭教師やら、本の読み方とかもう全部お節介にしか感じられなかった。

そんなこんなでもう塾へ迎えに行く時間に。迎えに行くと蓮はエントランスで結衣ちゃんを待っていた。私は遠くから眺めて待っていた。結衣ちゃんが出てくると蓮は嬉しそうに、太宰府天満宮のお守りを渡していた。しばらく見守った後、声をかけて結衣ちゃんにバイバイすると

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臣斗くんのお母さん何をくれたの?

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い~っぱい勉強の本が入っていた。しかも付箋付きで。ね、なんでご飯の時、余計なこと喋らずハキハキ返事してたの?

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なんか話し方が強烈っていうか、ガンガン来る感じが塾の先生に似てるなぁと思って、はい!はい!ってハキハキ返事しておくといい評価になるかなって

そうゆうことか。今まで生返事だったり、ふざけたことしか言わなかったけど、塾へ通ってちょっと大人びた息子に嬉しいような、頼もしいような。机の上の勉強だけでなく、塾でも社会勉強ができるってことね。

テーブルに置かれたノートパソコンと女性

このまま本当に受験をするか?できるか?分からないけど、今やってることは決して無駄ではないと感じられ少し前向きな気持ちになれた。なのに…。

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あおいあん

契約社員でメーカー勤務、現在38歳のシングルマザー。高学年になりちょっと生意気になった10歳の息子と実家に出戻り。40歳を前に「もう一度、女としての人生を!」と一念発起。離婚をしてから7年という恋愛ブランクを埋めるべく奮闘し、5歳年下の彼氏と再婚を決めた。
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