こんにちは、editor_kaoです。秋に入り、仕事がひと段落したタイミングで、衣替えも兼ねて、自分のワードローブを見直してみることにしました。
ベーシック派こそ、毎年のアップデートが必須
急に寒くなったこともあり、新しい服を買いたい気持ちが高まっているのと、昨年は活躍していたけど、なぜか今年は気分じゃないアイテムや、しばらく寝かしていたけど、急に復活するアイテムなんかを整理したかったんです。たとえば大定番だと思っていたシンプルなクルーネックニットも、襟ぐりの開きや着丈のバランスで、微妙に今の気分に乗らないことがあります(毎年買い直すのもツラいので、妥協して着ることもあるけれど)。ここ数年はワイドパンツが人気ですが、そのシルエットも、フレア状に広がっているか、それともストレートラインかで、印象は全然違う。基本的にベーシックでシンプルな着こなしが好きですが、それでも毎年、アップデートは考えなくてはなりません。いや、ベーシックだからこそ、少しの差が大きく影響してしまう!
思い出のある、大事なトレンチコートを復活させようと
今回見直したアイテムのひとつに、トレンチコートがあります。それはまさに本格ブランドの「一生もの」といわれる一枚。手に入れたのはもう15年くらい前になるのですが、当時の私としては、かなり思いきったお買い物でした。撮影時にスタイリストさんが用意してくれたトレンチがあまりに素敵で、そのあと実際にショップに行って、試着して、えいっと購入したもの。そのシチュエーションは、今でも記憶に残っています。買ってからしばらくは、いい女になった気持ちで、うきうきと着ていたのですが、いつからかトレンチコート自体が、あまり気分でなくなり、登場する機会が減ってしまいました。
ただ、先日あるブランドの展示会で、素敵なトレンチコートが並んでいるのを見て、ふと「また着てもいいのでは……」と、思い立ったんです。トレンチコートがトレンドだからという意味ではありません。今の私は、年齢的にも、トレンドを追うというよりは、人間性で服を選ぶ時期にきている気がする。(かなり)大人になった今こそ、こういった本格的なアイテムが、再びなじんでくるのでは……という予感が。ほら、前回のコラムの例もありますし(こちらも読んでね!)。
「永遠のベーシック」って、いったいなんでしょう
で、いそいそとクローゼットからトレンチを取り出し、着て鏡の前に立ったのですが。
結果は惨敗でした。ちーん……。
本当に、なぜなんでしょう。理由は自分でもわかりません。ハンガーに吊るされている様子を見ても、さほど古い感じはしないんです。美しく、端正な雰囲気は、さすが本格派!ただ、いざ自分が着てみると、なんだかちぐはぐな印象で……。
普通こういうコラムって、「ひさしぶりに着てみたらしっくりきて、本格トレンチの魅力を再確認しました」っていうオチじゃないのー?と、自分でも思うんですけど、真実だから仕方ない。もう、どうしてなのかしら?ひょっとして、そもそも15年前も似合っていなかったことに、私自身が気づかなかっただけなのか!?という疑いすら出てきました。
そういうわけで、永遠のベーシックだと信じていた本格トレンチを、いよいよ手放す決心がつきました。が、これは新たな課題でもあり!近日中に実際にショップに行って、新作のトレンチを試着してみようと思っています。原因は、私自身のキャラクターなのか、はたまた私がもっているトレンチのデザインなのか。結論はそれからだ!
おしゃれって、本当に奥が深くて難しいですね。むー。
【今日のひと手間】
せっかくなので「手持ちのワードローブを見直す」で、成功した例も。もう、いつ手に入れたかもわからないくらい昔の「ジョージ・ジェンセン」のシルバーリングなのですが、急にこの存在を思い出し、探してみたら、恐ろしいほどに変色していました……。が、ショップに持って行き、磨いてもらったら、こんなにキレイになって戻ってきて!!こんなとき、アフターケアもきちんと行なってくれるのが、ブランドのありがたいところ。わーん、今までほうっておいて、本当にごめんね。
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ
あわせて読みたい