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2018.08.05

セクハラ問題から考える、嫌なことを嫌と言う難しさ【犬山紙子のワーキングマザー一年生】

コラムニスト犬山紙子さんが赤裸々に語るワーキングマザー生活。今回は「本当に嫌なことでも嫌って言い難い空気」について。

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セクハラ被害者が責められる日本。「嫌」と言える世の中に

娘1歳3か月にしてイヤイヤ期突入と思われます。鼻水を拭くのをブリッジして拒否、外でまだ遊んでいたいときは地面に這いつくばる、そして、サングラスをしないとご飯を食べないという予想の斜め上のイヤイヤ……外でサングラスした赤ちゃんが離乳食食べてるインパクトよ。しかし、イヤイヤって2歳くらいからと思っていたのですが……。まあこれも子供の個性、っていうか私の遺伝っぽいです。 しかし、イヤイヤしている娘を見ていて「でも嫌なことを嫌って言うの、大人になると難しいよねえ」と思ってしまいました。イヤイヤ期のようにわがままし放題にできないって意味ではなく、本当に嫌なことでも嫌って言い難い空気。

これを書いている今、財務省の元・事務次官のセクハラ疑惑で世が揺れています。そしてセクハラ被害者に投げかけられる「嫌って言えばいいじゃん」「会わなきゃいいじゃん」「すぐ上司に言えば良いだろう」「本当は自分にもメリットがあるから会っていたんじゃないか」という心無い言葉。そういう意見を見るたびに「嫌って言える世の中じゃねーーだろーーー!」と気性の荒い私は叫ぶのです。

だって、セクハラを受けた人がちゃんと守ってもらえる社会じゃないですもの。嫌って言ったら自分の仕事がなくなるかもしれない、周りに迷惑をかけるかもしれない、「気のせいだよ」っていなされるかもしれない、自分が「お前に落ち度があったのでは」と責められるかもしれない……一応企業にはセクハラの相談窓口がありますが、相談する人はこういう理由でかなり少ないと思われます。私もセクハラで悩んでいる人から話を聞いたことがありますが、彼女が信頼していた人に相談したところ「それくらい受け流せ」と言われて2倍にショックを受けていました。女性だってみんな親身になってくれるというわけでもなく「私もそれくらい我慢したわよ」理論の人もいたりして。今はまだ嫌って言った人がさらに嫌な目に遭うことが多い状態なんですよね……。

イラスト/犬山紙子

そんなわけでセクハラを受けた人がみんな#metooしなきゃいけないとは思いません。怖くて当たり前ですもの。#metooしろと強要するのもハラスメントだと思います。そんな中、今勇気を出して#metooした人たちはそんな酷い状況下でも「それでもこの先セクハラが少しでもなくなるのなら」という気持ちで臨んでいるのでしょう。

実際、今回のことでなくなるセクハラはたくさんあるのではないでしょうか。ひとりの勇気がその先の弱い立場の人たちを救うことになるんですね。 個人的に、声をあげた女性記者は個人情報から何から何まできちんと守られてほしい。そこまでできて「ああ、自分も手を上げられるかもしれない」と思えるようになる。 これを書いている今も「イヤイヤ」と自分の要望を伝える娘。彼女が大人になったとき、本当に嫌なことに出会ったときに「嫌」と言っても理不尽な目に遭わないでほしい。めちゃくちゃ当たり前のことだけど彼女の人権がきちんと尊重される世の中であってほしい。そんなことを思うと勇気を出して#metooした人に感謝の気持ちでいっぱいになるのです。

私、子ども欲しいかもしれない。/¥1,300 平凡社「子供は欲しいけど、実際どうなの?」出産前の犬山さんが育児体験者の話を聞いて、〝どうしよう〟をとことん考えた「出産・育児」のリアル。母親の本音が炸裂です!

コラムニスト

犬山紙子

1981年生まれ。『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。人間観察の名手として注目を浴びる。ユーモアあふれる表現で女子の生態をつづった著書多数。2017年1月に出産、一児の母に。オフィシャルLINEブログやインスタグラム@inuyamakamikoでも日常を発信中。

Domani2018年7月号 新Domaniジャーナル「ピッカピカの! ワーキングマザー一年生」 より
本誌取材時スタッフ:イラスト/犬山紙子  構成/佐藤久美子


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